シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

2012-01-01から1年間の記事一覧

15党の経済政策をまとめてみた

今回の衆議院選挙は、唐突な野田首相の解散表明のせいか、準備不足の小党乱立気味で、何が何だかよくわかりません。 特に、減税日本と太陽の党とが連携を発表したかと思えば、その後すぐに太陽の党が解党し、消費税増税を主張する日本維新の会に合流するなど…

日銀国債直接引き受けの結果はハイパーインフレか好景気か

今朝の日経新聞では安倍晋三総裁のデフレ脱却策として、日銀による国債引き受けなどが報道されています。 安倍氏「日銀は国債引き受けを」に賛否 脱デフレに期待 安易な借金に道 自民党の安倍晋三総裁は17日、日銀による国債の引き受けに言及するなど、金融…

年金過払い10兆円は大問題か

16日の日経新聞「年金減額遅れ13年10月から もらいすぎ9.6兆円に 政治の高齢者優遇で現役世代にツケ」という記事で、年金受給者のもらいすぎ解消が報道されています。 過去の特例措置で、高齢者が本来よりも高い公的年金を受け取っている「もらいすぎ年金」…

衆議院選挙を戦う3政治勢力の経済政策を比較してみました。

いよいよ衆議院が解散し、12月16日の衆議院選に向けて走り出しました。 元々二大政党制を目指す、という謳い文句で始まった小選挙区制でしたが、現在は15政党近くが議席を争う、という誰もあまり想定していなかったとおもわれる状況です。 ただ、自公・民主…

デフレ脱却に安倍総裁の政策と純リフレ政策のどちらがより有効か

自民党の安倍晋三総裁は15日、衆院選後に政権を奪還すれば、政府・日銀で2−3%のインフレ目標を設定し、デフレ脱却のためにあらゆる政策を総動員して取り組む考えを示しました。 *1 現在の日銀による「中長期的な物価安定のめど当面1%」に比べれば、2−3…

デフレ状態で紙幣を刷るとその分紙幣価値は下がるのか

「紙幣を刷ると、その分紙幣の価値が下がる。」 一見当たり前の話のようですが、これは前提によらずいつでも正しいのでしょうか。インフレ状態で更に紙幣を刷った場合には、額面価値に相当する商品の量は当然減ってしまいます。 この前提では「紙幣を刷ると…

岡田靖氏らのパネルディスカッションから考えるデフレ脱却策

10月9日に片岡剛士氏が、[http://www.esri.go.jp/jp/forum1/030220/gijiroku12.pdf:title=第12回 ESRI-経済政策フォーラム「インフレ目標政策を巡って」議事録が「色々と興味深い。」とツイートされていました。この会合(平成15年2月)では、パネリスト、伊藤 …

1995年以来の「財政危機」の正体

前回のエントリー内債が破綻する時とは で、内債の破綻はあり得るが、日本の現状は、内債破綻3パターンとは大きく異ることをお伝えしました。 図1 内債破綻事例(1970年〜)の分析 1970年以降の42例の内債破綻事例は、1)政情不安(内戦など)25件、 2)実質外貨…

内債が破綻する時とは

日本の国債が積み上がり、GDP比では世界最高水準となっていますが、日本の場合、円建て債券で、国内保有者が95%を占めています。 内債の場合、必要に応じてマネーを刷って返せばよいので、破綻の恐れはないと論じられることが少なくないのですが、ロゴフ教…

山中伸弥先生の5年前のお話

山中伸弥先生がノーベル賞を受賞されました。おめでとうございます。 平成19年に山中先生が講演をされたのをたまたま聴く機会がありました。 以下はその時書いたメモです(ただ、自分用メモですので、一般向けとは言えません。いつも来られる方は基本的にスル…

安倍晋三氏、そこまで言って委員会で持論を展開

次の総理となる可能性が少なくない安倍晋三氏の発言は注目されるところです。今日のそこまで言って委員会には、自民党安倍新総裁が登場し、パネリストらの質問に安倍氏本人が答えていました。 Q.いつから総裁選への出馬を考えたか。 A.はっきり決めたのは9月…

「改革」はデフレ日本を救うのか

平成に入って、日本はバブル崩壊とデフレによる不況が続いています。 その間、小泉内閣時代には「いざなみ景気」と呼ばれる、戦後最長の好景気、とされる時期もありましたが、その間を含めてサラリーマン給与は下げ続け、好景気が実感できたのは、大手輸出企…

維新の会の道州制と欧州危機の関係

今朝の日経新聞では、新党「日本維新の会」を目指す大阪維新の会の政策検証記事が載っています。 また去る9月1日の同紙では維新八策最終版の全文が掲載され、その中で統治機構の最終型は道州制と明示されています。 *1維新八策の前段ではこの道州制の狙いを…

経済政策としての維新八策の位置づけ

野田民主党と谷垣自民党の政策が増税に集中されていく中、第三極として大阪維新の会が注目を浴びています。 今日は、大阪維新の会が掲げる維新八策を経済政策という観点からみて、他の政党の政策との異同を考えてみましょう。 まず大阪維新の会の維新八策(…

高橋是清が財政再建派?

