橋下市長の「豹変」
大阪維新の会を率いる橋下徹大阪市長の言動は次第に中央政界でも台風の目になりつつあります。
その橋下市長の消費税に対する考え方が次第に変化して来ていることに皆さんお気づきでしょうか。
橋下市長が精力的に情報発信しているツイッターから、消費税と、それを含む経済に対する橋下氏の考え方を辿ってみましょう。
2012.01.08
医療・介護・保育という内需型の分野を成長させるにも規制緩和が必要。小売・飲食など大都市の強みであるサービス産業、消費産業を活性化させるためには消費を促す税制が必要。貯蓄や資産に課税、消費すれば所得税の対象外、消費税は高率に。もちろん老後の安心のために積み立て型の社会保障。
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2012.04.06
整理する。消費税は地域間の偏在性は少ない。そして景気の動向に左右されない。カネのあるなしにかかわらず収める税。とういことは、地域の行政サービスを受ける対価と位置付けるのが一番本質論に沿う。だから地方税にすべきなのである。所得の再分配は、稼ぎに左右される所得税・法人税を充てるべき
橋本氏はこれまで消費税増税に積極的でした。 橋下氏は元来弁護士・タレント出身であり、また地方政治を舞台に活躍してこられたので、マクロ経済にはあまり詳しくなくとも致し方ないところでしょうけれど、消費税を財源という片面からしか見ておらず、景気抑制要因といった観点からの消費税への考察はこの頃の橋下発言にはみられません。
2012.04.08
消費税20%と言うのは簡単だが、じゃあどうやって実現するか。今の5%で足りないのは皆分かっている。まず社会保障、特に年金の仕組みをこう変えるという方向性を示さなければならない。詳細は良い。方向性だ。これがないから国民が納得しない。
消費税に対する発言が単純な増税肯定から、何か微妙に変わってきていますね。
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2012.04.13
大手新聞社も、渡辺恒雄さんも、その他したり顔の有識者も、そこまで言い切れるのか。消費税増税の是非については色々な意見があるであろう。しかし、選挙を踏まない民主党の増税路線を認めると言うことは、政治家に完全白紙委任を与えると言うことになる。蟻の一穴になる。
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間違った判断をした場合に、誰がどのように責任を負うのか。そして専門家の判断を是正する仕組みはどうあるべきか。これを考えるのが統治だ。日銀の独立性は重要だが、それはレベルの問題だ。今の日銀は独立性が強すぎる。独立性が強くなりすぎると政治責任が弱くなり過ぎる。
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2012.04.14
日本にはこのような頭でっかちの非実践の評論者しかいないのが弱点だ。 RT @YoshitoHori: 維新の会は、完全にズレている。今一番重要なのは、経済を活性化させ、雇用を生み出し、財政を立て直すことだ。大阪市長として、先ずは生活保護者数を減らせ。国政はその後だ。”@nikk
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2012.04.15
知識面では池田氏が勝っていたのかも知れない。しかし池田氏が経験した実務はNHKでの仕事の仕方だ。そこではモノ知り知識が全てではない。こういう社員がNHKに多いのだろうか。僕は知事に当選した直後、NHKの常識知らずを経験した。東京での挨拶回りの後にNHKに駆け付けた。
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お前の意見はバカだ的な放言をする自称インテリに限って政策実現プロセスを踏まえない実現不可能な提言だったり、そんなことは当然やっているという陳腐なものが多い。池田氏の意見は面白いものが多い。しかし表現の仕方が稚拙なことが多い。
4月8日の週に、橋本氏はツイッター上で日銀ベッタリの炎上ビジネスを生業とする池田信夫氏とのバトルを展開しました。
ノビーはこの論戦で論破されてしまっていますが、それ以上に注目すべきは橋下氏のスタンスが変化し、ついに日本経済の問題の根源がどうやら日銀にあることに気がつかれたようだ、ということです。
そして昨日(21日)には。
公選職のレベルでは、専門家に(1)日本の量的緩和は量が足りない、そして特に(2)バーナンキのQE2は時間をおいて効いてきた、QE2は成功、日銀がカネを供給しても直ちに市中に出回るわけではなく、様々な政策と連動しながら一定の時間をおいてカネは浸透していくと言われるとそういうものかとなります
君子豹変す。 それは決して悪いことではありません。 政治家が専門家になる必要はなく、政治に必要な専門的なことは専門家から聴けばいいのです。 政治家にとって、常に自分が間違っているかもしれない、という考え方こそが大事ではないでしょうか。
筆者はこれまでただ一度橋下氏についてこのブログで取り上げ、橋下氏は(マクロ経済について不勉強で、財務官僚に鼻面を引き回されるだけの)第二の民主党と化すだろう、という予測を書きました*1。
しかし橋下氏は、走りながら民主党の過去3代の首相や財務大臣たちよりずっと勉強されているようです。
今後の橋下氏の政治活動に期待を持って注目していきたいと思います。
【追記2012.04.22】
橋下大阪市長に期待をしてこのエントリーを見ていただいている方へ。
筆者も橋下市長の国政参加に期待するものです。
ただ、今日のエントリーとは関係がないものの、橋下氏の主張する「原発全廃」論について、次のような見方もあることは知っておいていただければと思います。
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原発は止めれば安全か(市民の目!沼田)