シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

2013-01-01から1年間の記事一覧

量的・質的緩和には大きな副産物がある

黒田日銀による量的・質的緩和は、10月のコアコアCPIをプラス転換させるなど、デフレ脱却に向けて一定の効果を発揮しているようです。ただ、量的・質的緩和にはもうひとつ、大きな副産物があるのに、黒田総裁は知ってか知らずか、それを否定しています。 日…

やはり現在の税収弾性値は1.1ではない

今年度の税収は財務省予測より大幅に上振れしています。 この上振れした税収額から推定される税収弾性値は約3です。 この税収弾性値は財政政策立案の重要なファクターですが、従来から財務省や関係研究者が主張する税収弾性値1.1を根拠に消費税増税を主張す…

消費税増税使途にみる財政危機とデフレ

来年4月、消費税が5%から8%に引き上げられます。 安倍首相はその使途を社会保障費に限定すると約束しました。 ただ、実際の使途をよくみると、財務省が財政危機を演出しているに過ぎないことや、日本の消費税はなぜ日本をデフレに導くかがみえてきます…

日銀が購入する資産は長期国債がベストか

黒田日銀はアベノミクス第一の矢として、2%のインフレ目標を掲げて、長期国債などの大量購入により、2年程度でのデフレ脱却を目指しています。ただ、この方法がデフレ脱却への最善の金融政策かと言えば、やや疑問が残ります。アベノミクスが実質スタートし…

不換紙幣の信用維持は政策として意味があるのか

貨幣とは何かと言うのは永遠の課題のようで、何世紀にもわたっていろいろな答えが出てきました。 ただ、通貨の本来の性質を考えると、不換紙幣日銀券の信用を発行体日銀や保有する国債の信用に結びつける議論はかなり的外れと思えます。◯ウィキペディアでの…

消費税とデフレの一見不思議な関係

日本では1997年の3%から5%への消費税増税後はっきりとデフレ化しました。 しかし、1989年の3%消費税創設時にはなぜデフレ化しなかったのでしょうか。 また消費税を創設したフランスは現在標準税率19.5%。でもデフレではありません。 これはどう捉えるべきな…

国債リスク指標からみた日本の特殊性

日本国債については、世界最悪といわれる粗債務残高/名目GDP比率の高さと、世界最低といわれる長期国債金利の低さという「矛盾」がしばしば指摘されています。 IMFでは国債投資家にとってより使いやすいリスク指標をつくり分析しています。その新しい国債投…

意味がなさすぎる「日本を元気にする国民運動」

日本では政府債務の大きさが問題となっています。 しかし実態は政府主導で財政健全化指標を悪化させています。 そうした中での「日本を元気にする国民運動」とはどんな意味があるのでしょうか。 自民党は、賃上げによるデフレ脱却を目指し、「日本を元気にす…

誰か説明してくれないですか

財務省・ロボット政治家・マスコミ・御用学者・御用エコノミストで、頭のなかどうなっているのかと思うこと。1.減税・増税 ・財政危機だと言いながら、法人税を恒久的に下げて更に税収を落ち込ませようとすること。 ・海外から企業を呼びたいと言いながら…

政府発表と民間予測の乖離を埋められないマスコミ

今話題となっている消費税増税とTPP。 いずれもGDPに与える影響を政府が試算しています。ただ、精査するとどちらもかなりの楽観評価をしているようですが、政府試算と民間での試算の間にある大きな乖離は放置されたままです。早速、その違いを見てみましょう…

安倍首相の増税決断とトコロテン理論

安倍首相は悩んだ結果、10月1日に消費税増税を表明しました。ただ、記者会見を見る限り、安倍首相は今回多少の誤解をしたまま増税を決断した可能性もあります。 安倍首相が消費税率8%への引上げを表明した時の記者会見を振り返ってみましょう。 安倍首相は…

ブレイクイーブンインフレ率はなぜVIX指数と連動するのか

インフレ目標を掲げた中央銀行が資産を買った場合、ブレイクイーブンインフレ率(BEI)が下がることで、インフレ期待が高まる、と言われます。この「期待」とは何なのでしょうか。その「期待」によって何が買われるのでしょうか。早速ですが図表1をご覧くだ…

黒田総裁とバーナンキ議長の資産購入目的の違い

日銀・黒田総裁とFRB・バーナンキ議長はいずれも大量の資産を購入しています。ただ、両者が資産を購入する目的はかなり異なっているようです。バーナンキ議長が資産の大量購入(Large-Scale Asset Purchases;LSAP) を行ってきた理由は、講演で議長自身が語っ…

「インナーサークルに入っていたい」という大人の判断が日本を潰す

著名なリフレ派経済学者の間でも消費税がデフレを促進するということをご存知ない方が多いように見受けられます。今日は消費税とはデフレ促進税である証拠をお見せしましょう。またそれを知った上で消費税に賛成した人たちの心理も考察してみたいと思います…

西田昌司議員の動きは理解を得られない

自民党の西田昌司議員は財政拡大派と考えられていましたが、昨日のTVタックルなど、最近では消費税増税に前のめりな姿が目立つようになっています。 氏の過去の発言との整合性はあるのでしょうか。昨日のTVタックルでは西田昌司議員は向かって右側の増税派の…

消費税増税の攻防経緯と今後の対策

10月1日に安倍首相は消費税増税の決断をしました。 その舞台裏をみると、安倍首相は相当苦しんで判断を下したようですが、 この経緯から考えると、安倍首相には10%増税も止められない可能性が高そうです。 だが、多少の希望もあります。10月2日付の読売新聞…

おカネがなければ裏だけ捨てろ?

