シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

安倍総理の「MMTの論理、実行しているわけではない」は本当か

去る4月4日の参議院決算委員会で、西田昌司委員からMMT(現代金融理論)について問われた安倍首相らは次のように答弁しました。 jp.reuters.com このロイターの記事では、委員会の席上西田昌司氏がMMTの根幹について平易に解説した部分はカットされていま…

3つの信用創造の仕訳(しわけ)

先日、信用創造には3つあるという記事を書きました(ここ)。 今回はそれらの信用創造の仕訳(しわけ)について詳しくみていきたいと思います。 1.市中銀行の信用創造(マネーストック) 図表1 民間銀行の信用創造 まず市中銀行での信用創造です(図表1…

MMT(現代貨幣理論)を知るために必要なたったふたつのこと

最近、急速にMMT(現代貨幣理論、あるいは現代金融理論)に注目が集まっています。 ただ内容をみると、肯定論がひとつに対して否定論がいつつ、といった具合でMMTの有用な主張が十分伝わっていないように思います。 そこで今回はMMTを知るために必要なことを…

信用創造(貨幣創造)には3種ある

最近、ツイッターランドでは、日本の政界に財政出動を唱える政治家を出していこうという薔薇マーク運動が注目されてきています。 私も薔薇マーク運動には注目しているのですが、その運動の中核的存在になりうる民主党の金子洋一前参議院から次のようなツイー…

リフレ派スペクトルと薔薇マーク運動、ポストケインジアン

最近リフレ派内の分裂が目立ってきました。 これについて偽トノイケ☆ダイスケ(久弥中)‏ @gannbattemasenn さんがうまく分類を考えてくれました。 #リフレ派の分裂を正確にカテゴライズしよう(1)他力本願リフレ派・重要知識人ー上念司、田中秀臣、高橋洋…

「政府支出による景気対策に効果はない」は本当か

最近、立命館大学・松尾匡先生をはじめとする拡張財政を求める経済左派的立場の方たちが「薔薇マーク」運動というものをはじめています。 rosemark.jp シェイブテイルも拡張財政を強く求めていますので今後とも応援していきたいと思っています。 ただ、松尾…

石弘光氏死去という機会に思う

石弘光氏が亡くなりました。 財政再建に命を捧げた人生だったでしょう。政府税制調査会長時代、増税を主張した時には「庶民の敵」と罵られ、ワイドショーに取り上げられ、自宅にはイヌの糞をばら撒かれたとか。 まったく頭が下がります。石弘光氏を批判した…

日銀決定が告げた「出口なき撤退戦」の始まり

前回の記事同様、私が自分で思いついたことからなる、発信情報としてはもう余り書くべきことがありませんので、いろいろな側面では同様の思いを持っている方(プロなど)の記事を全文のせて記事に代えたいと思います。 本日は日銀政策の迷走ぶりに関する田渕…

政治と貨幣理論の融合

私はしばらく前にある方に教えてもらったのですが、2016年の前回米国大統領選挙で民主党の予備選挙を戦ったバーニー・サンダース議員の政策スタッフ(ブレイン)はMMTerだったそうです。 その米国MMTerが書いた記事を日本語に訳された方がいまして、その方の…

ビットコインは本源的価値を持つか

ビットコインと1780年銘マリアテレジア銀貨近年、ビットコインの流通をアシストするといったビジネスが脚光を浴びています。 それをみるまでもなく、ビットコインは大変な高額で取引されているのですから、ビットコインに「本源的価値」があってもおかし…

日本は世界一GDPシェアが減少しているがそれは人口減少とは無関係

蓮舫氏が辞めた後の民進党代表選挙に枝野氏と前原氏が立候補していますが、その枝野氏の打ち出す経済政策の背景には「人口減少など社会成熟化による需要そのものの減少」があるそうです。 *1確かに日本は2008年をピークに人口減少に転じました。 ただ、世界…

アベノミクスの本質とは何か

無茶苦茶ご無沙汰しています。 個人的に色々と忙しいことと、アベノミクスへの期待が失望に変わっていったことからブログの更新を怠っておりました。さて、久々にブログを更新しようと思ったのは、アベノミクスの現状を端的に示す2枚のグラフをお見せしたか…

すべては銀行の信用創造行動から始まる

皆さんは、おカネはどこで生まれるかを考えたことはおありでしょうか? 通貨の供給ルートとして、しばしば「信用創造」として、銀行に預けられたおカネが引き出しに備えた準備預金を除き、再び別の銀行に貸し出されるモデルが紹介されることがありますね。 …

書評 「富国と強兵」

「現代の経済学者の大半は貨幣が何なのかを知りません。」 そう断言されたら、誰しも「そんな馬鹿な」と思うことでしょう。ところが中野剛志氏の近著、「富国と強兵」の冒頭の数章を読めば、現代の経済学者の大半が貨幣を間違って理解していること、更にはそ…

予想外の大統領

ま。これはともかく。まさかトランプが大統領になるとは思いませんでした。 事前の予想でも、クリントン優勢が伝えられていました。 これによれば、クリントンが堅い地盤を前提にすれば、フロリダ、ノースカロライナ、ネバダ、ニューハンプシャーの全てでト…

日銀首脳と巷間リフレ派はドングリの(以下自粛)

一月ほど前ですが、週刊文春で日銀・岩田規久男副総裁の本音(?)を日銀関係者が語ったという記事が載っていました。 THIS WEEK週刊文春 量から金利へ回帰 リフレ派終焉で岩田副総裁の変節 2016.10.01 07:02辞任も覚悟と公言していた岩田氏だが… 日本銀行は…

今更ですが、消費税増税は何のため?

