目指すべき頂は見えている
安倍首相は「この道しかない」とアベノミクスの妥当性と継続を訴え、衆議院選挙に踏み切りました。
12月14日の投票日も迫りつつあります。
ただ残念なことに、アベノミクスの実績面では、消費税8%増税が実施されて以降はGDPが低迷し、またアベノミクスのメインエンジンのひとつであるべき株価も、主に中国・ギリシャ発の外的要因、利益確定狙いからとはいえ、今日は一時日経平均が500円ほど売り込まれています。
安倍自民党と対峙するはずの野党も、アベノミクスの批判はできても、具体的経済政策となると、勤労者の賃金を上げ、デフレ脱却し、政府債務対GDP比を下げる、といった観点からみて、首をひねりたくなるような政策が並んでいます。
現在の日本では長年の財務省発プロパガンダが奏功してか、政府債務残高1000兆円超だけがひとり歩きして、市民へのインタビューでさえ、消費税増税やむなしと答える向きもありますが、国際的に比較してみれば、日本の場合政府債務残高の伸びが異常なのではなく、健全性指標・政府債務残高対名目GDPの分母に当たる名目GDPの伸びが世界一小さいことが問題だと分かります。(図)
政府債務の伸びはむしろ低すぎるほどです。 ましてやそれを積極的に返済するために、名目GDP(付加価値)に税を課す消費税など日本経済に最悪であるといえ、今年4月以降の経済指標は単にそれを確認しているに過ぎないように私には思えます。
日本経済の問題は名目GDPの伸びの低さ
政府債務推移(上)と名目GDP推移(下)の国際比較
出所:出所 IMF WEO 2014 Apr.
赤線:日本、青線:日本を含まない先進32カ国平均
図には表示されていないが、統計のあるすべての国の中で
2001年以降の名目GDP伸びは日本が世界最低。
また過去のデフレ局面を調べてみれば、デフレ脱却には財政・金融政策の同時発動、あるいは財政ファイナンスが極めて有効だと経験的にはわかります。
つまり目指すべき頂は目的も手段もみえているのです。
ただ、金融緩和+(財政再建目的の)緊縮財政が必要だと捉えている為政者が大多数、という現況から、彼らにどういった手段で財政・金融政策併用を実行してもらうのか。 これが現在の私にはみえてきません。
ということで、私の課題解決法のひとつ、「当たらずとも遠からず」法で短期間で答えを探ってみたいと思います。
具体的には私が使っているツイッターの世界で、#名目GDP増加 というハッシュタグを立て、ネットでの知り合いの皆さんとのディスカッションから始めてみたいと思います。
目的の妥当性、効果的な手段など、追加すべき情報が出てくれば、また記事にしたいと思います。