シェイブテイル日記2

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完成しつつある日銀包囲網

大手マスコミでは、野田民主党と谷垣自民党が陰で増税に向けた話し合い解散のために都内で密会したとか本人たちは否定しているとかいった低次元の話題で賑わっていますが、馬淵・小沢(鋭)・宮崎タケシ氏ら民主党有志議員による「円高・欧州危機等対応研究会」がついに動き出したようです。

  3月1日(ブルームバーグ) :民主党の有志議員でつくる「円高・欧州危機等対応研究会」(会長・小沢鋭仁環境相)は、4月に任期切れとなる日本銀行の審議委員2人の後任にはインフレターゲット政策に積極的な「リフレ派」を登用するよう近く、政府側に求める。同研究会の馬淵澄夫幹事長(元国土交通相)が1日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。
  日銀正副総裁を含め9人いる政策委員会メンバーのうち、中村清次、亀崎英敏両審議委員はいずれも4月4日で任期が満了する。馬淵氏は後任人事について「インフレ目標政策導入に強い決意を持つ」「リフレ政策をしっかりと腹に持っている」人物が任命されるべきだとの見解を示した。
  研究会として望ましいと考える候補者リストも政府側に近く提出する方針だが、具体的な人物名については「外に漏れると国会で不同意とされてしまうので出せない、いつ出したかも言わない」と公表を避けた。
  日銀が予定している3月12、13両日の金融政策決定会合に関しては、2月に続き金融緩和を断行するよう求めた。具体的には、インフレ目標の2%超への引き上げと、長期国債などの買い入れのさらなる上積みを求めた。
  審議委員に望ましい人としては、これまでの研究会での議論で、「社長経験者、円高や世界経済の中で輸出を中心にやっている産業で痛みの分かる人」という意見が出たという。

  提言  
 小沢鋭仁、馬淵両氏ら研究会メンバーは1日、民主党前原誠司政調会長に対し、提言を手渡した。インフレ目標を含む本格的金融緩和に取り組む「QE−EPOCH」(新時代緩和)の断行を要求。日銀が「物価安定のめど」で掲げた消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率1%では不十分として、「中長期的には2%超が適切であり、当面はまず1%の実現を図る」との表現に改めるよう政府が日銀に求めることなどを柱としている。
  小沢氏や、同席した宮崎岳志衆院議員によると、前原氏は提言に対して、まったく同じ方向で考えており、十分に参考にさせてもらう、と指摘。その上で、企業の3月決算にあたって株価はなるべく高い状況で迎えたい、との認識も示したという。

 白川総裁
  提言では、来年4月に任期が満了する白川方明総裁も含めた政策委員会メンバー人事とインフレ目標政策との関係について「後任者がインフレ目標政策の強化を主張する者、もしくは理解を示す人物になれば実行されることになる」と指摘している。馬淵氏はインタビューでは白川総裁が再任される可能性について「ふつう考えるとあり得ない」と語った。
  政府と日銀の関係をめぐっては、みんなの党が、政府が物価変動目標を設定することなどを柱とする日銀法改正案を国会に提出したことがあるほか、民主、自民党内の一部にも政府の日銀への影響力強化を目的とした法改正を主張する意見がある。
  馬淵氏は日銀法改正論について「絶対やらなければいけないが、今の政府の状況を見るとすぐやろうという雰囲気ではない」と指摘。今回は3月末の企業決算と日銀審議委員人事に間に合わせるための緊急提言と位置付けている。

  馬淵氏は1960年8月生まれの51歳。会社役員などを経て2003年の衆院選で初当選、現在3期目だが、民主党政権誕生後は国土交通副大臣国土交通相、党広報委員長などの要職を歴任した。民主党の次世代のリーダーの1人で、昨年8月の代表選にも立候補したが、野田佳彦首相に敗れた。東日本大震災から約2週間後の3月26日から約3カ月間、首相補佐官として原発事故処理の中長期的対策などを担当した。

同行された宮崎タケシ議員のブログでも緊急提言を携えての中央区本石町の日銀本店での会合の様子がアップされています。

2012年3月2日(金曜日) いざ本石町、日銀本店へ*1
カテゴリー: 国政レポート - miyazaki @ 23時59分49秒

円高・欧州危機等対応研究会」の事務局長として、緊急提言を提出するため、日本銀行本店に乗り込んだ。いわゆる「本石町御所」に足を踏み入れるのは初めて。日銀側の出席者は西村清彦副総裁ら。
提言は前原政調会長に提出したのと同じもの。(1)インフレ目標を2%超とする(2)3月12、13日の金融政策決定会合でさらなる金融緩和に踏み切る(3)「物価安定」の目的に「雇用」を位置づけること(4)コアCPIを「生鮮食品を除く総合」から「食品・エネルギーを除く総合」に切り替えること──等が柱。

会場では、まず小沢鋭仁会長が西村副総裁に提言書を手渡し、「日本銀行の金融緩和は高く評価しているが、さらに一段の緩和をお願いしたい。3月の決算期は非常に重要であり、今月の金融政策決定会合で追加緩和が必要だ」などと挨拶した。
その後、馬淵澄夫幹事長が提言書の内容を説明し、「2月14日の緩和は高く評価されている一方で、まだ不十分との声も強い。インフレ目標の2%超への修正、コアCPIの見直し、雇用の位置付け等が必要である。異例となる2カ月連続の緩和を行い、日銀の姿勢を示すべきだ」等と述べた。
私からは「この提言は第一義的に政府に提出する関係上、閣議決定して日銀に導入を要請せよ等の書きぶりとなっているが、そもそも日銀が能動的にやるべきことが多く含まれている。ぜひ政府の行動を待たず、自主的に実行して欲しい」などと話した。

緊迫した雰囲気の中、西村副総裁が「確かに受け取りました。われわれも思いは同じです」と述べると、小沢鋭仁会長が思わず「本当ですかっ?」と驚きの声を上げる場面もあった。

西村副総裁は「デフレを脱却しなければならない、このままでは日本経済が立ち行かないという思いは同じです。デフレをどう定義するかという問題はありますが…。*2 中央銀行中央銀行として色々と考えなければならないことはあるが、提言は重く受け止めたい」と述べられた。

現代日本は民主主義ではなく官主主義の国に堕ちてしまっていますが、このような真摯な国会議員が活動している間は捨てたものではないですね。
あとは自民党みんなの党などの反増税派議員らと連携して、日銀・財務省によるデフレ下の増税路線の阻止まで進めてほしいものです。

*1:宮崎タケシ公式website 

*2:この西村副総裁、サラリーマンの給与が減り続ける状態なのに、CPIや公務員給与がさがらなければデフレではないなどと妄言を弄ぶつもりなんでしょうか。「組織の面子>>日本経済」という不等式が成立する異常空間での会合ですから、まぁこんなもんなんでしょうけれど。