シェイブテイル日記2

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年末ジャンボくじの内訳

早いもので今年もあと1ヶ月あまり。 街にはクリスマスの飾り付けが輝き、年賀はがきの販売も始まるとなんだかソワソワしますね。 こうした中、先日から年末ジャンボ宝くじの発売が始まっています。
この宝くじ、1等2億円が74本、2等1億円が370本と、年末には億万長者が延444人も同時に生まれるということで、かなり前評判がいいようです。 そこで、この年末ジャンボ宝くじの内訳を調べてみました。
情報源はまず、発売を受託しているみずほ銀行の宝くじHP。74ユニットの情報がでていますが、見やすいように、1ユニットあたりに換算したのが下の表です。

年末ジャンボ 1ユニットあたりの当せん金

 宝くじの場合、当せん金以外に、発売元(年末ジャンボでは都道府県と政令指定都市)の収益金と、販売経費がかかっています。これらの情報は、新聞記事(朝日新聞10.5.21)に載っています。
 ここまででは、経費の内訳の情報がありませんので、事業仕分の資料情報も加えますと次のグラフができました。
このグラフは、年末ジャンボ1枚300円の使い道の詳細を示しています。

年末ジャンボくじ300円の内訳

どうです?このグラフは皆さんの直感とは合っていますか?
1等2億円74本という宣伝ですが、自分の払った300円に対しては20円分しか期待できません。
2等1億円は、1枚あたり期待値50円。 
6等の1枚あたり期待値30円は、当選番号が下一桁ということから、ちょっと考えれば分かりますよね。
上の計算結果は、要するに1等があたる期待値は6等の2/3、2等は6等の5/3ってことですね。
えっ? そんなの知ったことじゃない、1等、2等があたる夢を買ってるんだよ、ですって。
まぁ、実際そうですよね。 宝くじの払い戻しは投資額の半分以下(48%)というのは有名ですからね。

で、次に気になるのは収益金と経費です。
先の事業仕分けでは経費に焦点があたり、「日本宝くじ協会」が実施する普及宣伝事業267億円が無駄が多い、として来年度は半額以下にするように求めています。
しかし、普及宣伝費に半分もの無駄(民間から役人への所得移転)があるとすれば、その他の広告宣伝費、売り捌き手数料、さらには発売する都道府県等に入る収益金にも無駄(民間から役人への所得移転)が行われているという疑いが湧きます。 実際、「宝くじ収益金」「使途」で検索しても、まともに内訳が書いてある情報源には行き当たりません。 普及宣伝費だけで半分が無駄だったとすれば、経費・収益金全体の半分、宝くじ1枚あたり80円程度は国か地方自治体の役人の懐に入っている。 私はそう推測します。(←推測ですw)

 私としては、1枚あたり20円や50円の賞金を取るために縁もゆかりもない天下り・高給取り役人に80円も寄付する気はないので宝くじは買いませんけどね。

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この記事は意思決定の項目として書いています。
人は家を買う買わない、といった大物だけではなく、無意識には宝くじを買う買わないに到るまで意思決定をしています。 その際に完全情報が得られ、これに基づき意思決定するなら最良の結果が得られます。
ところが、現実世界では完全情報のもと意思決定できることはほとんどありません。
 上の宝くじ購入の例では、当せん金については完全情報ですが、経費の部分はやや不透明、収益金の部分は全く不透明な情報しかありません。 しかし、収益金の情報が堂々と開示されていないこと、経費の一項目ではその半分は無駄とされていることから、収益金についても半分は無駄であろうと推測しています。 この半分無駄、という判断はドンピシャ当たっているとは考えにくいですが、「当たらずとも遠からず」ということで推定値としました。
そうすることによって自分なりの意思決定ができ、「当たらずとも遠からず」である位置に動けるのです。
すると、その場所から見える新たな情報があり、必要であれば、「当たらずとも遠からず」の判断をより当たっているものに変えていく。
これで間違っていない、という確信がない現実の意思決定では、そう間違ってはいないように動きながら決めていく、というわけです。


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