シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

文字起こし:変質アベノミクスを畑浩治議員が糾す

衆議院予算委員会で、生活の党・畑浩治議員が消費税後のアベノミクスについて的を射た質問をしました。 畑浩治氏は*1 元民主党でしたが、野田佳彦元首相が強硬に進める消費税増税などを含む社会保障・税一体改革関連法案の提出を表明した際には、法案の内容…

マネーの正体は貸借-21世紀の貨幣論

最近出版されたフェリックスマーティン著「21世紀の貨幣論」(原題:Money: The Unauthorized Biography)は、貨幣史を検討した上で、貨幣とは金貨でイメージされる商品貨幣ではなく、誕生したころから信用・決済のシステムだったという結論を得ました。この「…

反リフレ派教授が暗示するリフレ政策選択肢

今日のBloombergでは、日銀関係者が来年後半での物価上昇の見通しを撤回するとの報道が伝えられています。 こうしたタイミングで、リフレ政策としてインフレターゲット+異次元緩和という金融政策だけがインフレ期待に訴える唯一の道か考えてみても良いのか…

「浜田宏一先生と同じ派」はもう無理です

リフレ派の重鎮、エール大学の浜田宏一名誉教授が、今日の日経新聞のインタビューに対し注目すべき発言をしています。 この発言をみて、私事ですが、現在のアベノミクスを支持するリフレ派でデフレ脱却は不可能という思いが強まりましたので、これまでの広義…

大阪都構想と「京名経済圏」

橋下大阪市長が推進したい大阪都構想は大阪市議会で多数派を占める都構想反対派により暗礁に乗り上げつつあります。 その一方では、リニア中央新幹線・北陸新幹線が着々と建設されつつあり、これらの結果、将来大阪都どころか大阪県になってしまうおそれもあ…

カナダ中央銀行の分かりやすい「通貨発行益」

紙幣が発行される時のシニョレッジ(通貨発行益)について、大変分かりやすい説明が、カナダ中央銀行ウェブサイト内にありました。今回はこれをご紹介します。 政権につく直前の安倍自民党総裁が、次のように語ったとして、一時話題になっていました。 •1万…

矛盾してません?

本日はちょっとした意見表明です。リフレ派内でちらちらみられる、 ・デフレ脱却は金融政策で十分 ・財政政策は害があるのみ ・だが消費税でデフレ脱却は困難になった。 この3つを同じ人が主張するのは矛盾じゃないですかね? 消費税を「負の財政政策」と理…

内閣府モデルの大罪(2)

昨日書いたように内閣府モデルは、財政政策を否定するマクロ経済モデルとして特異的なものですが、その歪んだ特性として、消費税増税に肯定的な結果が出ることも指摘されています。昨日はこのブログで、竹中平蔵氏がすげ替えたマクロ経済モデルがデフレ日本…

内閣府モデルの大罪(1)

10月16日に開催された参議院 財政金融委員会で、与党・自民党の西田氏が、政府が政策立案に使っている内閣府モデルの欠陥について指摘しています。西田昌司氏の発言は昨日10月16日の参議員・財政金融委員会でのことです。 *1 以下はそこからの、かいつまんだ…

消費税増税有識者アンケートにみる有識者らの姿

今日の日経新聞朝刊に、「消費税、予定通り10%」が6割 有識者アンケート と題した記事が載っています。消費税が8%に増税された4月以後、多数の経済指標が大幅悪化していますが、これは字句通りに受け取って良いのでしょうか。アンケートの対象は、昨年8…

日本経済はブレーキを踏むためにあるのか

ある経済入門書を眺めていたら興味深い絵に目が止まりました。 これを現代日本に当てはめるとどうなるのでしょう。眺めていた本は「図解雑学ケインズ経済学」。 もっとも、興味深い絵というのはケインズ経済学に限ったものではありません。(図1) 至極まっ…

ヨレヨレ? 変質アベノミクス

今日の日経朝刊5面には現状政策を肯定する人たちから見てもアベノミクスが万全とは言えない状況が凝縮されていました。 私シェイブテイルは現状のアベノミクスは消費税により大きく変質していると捉えていますし、アベノミクスに消費税を付け足しても問題は…

宍戸氏:内閣府のシミュレーションはインチキだ

宍戸駿太郎先生が、消費税で変質したアベノミクスについて語っています。 宍戸先生のマクロ経済モデルによれば、数年後も消費税増税の傷跡は深いようです。(以下THE FACT チャンネル(2013/9)からの引用) ナレーション 2013年8月に政府が開催した消費税集中…

アベノミクス 増税回避の矢はあるのか

今年7-9月期の経済状態をみながら判断するとされる10%消費税増税問題。 政界での増税推進派と凍結派の動きも次第に活発化しているようです。エレクトリックジャーナルで執筆する平野浩氏はツイッターで次のようにつぶやいています。 12日夜のこと。増税決…

リフレ派にみていただきたい一枚の図

今日は見ていただきたい図表はたった1枚です。 大恐慌期の米国での物価と政府赤字(支出)額の関係です。(図1)デフレ期の政府支出と物価上昇は一見バラバラな関係? 図1 連邦政府赤字額12ヶ月移動平均とCPI対前年比伸び率 出所:向井文雄(2013)「日本国債のパ…

