シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

日経の消費税価格転嫁促進案は有効か

今朝の日経社説では消費税の価格転嫁について書かれています。 消費増税の価格転嫁を妨げてはならない 2012/7/29付 消費増税関連法案は今国会で成立する公算が大きい。税率を引き上げる2014年4月と15年10月には、企業が商品やサービスの価格に税負担を転嫁…

ベクトルが揃ってきた流動性の罠脱出法

三橋貴明氏がブログ*1に次のように書いています。 ポール・クルーグマンの新著「さっさと不況を終わらせろ 」、すごくいいです。 わたくしは自分が読んで感激した本以外は、当ブログでご紹介しないことにしておりますが、これは文句なしでおすすめできます。…

「緩やかな演繹法」でわかる、国の債務とは何か

池上彰氏といえば、テレビでは軽妙かつわかりやすい語り口でかなり難しい事柄を解説することで知られています。 その池上彰氏の著書のひとつに”伝える力 (副題)「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!”というものがあります。 この中で氏は正しい結論…

NIFでは何年後にレーザー核融合発電が実現するか

去る7月20日、核融合研究の進展について次のようなニュースが流れました。 レーザー核融合反応の実験に成功、クリーンエネルギー実現か=米国 Y!2012/07/20(金) 09:49 世界最大のレーザー核融合施設である米国国立点火施設(NIF)はこのほど、米カリフ…

破綻論者達全員が予測する日本破綻は61年先?

日本がデフレ不況から抜けだせず、国債が積み上がっていきます。 これはこれまでの数回のエントリーで書きましたように*1 日本のマネーが増えていることと裏腹ですから、国債については金利以外に心配はないことになります。ただ、世の中にはたくさんの日本…

見飽きない地図

先日、欧州の歴史をコミカルな絵で示した地図が話題になっていました。*1 こういった地図は見飽きないですね。シェイブテイルが面白いとおもった見飽きない地図をいくつかご紹介しますと。1.都市変遷パラパラ地図(タイトルをクリック)この地図では、明治…

クルーグマン「誰も債務がわかっちゃいない」は伝わっているのか

国の債務を全て返済すれば何が起きるのか - シェイブテイル日記 と 国の債務の何が問題か - シェイブテイル日記 で、思考実験として、「もし国が債務を全て返済すると、市場に流通するマネーは一円も残らない」ことをお伝えしました。 *1 多少補足すれば、「…

国の債務の何が問題か

誰かが「国の債務を、年収500万円の家庭に例えれば…」とやりだしたら、喩え話として前提が根本的に間違っていると教えてあげましょう。前回 国の債務を全て返済すれば何が起きるのか - シェイブテイル日記 を書いた時に、いくつか疑問の声をいただきました。…

国の債務を全て返済すれば何が起きるのか

現代日本では、政府債務が1000兆円近く積み上がっています。 野田政権の消費税増税もこの政府債務積み上がりと勿論無縁ではありません。政府としては、政府債務を国民が着実に返済していけば、将来不安が減少して、国民はお金をどんどん使うようになり、景気…

ググって分かる日銀の体質

日本では物価が下がり続けています。 物価指標をGDPデフレータで見た場合、前回消費税増税があった1997年以降15年連続のデフレです。*1 この持続的デフレの影響は日本経済全体を覆っています。 象徴的なのは、名目GDPへの影響です。下の図表1のように、実質…

民主党議員の消費税への態度の変遷

改めて言うまでもないことですが、消費税が増税されれば景気には大きな影響を与えます。その影響の出方は経済モデルを使ってシミュレーションすることが可能です。 宍戸俊太郎・筑波大学名誉教授のマクロモデルDEMIOS、日経NEED、電力経済研究所の…

一兆円金貨は荒唐無稽か

政府通貨については、デフレ対策としての有効性や副作用については誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。 元民主党の中村哲治議員*1も、有権者らから政府貨幣の有効性について指摘や質問を受けているようで、自身のブログ *2 にコメントを書か…

資金需要の低迷とリフレ政策の間

近年、企業の資金調達コストが下がり続けています。 企業の調達コスト最低、貸出金利1%割れ カネ余りでも投資に慎重 (日経 H24.07.10朝刊) 企業の資金調達コストの低下が止まらない。5月の国内銀行の貸出金利の平均は0.989%となり、1993年の統計開始以…

列島強靭化計画論と単純公共事業論の差

京都大学で公共政策が専門の藤井聡の列島強靱化計画論が現在注目を浴びています。今更また公共事業か、という批判的な捉えもあるようですが、藤井教授の列島強靭化計画論と単純な公共投資拡大論は随分ちがっています。 公式な主張・見解はこちらにありますが…

サルでも分かる、10億円で確実にデフレを脱却する法

今朝の日経新聞には、日銀による次の政策決定会合の見通しが載っています。 日銀、物価見通し維持へ 11日から決定会合 経済に回復傾向 日銀は11〜12日の金融政策決定会合で「遠からず1%に達する」という物価上昇率の判断を維持する見通しだ。堅調な内需に…

SSRIと日​銀はどちらが危ない?

1.SSRIとはなにか 皆さんはSSRIというものをご存知でしょうか? 最近の日本は高ストレス社会ですから改めて言うまでもないのかもしれませんが、SSRIとは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor) と呼ばれる抗うつ…

たたき台としての「リフレ政策とは何か」

このエントリーは、リフレ政策に詳しい矢野浩一氏がツイッターでリフレ政策について 基本的である「リフレ政策とは何か」については「昭和恐慌の研究」(2004)にはっきり『インフレ目標政策+無制限の長期国債買いオペ』と書かれており、その後大きな変更は…

リフレ派内の同床異夢

私シェイブテイルは、「日本経済活性化にはまずデフレ脱却が必要」といういわゆるリフレ派です。 ただ、ツイッターでのリフレ派同士の会話を見ていて思うことは、目的はデフレ脱却同士であっても、それを実現する手段として想定していることにはかなりの幅が…

2003年のバーナンキ理事から2012年の日本への示唆

ネットで資料を探していたところ、たまたま自民党・山本幸三議員の資料庫にあった資料を見つけました。*1 どうやらこれは2003年5月に来日する直前のバーナンキFRB理事(当時)を山本議員が表敬訪問した時の応接メモのようです。内容は、現在の日本での金融・財…