シェイブテイル日記2

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免税すれば外国人でなくとも消費は増える

安倍首相は6月5日、マスコミの扱いはベタ記事に近かったですが、日本経済再浮上の鍵となる重要な発表をしました。

安倍晋三首相は5日の観光立国推進閣僚会議で、訪日外国人客による旅行消費額を年間4兆円に倍増させる新たな目標を表明した。訪日客の増加を地域活性化につなげるため、地方部にある免税店も2020年に2万店規模に増やすとした。会議ではこれらの新目標を盛り込んだ改定行動計画を決定。「日本経済をけん引する基幹産業に観光を飛躍させる」と強調、旺盛な購買意欲に注目した「稼ぐ力」の底上げを掲げた。

 政府は20年までに訪日客を年間2千万人に引き上げる目標を既に打ち出している。旅行消費4兆円の目標時期を「2千万人が訪れる年」とした。

外国人の旅行消費を4兆円に 地方の免税店20年に2万店 2015/06/05 09:44 【共同通信


この記事のポイントは、消費税を免除する免税店を拡大すれば、訪日外国人による旅行消費は大幅に拡大する、という認識を政府が持っているという点です。

2014年の旅行消費は初めて2兆に乗せました。 それが6年後の2020年には4兆円を目指すというのです。 

勿論そのうちのかなりの部分は旅行客数の増加です。 2014年時点で1340万人の訪日客が2020年には2000万人となる目標設定となっていますから、訪日客増加は49%に相当します。

それでも、旅行消費倍増(100%増)の残りは34%にもなります。 
一人あたり旅行消費34%増の原動力の一部は円安政策、残りは上記記事で報道された免税政策なのでしょうが、まだ6月5日開催の観光立国推進閣僚会議資料はWeb上で公開されていません。

ただ、アベノミクスに理解を示していた米国でさえ、円安誘導を事実上の柱とする金融政策頼みのアベノミクス推進から、財政政策その他の政策も活用するよう要望を出すようになっています。
従って円安主導の旅行消費増には限界があります。 その点は熟知している筈の政府が、2020年に旅行消費倍増を唱えるのですから、一人あたりの伸び34%の大きな部分は免税によるものという前提があるのは確かでしょう。

もし、免税により仮に6年で34%伸びるとすれば、これは年率5%成長に相当します。
外国人への免税が年5%の名目成長をもたらすのならば、国民への免税も同様の効果があるでしょう。

仮に、消費税を8%から0%にすると名目GDP成長が5%になると見込めるのなら、今の名目GDP500兆円が東京オリンピックの年、2020年には670兆円になっていることになります。 

これまで、日本の名目GDPのピークは18年前、1997年の523兆円です。

その後消費税増税などの緊縮財政で500兆円前後で足踏みしていました。 
日本のような緊縮財政を継続しなかった、実質GDP2%+物価(GDPデフレーター)2%の年率4%成長する普通の国はその間名目GDPが2倍になっています。

観光立国推進閣僚会議のワーキングチームには財務省内閣府などプライマリーバランス均衡論、緊縮財政論に傾きがちな省庁も含まれています。 *1

これらの省庁を含めた政府が消費税ゼロにより5%成長に肯定的なら、今後の日本経済の進む道は簡単に決まりですね。
消費税の廃止で5%成長、2020年には名目GDP670兆円。 

また、名目GDP成長が5%なら、少なくともデフレの間は税収弾性値は4ほどありますから、毎年税収の20%増が期待できます。
消費税を止めることでの歳入減が15兆円としても、毎年税収が20%伸びるなら、6年後には歳入50兆円が3倍の150兆円。 15兆円の消費税減収なんて、誤差のようなものです。

もっとも、6年も名目成長が続くなら、その間にデフレを脱却してしまい、名目GDP伸びに対する歳入の伸び率、税収弾性値は4から1程度に下がるかもしれません。 黒田日銀がシャカリキになってマネタリーベースを倍増させる金融政策を動員しても、その2年で到達したCPIは0.5%程度なのに。
いずれにしても、デフレ脱却後に5%の名目GDP成長が続くなら、税収も、税収弾性値1で毎年5%増収です。 

財務省内閣府もこうした認識を共有しているなら、我々国民は心強い限り。
 
後は消費税を10%に上げるという自爆法案が炸裂する2017年4月より前に、消費税を廃止する法案を提出するだけですよ、安倍首相。

*1:ワーキングチームメンバーには大家財務省政務官や西村内閣府副大臣らが名を連ねています。