シェイブテイル日記2

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公務員数と公務員人件費

先日、「事業仕分けであるべき優先順位」という記事の中で、”国家公務員100万人、地方公務員300万人に約1000万円/人かかっていると推定すれば、公務員人件費総額は国家公務員で10兆円、地方公務員で30兆円(このかなりの部分は地方交付税)ですから”と書いたところ、「この数字はともに過大ではないか」という主旨の反論をいただきました。

いい加減な数字を根拠なしに流すのは確かにまずいので、公務員数と公務員人件費についてもう少し精査してみたいと思います。

まず、公務員人件費については、財務省公式発表では、H22年度の国家公務員5.2兆円、地方公務員21.7兆円となっています。

公務員数については、行政改革推進本部専門調査会(第1回行政改革推進本部専門調査会の資料で、国家公務員94.5万人、地方公務員304.2万人とされています。
この資料に続いて、余り公表されていない重要な資料が載っています。それは下の資料です。

この中で、H12年頃に、国家公務員は「大幅減少」しているのですが、その理由として、「郵政公社化、独法化による制度的な減」とされています。
要するに、H12年頃を境に、公務員数は潜在化して、見えにくくなってしまった、ということです。
したがって上に書いた、公務員人件費(5.2+21.7=)26.9兆円は、純粋な公務員だけの人件費であり、準公務員などの人件費は全て省かれているということに注意する必要があります。
で、準公務員を含めた公務員数とは?
これは当然ながら公式数字は見つかりません。
しかし、公務員界では常識として通用していると思われる数字が見つかりました。
 公務労組の連絡会HP に「2002年春闘のポイント」というコラムがあり、以下にこの中の文章をそのまま載せます。

(以下引用)要求を前進させるために、公務労組連絡会として、政府・人事院への追及を強めつつ、ヤマ場の中央行動の配置をはじめ、人事院勧告に準拠する750万人との「対話と共同」を職場や地域から追求していきます。(引用終り) 

 私もうっかり、「公務員数は国家100+地方300の400万」、という公式数値(過少な人数)がインプットされてましたが、実際には750万人もの公務員やら準公務員が、人事院勧告に則った法外な人件費を受け取っているのですね。 750万人に1000万円払えば75兆円。最近の若い公務員はこれほどもらえてないかもしれませんが40兆円しか貰っていないっていう概算は恐らくかなり少なすぎですね。 
以前書きました、平成16年の第159回国会 総務委員会 第14号という資料にある岡滿壽男議員の弁論記録を見ますと、国・地方を合わせると、74兆円の歳入に対して公務員人件費に60兆円を使っている、とありますので、やはりこのあたりが妥当な数字なのでしょう。

また、「大半の特殊法人独立行政法人ラスパイレス指数(年齢構成を加味した国家公務員給与水準との比較)が,1.2〜1.3(国家公務員給与より2割から3割高い)」(2004.7.3付朝日新聞より)といった情報にも目を向ける必要があります(隠れて支払われている人件費の方が表の人件費より単価が高いとは)。

国の財政は、一般会計では92.3兆円、税収37兆円、国債が44兆円とか。 これに対し、地方財政全体の数値はなかなか見当たりません。 
でもないわけではない。
平成21年度予算案の概要[国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 630(2009. 1.29.)財政金融課]という資料です。
(以下p8より引用)
地方自治体全体の財政収支見通しの規模は、前年度比1.0%減の約82兆5,600億円。そのうち公債費等を除いた一般歳出は、約66兆2,200億円(0.7%増)。この増額の財源には、特別会計の積立金と国債が充てられる。
歳入は、地方税は、国税と同様に減少し、約4.3兆円(10.6%)減の36兆1,860億円となる見込み。
その一方で、地方債収入は増加して11兆8,300億円程度となる(約2.2兆円、23%増)。(引用終わり)

36兆円の税収で、公債費を除いた歳出が66兆円です。
公称400万人の公務員が準公務員を含めた実数では750万人だとすると、地方公務員はその3/4で、約550万人。
一人1000万と見て地方公務員人件費55兆円。 これを36兆円の税収でカバーできないので、地方債11.8兆円を起債し、それでも足りないから、特会積立金と国債を充てる。 国債地方交付税として地方へ。
こんなやりくりで、今後ともやっていけるのでしょうか。

以上のような情報を踏まえた上で、私の見方に対する「反論」をご覧ください。
さて私の意見と、このブログ、どちらが当を得た意見なのか。



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