今日のロイターに、高橋是清が実は財政規模圧縮を狙っていた、という主旨のコラムが載っています。 高橋是清が財政再建派だったなんてことは聞いたこともなかったので早速読んでみました。 コラム: 高橋是清なき2012年の日本、だれが債務膨張を止めるのか …

日銀は今こそ日銀券ルールについて自己評価すべき

8月14日の日経新聞では、日銀の長期国債保有残高が発行日銀券量を上回ったと報じられています。 日銀の長期国債保有残高80兆円 初めて発行銀行券を上回る 日経新聞2012/8/14 20:30 日銀が保有する長期国債の残高が初めて銀行券(紙幣)の発行残高を上回った…

消費税増税を主導したのは誰が何のためだったか

今朝の日経新聞は小さな記事で財務省の勝栄二郎次官の退任を伝えています。*1 財務省の勝栄二郎次官(62、写真)が月内にも退任する見通しとなった。10日の消費増税法の成立を受け安住淳財務相が近く交代を認める方向だ。… 勝氏は退任の意向を財務相らに伝え…

三橋氏、そこまで言って委員会で新所得倍増計画を語る 

本日(8月5日)のそこまで言って委員会に、三橋貴明氏が登場し、新・所得倍増計画を提唱しました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− (以下番組より) ナレーター:三橋氏が今回提唱するのは「新・所得倍増計画」。 「世界でいちばん日本経済の実力」、「日本国債は破綻…

日経の消費税価格転嫁促進案は有効か

今朝の日経社説では消費税の価格転嫁について書かれています。 消費増税の価格転嫁を妨げてはならない 2012/7/29付 消費増税関連法案は今国会で成立する公算が大きい。税率を引き上げる2014年4月と15年10月には、企業が商品やサービスの価格に税負担を転嫁…

ベクトルが揃ってきた流動性の罠脱出法

三橋貴明氏がブログ*1に次のように書いています。 ポール・クルーグマンの新著「さっさと不況を終わらせろ 」、すごくいいです。 わたくしは自分が読んで感激した本以外は、当ブログでご紹介しないことにしておりますが、これは文句なしでおすすめできます。…

「緩やかな演繹法」でわかる、国の債務とは何か

池上彰氏といえば、テレビでは軽妙かつわかりやすい語り口でかなり難しい事柄を解説することで知られています。 その池上彰氏の著書のひとつに”伝える力 (副題)「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!”というものがあります。 この中で氏は正しい結論…

NIFでは何年後にレーザー核融合発電が実現するか

去る7月20日、核融合研究の進展について次のようなニュースが流れました。 レーザー核融合反応の実験に成功、クリーンエネルギー実現か=米国 Y!2012/07/20(金) 09:49 世界最大のレーザー核融合施設である米国国立点火施設(NIF)はこのほど、米カリフ…

破綻論者達全員が予測する日本破綻は61年先?

日本がデフレ不況から抜けだせず、国債が積み上がっていきます。 これはこれまでの数回のエントリーで書きましたように*1 日本のマネーが増えていることと裏腹ですから、国債については金利以外に心配はないことになります。ただ、世の中にはたくさんの日本…

見飽きない地図

先日、欧州の歴史をコミカルな絵で示した地図が話題になっていました。*1 こういった地図は見飽きないですね。シェイブテイルが面白いとおもった見飽きない地図をいくつかご紹介しますと。1.都市変遷パラパラ地図(タイトルをクリック)この地図では、明治…

クルーグマン「誰も債務がわかっちゃいない」は伝わっているのか

国の債務を全て返済すれば何が起きるのか - シェイブテイル日記 と 国の債務の何が問題か - シェイブテイル日記 で、思考実験として、「もし国が債務を全て返済すると、市場に流通するマネーは一円も残らない」ことをお伝えしました。 *1 多少補足すれば、「…

国の債務の何が問題か

誰かが「国の債務を、年収500万円の家庭に例えれば…」とやりだしたら、喩え話として前提が根本的に間違っていると教えてあげましょう。前回 国の債務を全て返済すれば何が起きるのか - シェイブテイル日記 を書いた時に、いくつか疑問の声をいただきました。…

国の債務を全て返済すれば何が起きるのか

現代日本では、政府債務が1000兆円近く積み上がっています。 野田政権の消費税増税もこの政府債務積み上がりと勿論無縁ではありません。政府としては、政府債務を国民が着実に返済していけば、将来不安が減少して、国民はお金をどんどん使うようになり、景気…

ググって分かる日銀の体質

日本では物価が下がり続けています。 物価指標をGDPデフレータで見た場合、前回消費税増税があった1997年以降15年連続のデフレです。*1 この持続的デフレの影響は日本経済全体を覆っています。 象徴的なのは、名目GDPへの影響です。下の図表1のように、実質…

民主党議員の消費税への態度の変遷

改めて言うまでもないことですが、消費税が増税されれば景気には大きな影響を与えます。その影響の出方は経済モデルを使ってシミュレーションすることが可能です。 宍戸俊太郎・筑波大学名誉教授のマクロモデルDEMIOS、日経NEED、電力経済研究所の…

一兆円金貨は荒唐無稽か

政府通貨については、デフレ対策としての有効性や副作用については誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。 元民主党の中村哲治議員*1も、有権者らから政府貨幣の有効性について指摘や質問を受けているようで、自身のブログ *2 にコメントを書か…