4人目のデフレ総裁

9月11日、黒田東彦日銀総裁は追加緩和に言及し、ドル円も107円まで円安が進んでいます。 ただこの追加緩和発言、これまでとは少々意味合いが異なるようです。 黒田東彦総裁が11日に追加金融緩和に言及したのは、消費税率を10%へ予定通り引き上げるよう政府…

日銀とFRBのインフレ目標政策の違い

インフレ目標に量的緩和。 よく知られているように、現在日銀もFRBも共に採っている戦略です。 しかし、両者には少々異なった点があるようです。先進国で唯一インフレ目標政策が取られていなかった日本ですが、昨年1月、アベノミクスに伴い、ようやく日銀も…

政府債務問題は2030年に消失する?

現在日本の政府債務は1000兆円を超えています。 ところが現在のアベノミクスを続けていくと、2030年には政府債務問題は消失するかも知れません。 現在の政府債務残高は、国債に限っても約1000兆円です。 これを巡り、政界では「消費税は15%、いや30%でも財政…

日欧で考慮が必要な「固体経済」

現在の日本経済は政府債務急増とデフレの板挟みに苦しんでいます。 最近ではユーロ圏までもが「日本化」に苦しみだしたようです。 これらに良い処方箋を考えるのに、これまでの経済学の枠組みはかえって邪魔になっているのではないでしょうか。これまでの経…

安倍首相は二者択一が必要だったのだろうか

改造安倍内閣の人事がネットでは波紋を呼んでいます。 注目されるのが、自ら自民党総裁として消費税増税に邁進した谷垣氏の党幹事長起用です。この4-6月期は個人消費を中心に景気が落ち込み、実質GDPの前期比は年率換算でマイナス6.8%を記録しました。 内閣…

消費増税の黒いシナリオ(書評)

産経新聞の田村秀男氏はマスコミ界では珍しく、一貫してデフレ脱却の必要性を訴えてきました。 その田村氏がアベノミクスの挫折を予言した著書を出しています。 書かれたタイミングは消費税増税よりも前の今年2月です。 田村氏には消費増税でアベノミクスが…

変質アベノミクス

2012年12月に第二次安倍内閣が発足し、最重要課題としてデフレ脱却を掲げ、その主要施策を3本の矢とするアベノミクスが始まりました。 しかし、消費税を上げた現在当初の目論見とは違いアベノミクスは大きく変質したようです。 (この図はイメージです) アベ…

地図でもわかる土石流が起きやすい場所

広島市安佐南区で発生した土石流では多数の死者が出ました。 山がちな日本ではこの事例は他人事ではありません。 住んでいる地域は同様の災害が発生しやすいのかは知っておく必要があります。今年の夏は天候が不順で、例年なら晴天が多いはずの8月のお盆前後…

狭義リフレ派は財政政策にも前向きか

リフレ派は金融政策に積極的であることは論を待ちません。 では、財政政策についてはどうなのでしょう。シェイブテイル自身、デフレ脱却が是非とも必要とは考えています。ただ、岩田規久男先生が「昭和恐慌の研究」で自らを規定しているように、”本書の執筆…

古今東西火の車?

日本の政府債務は現在1200兆円と言われています。 名目GDPの2倍を超える巨額です。 政府はこの政府債務の抑制と増え続ける社会保障費財源として10%への消費税増税を目指しています。 では日本の政府債務は過去どのように伸びてきたのでしょうか。図表1は19…

アベノミクスと高橋財政を比較してみた

アベノミクスのパフォーマンスを、80年前昭和恐慌のデフレからの脱却を実現した高橋財政と比較してみました。 その結果、高橋財政に比べると、現在のアベノミクスのデフレ脱却効果は限定的のようです。 高橋財政に比べてアベノミクスの効果が弱い理由も考え…

死にネコも叩きつければよく弾む

今日今年第二四半期GDPの一時速報が発表されました。 これによると実質GDPは同6.8%の大幅減少になったようです。 ただ、これにより政府が10%消費税の判断を翻すか、といえば却って増税へのゴーサインに確信を持つ可能性が出てきたのかもしれません。今朝今…

今回の消費税増税で自殺者は増えない?

最近の自殺統計によると、4月に消費税が増税されても、自殺者は増えるどころか減っているようです。 では今回の消費税増税で自殺者は特に増えないと判断できるのでしょうか。昨日8日に、今年上半期の自殺統計が発表されました。 それによると、昨年同期比で…

今の税制で法人税減税より重要なこと

昨年の一般税収はこれまでの政府見通しより遥かに多くなりました。 今後の税制を考える上で、現在の日本の税収は、政府が現在想定しているよりも名目GDPに鋭敏に反応するという事実を踏まえる必要がありそうです。 今日6月8日の日経朝刊によれば、2013年度法…

日本の財政−本当の問題は何か

日本の財政に問題があるということに異論がある人はいないでしょう。 ただ、その本当の問題はどこにあるのでしょうか。 今朝の日経の大機小機でも日本の財政問題をとりあげています。 「途方もない」財政赤字 日本の財政状況が大変だ、ということは誰もが知…