シリーズ化できるほどはネタがない、考え落ち系経済コントの第二弾。 登場人物は、分厚い牛乳底メガネの某大学経済学部8年生、西武輝夫くんとその母親です。 (輝夫、背中をまるめてカッターナイフで一生懸命なにか工作中)母親: 輝夫、さっきからゴソゴソ…

消費税8%増税は合憲か

10月1日に安倍首相が消費税8%への増税を発表しました。 ただ、今回の消費税増税に至る政治家たちの動きを回想してみると、憲法に合っているのか疑問が生じます。 【麻生内閣時代】 ◯所得税法附則104条(2009.3.27) 麻生内閣が09年の通常国会に提出し、成立。…

日本語にならない英語、英語にならない日本語

英語圏では日常使われる言葉が日本語では適当な訳がなく、また日本語圏では良く使われる言葉に適当な英訳がないことがあります。 これらはそれぞれの社会の特性を表しているのかもしれません。昨日finalvent氏が自身のブログで単純に情報操作にひっかかる人…

日米の財政問題を通貨発行益が救う

アメリカではデフォルトリスクが再浮上し、巨額政府貨幣の発行も考えざるを得ない状況に近づいているようです。 この機会に政府貨幣について再考してみましょう。現在アメリカでは基軸通貨のデフォルトという通常あり得ないリスクが顕在化し始めています。 …

いっそシャドウ財務省をつくったら?

昨日は、安倍首相が自ら消費税増税を国民に表明しました。日本は選挙で選ばれた首相が、国民が望む消費税増税延期を実行したくとも実行できない、官主主義の国に成り果ててしまいました。 国会議員の大半は立法なんてできないでくのぼうか財務省ロボットに過…

’98年の自殺者数異変は消費増税以外には考えられない

昨日、賽は、振られた - シェイブテイル日記 という記事で、先の消費税増税(橋本増税)で10万人を超える自殺者が増加した、という記事を書いたところ、疑問の声をいただきました。 今日はその検証をしてみましょう。1998年に消費税増税での自殺者数が増加し…

賽は、振られた

今晩の報道によれば、安倍首相は明日夕方、消費税の8%への増税を発表するとのことです。 消費税増税に関する政府の閣議決定案が30日、分かった。「消費税率を2014年4月1日に5%から8%へ引き上げることを確認する」と明記した。安倍晋三首相は1…

欠陥消費税は大量殺人税制

消費税を上げてはならないのはデフレだからだけではありません。 日本の消費税は欠陥税制だからです。欠陥を直さない限り増税は不幸の原因となります。 昨夜21時からは、リフレ派の田中秀臣氏・上念司氏らとともにTwitterで#消費税増税反対をアピールしまし…

日本国債は暴落するか、させられるのか

日本国債が破綻(返済不能)になることはないと書いてきました。 では破綻まではせずとも、日本国債が暴落することはあるのでしょうか。日本国債の破綻があり得ないことはこれまで何回か書いてきました。 消費税増税肯定論の6つのウソ - シェイブテイル日記…

新井白石の失敗もリフレ政策の失敗?

昨日の日経に続き、リフレ政策を実行した荻原重秀をdisっている久保田さん。 歴史の改ざんはいけませんぜ。昨日、日経新聞が荻原重秀をdisる内容の記事を載せていたので、日経新聞の近世史には「元禄景気」はない? - シェイブテイル日記 で、日本経済史に残…

日経新聞の近世史には「元禄景気」はない?

今朝の日経新聞で、江戸時代でのリフレ政策にあたる、元禄の改鋳について記事が載っています。 ただ、その内容・結論がかなり怪しいようです。今朝(9月25日)の日経新聞に、江戸時代のリフレ政策と呼べる元禄の改鋳について載っています。 東京・日本橋の日…

経済コント:千円札と500円玉の両替

今日はいつもと違い、ぐっとくだけて、新ジャンル、考え落ち系経済コントをひとつ。 登場人物は、分厚い牛乳底メガネの某大学経済学部8年生、西武輝夫くんとその母親です。 西武輝夫(以下輝) :ただいま〜。 母親: お帰り。大学の勉強、大変だねぇ。 輝:…

デフレ脱却の果実は大きいが問題は単純ではない

1997年にもしデフレに突入しなければ、10数年後の今、国民の所得は5割ほど伸びていたでしょう。 デフレ脱却もしていない今、更に消費税を上げるのは正気の沙汰ではありません。 ただ、消費増税を巡る現状を考えるとデフレ脱却も公務員制度改革なしには達成で…

自ら名目GDPを減らす不思議の国・日本

デフレ日本が景気回復すると国債が金利急騰(価格暴落)して大変なことに、という説があります。 でも決してそうはなりません。 こうした不毛な議論を続けて、デフレを目標としたり、インフレになりすぎるのを恐れたりしているうちに、いつの間にか日本経済…