今更ながらの話にはなるのですが、消費税が増税されたのは一体何のためだったでしょう。政府や財務省、マスコミ、そして国民の大多数も「消費税増税分の使途は社会保障財源に決まってます。」というのでしょうね。 確かに自民・公明・民主の三党合意、正しく…

「国民1人当たり830万円詐欺」には気をつけよう

報道によれば、財務省から6月末時点での「国の借金」について昨日新たな発表があったようです。 財務省は10日、国債と借入金などの残高を合計した「国の借金」が6月末時点で1053兆4676億円になったと発表した。 3月末時点から4兆1015億円の増加で、不足する…

英国の経済格差は日本よりどれだけ酷いか調べてみた

先週末のイギリスのEU離脱決定は今も世界経済に影を落としたままです。イギリスでは、エリート社会と低所得者社会がもともと分断されているところに、この投票結果はさらに分断を強める結果になるだろうと報じられています。そうすると、近年移民流入が続く…

途上国に始まり、EUに終わる?

今日も英国EU離脱報道がまだ続いています。 英国はもちろんですが、英国での離脱派勝利から、ドイツ以外のEU主要国内でもEU離脱派が勢いづいているようです。 各国内でも、ドイツに牛耳られて一挙手一投足に規制を入れてくるEUに対する不満が大きくなってい…

やはり、大昔物々交換などなかった

経済学の教科書のはじめの方に登場する物々交換ですが、フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」には物々交換が人類学などから疑問を呈されているという話を以前書きました。大昔、物々交換などなかった - シェイブテイル日記 今年4月に出版された…

貨幣と財政からみた経済学派分類

安倍首相は昨晩(5月28日)、現在はリーマン・ショック級の経済危機という認識から、10%への消費税増税を2019年10月まで2年半先送りする方針を麻生副総理らに伝えたとのことです。 会合後の報道ではその方針に異論も出たとのことで最終的な落とし所はまだわか…

G7で安倍首相がピエロにならないためには

今日から明日までの日程でG7 伊勢志摩サミットが開催されています。安倍首相はその地ならしとして、G7諸国が一致して財政出動するように求め、各国を回りましたが、調整としては不調に終わったようです。それも当然で、カナダのようにすでに積極財政に転じて…

少子化対策は国債で

昨日厚生労働省から発表された2015年の人口動態統計によれば、昨年の出生率は1.46と、1994年の1.50並のレベルになっています。(図1) 図1 日本の出生率推移 出所: 厚生労働省 特殊出生率(H27)とはいうものの、若い女性の絶対数が減り続けていることもあっ…

実業界はなぜマイナス金利政策に否定的なのか

4月のロイター企業調査によると、日銀が導入したマイナス金利の拡大に8割近い企業が反対しており、導入自体が失敗との見方も目立つとのことです。 前月調査では、導入後間もないことからまだ影響が見通せず、反対の声は6割程度だったが、今月調査では厳し…

世界で2番目に財政健全性指標が改善した国とは?

現在の日本は財政健全性指標(政府債務÷名目GDP✕100)が約250と、世界一悪い国として知られています。 もし財政健全性指標が改善されるならどれだけ経済運営が楽になるかわかりません。次の図1は、2011−2015年の4年間で比較可能な36カ国で財政健全性指標がどれ…

安倍政権の理想を達成したギリシャの現在

日本についで財政健全性指標が悪いギリシャでは、2011年から15年の政府債務伸び率が世界一になりました。 ただし、世界一は世界一でも、世界で最も伸びが小さかったのです。 また2013年には日本が目指すプライマリーバランス均衡も達成しました。 そのギリシ…

家計最終消費支出には消費税の影響は出ないのか

先日このブログで、「消費税を上げるたびに、家計の実質的な生活水準を示す消費水準指数が下方に屈曲してきた」という主旨のことを書きました。 これに対する反論のブログがありましたので、これについて書いてみたいと思います。まず、シェイブテイルの意見…

増税派黒田総裁にみていただきたい一枚の図

日銀の黒田総裁は3月23日の参院の財政金融委員会で、消費増税による経済への悪影響について「成長率への影響は減衰し、何年もは出ない」と述べました。 これは正しい認識といえるのでしょうか? ここに黒田総裁にみていただきたい一枚の図があります。 それ…

リーマン・ショックとは何だったのか

先週、ドイツ最大のドイツ銀行のCoCo債とよばれる銀行債の急落(利回り上昇)が報じられ、昨年後半からの米国利上げ、中国資源国経済減速とともに新たなリスクオフの流れにつながっています。ただドイツ銀行以前にも、20世紀終盤あたりから現在にかけては、200…