シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

死にネコも叩きつければよく弾む

今日今年第二四半期GDPの一時速報が発表されました。
これによると実質GDPは同6.8%の大幅減少になったようです。
ただ、これにより政府が10%消費税の判断を翻すか、といえば却って増税へのゴーサインに確信を持つ可能性が出てきたのかもしれません。

今朝今年4-6月期の実質GDP速報値が発表されました。
最近の実質GDP成長率をグラフ化すると図1のようになります。
ちなみに、GDP成長率は前期比年率で示されています。


図1 実質成長率の推移
GDP成長率は前期比年率。

4-6月期は、個人消費が▲5.0%、住宅投資は▲10.3%、設備投資は▲2.5%と内需は悲惨な状況でした。 

外需こそプラス5.2%ですがその内訳は、輸出▲0.4%−輸入▲5.6%ですから、内需の弱さの反映に過ぎないのかもしれません。

7月10日頃には、アナリストのコンセンサスでは今回のGDPはマイナス5%程度と見られていました(図2)。

図2 経済アナリストらによる経済成長率予測(7月10日)出所 ESPフォーキャスト調査 日本経済研究センター 回答数42

ところが今回のGDP速報発表直前のアナリストコンセンサスでは、GDPはマイナス6.8%成長と、ほぼ今朝の内閣府速報通りのひどい内容となっています(図3)。


図3 経済アナリストらによる経済成長率予測(8月12日)出所 図2に同じ

甘利経済財政相は今日の記者会見で、想定内の動きといった発言をしていますが、これは前日下方修正して発表された上記のGDPコンセンサスと乖離がなかったことが根拠なのかもしれません。

ところで7月10日のコンセンサスと、8月12日のコンセンサスとを比較すると4-6月期の下方修正以外にも修正点が見られます。 それは、10%消費税増税の是非判断の根拠となる7-9月期が前回よりも上方に修正されている点です(2.65→4.08)。

少し考えてみれば当たり前の話で、前期比年率という指標でみれば、4-6月期がひどければひどいほど、7-9月期にはひどさが多少和らげば、指標上は結構なプラスの数値になってしまうということです。 

高橋洋一氏はツイッターで次のようにつぶやいています。

7−9月期はよくなるというが、「死んだネコでも放れば弾む」(Dead Cat Bounce)というからね。どのくらい弾むかはそのとき次第。確かに弾むが、元には戻らない、死んでいるから。
YoichiTakahashi 2014年8月12日

4-6月期に強く叩きつけた死にネコは7-9月には高く弾むことでしょう。
そして高く弾んだ死にネコを見て、甘利大臣ら政府首脳は喜々として消費税10%増税に邁進するのではないでしょうか。