シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

2011-01-01から1年間の記事一覧

 「2020年、日本は破綻する日」のトンデモ度

【要約】 ・明治大学教授・畑農鋭矢氏が、日米欧の財政問題の論点整理に有用と紹介している小黒一正著「2020年、日本が破綻する日」の論点を整理してみました。 ・その結果、この本は議論に粗雑な点が目立ちました。今日9月11日の日経新聞朝刊で、明治大学教…

ギリシャと日本の国債は同列?

【要約】 ・ギリシャ国債はいよいよ破綻の様相を強めています。 ・だからといって日本国債も危険な状態、というには両国の経済環境には大きな違いがあります。ギリシャ国債の破綻リスクが改めて認識され、欧州の金融債とソブリン債の保証コストは急上昇して…

消費税増税論議− 「大新聞は国民の敵」 

野田新首相が財務省のロボット化していることはよく知られています。 大新聞はいつから増税大政翼賛会となったのでしょうか。週刊ポスト(平成22年7月26日)には興味深い記事が載っていました。(以下引用)─────────────────── 大新聞は国民の敵だ 「消費税増…

デフレ不況脱却策−マネタリストとケインジアンのどちらが正しい?

【要約】 ・デフレ脱却・景気回復には、構造改革派とケインジアン型とマネタリスト型の3種の政策が主張されています。 ・筆者はこれらの政策それぞれ単独ではデフレ脱却は困難と捉えています。デフレを2年以上の物価下落というIMFの定義に従えば、日本では'…

次の選挙ではみんなの党が第一党、共産党が第二党?

今日は、安住淳氏が財務大臣と市場に伝わると、株価は150円ほど下押ししたようです。増税一直線首相や、財務まるっきり知らぬ財務大臣らがデフレ下で増税するなら、97年から現在に至る橋本龍太郎不況を加速します。 それを知っているはずのリフレ派民主党議…

シロハタ

やぁー、見事外れました。 民主党代表選挙を予測する(2)ではすんなり海江田政権誕生か*1と思いきや、リフレ派馬淵率いる馬淵派からでもホイホイ増税野田に票を投ずる*2とは読めなかったです。 「こいつら一体どんな思考回路か?」と思いましたが、ネット…

企業の売上は必ず誰かの所得

26日の日経新聞では、7月の消費者物価指数(CPI)が2年7カ月ぶりにプラスになったことを伝えています。 総務省が26日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きが激しい生鮮食品を除くベースで99.8となり、前年同月比0.1%上昇した…

TVで明確に日銀の誤りを指摘した安倍元首相

そこまで言って委員会というTV番組に、安倍元首相と麻生元首相が登場し、おふたりで日本の成長戦略について語っています。 安倍元首相はリーマン・ショック時に日銀がバランスシートを拡大せず、円高を招いた、と明確に日銀批判しています。どなたかがyoutub…

民主党代表選挙を予測する(2)

【要約】 ・民主党代表選挙では、小沢一郎元代表が前原候補と袂を分かち、海江田候補に肩入れすることになりました。 ・これを受け、代表選挙の結果も大きく影響を受けそうです。小沢一郎元代表が前原候補を突き放し、代わって海江田候補を推したことで、民…

世界経済現代史のソブリンリスク事例から欧州・日本それぞれの対策を考える

【要約】 ・現代世界史から一連のソブリンリスク事例を概観してみました。 ・これらからギリシャなどの欧州諸国でのソブリンリスクへの対応策は見えてきます。 ・日本のソブリンリスクはこれらとは様相が全く異なっていますから処方箋も異なります。前回のエ…

日本国債は破綻し得るのか?

【要約】 ・日本国債は破綻し得るのかをシナリオに分けて考察しました。 ・結論から言えば、日本国債が破綻するシナリオは現実的ではないと考えられます。 最近、米国国債を格付け会社のひとつが最上級のAaaから1ランク格下げしたことに端を発して国債の破…

民主党代表選挙を予測する(1)

【要約】 意思決定ツールを利用して、民主党代表選挙の結果を予測してみました。昨日23日、前原前外務大臣が民主党代表選挙への立候補を表明しました。 これによって、民主党代表選挙の勢力地図が塗り替えられることになります。 そこで、候補者が乱立気味…

日本軍との比較による日銀の失敗の本質

【要約】 ・日本軍の失敗の分析からは日銀の失敗と重ねあわせられる所が多数あります。今日は66回目の終戦記念日です。310万人に及ぶ戦没者の冥福を祈りながら、敗戦までの日本軍について考えてみると、70年前に大東亜戦争で間違いを繰り返した日本軍と、現…

仕事が速くなるコツ(1) 当たらずといえども遠からず方式

【要約】 仕事を速くこなすにも色々と方法はあるかと思います。 今回は比較的馴染みの薄い仕事で、早く「それなり」の結果を残すための方法をお伝えします。 今の世の中、色々な仕事をこなす必要が出てくることはよくあることです。 筆者も何回かやった経験…

生命-進化の十大発明

【要約】 夏休みに生命の進化について本を読みました。 以下は10の驚くべき生命の発明について。 現在、前から気になっていた本「生命の跳躍-進化の十大発明」を読んでいます。 生命がこの地球に誕生して以来、生物界を一変させた進化をそれぞれ詳しく紹介…

QE3ではFRBによる国債の直接引き受けが良い理由

【要約】 ・FRBによるQE1,QE2政策により資産価格崩落は避けられましたが依然失業率は高止まりし、商品価格が高騰しています。 ・QE3でこの副作用を避けるのであれば、FRBが国債を直接引き受けて、財政政策を実施することが良策と考えられま…

民主党代表選挙−次の首相には誰がふさわしいのか

【要約】 ・ 近く予定される民主党代表選挙の立候補予定者を経済政策の主張でまとめてみました。 ・その主張から、この中には日本の将来を託せる政治家として期待できる方もいるようです。退陣表明をして久しい菅首相も、ようやく今月内退陣を示唆するように…

日銀首脳はコストに見合った仕事をしているのか

日本は世界経済史に残る長期デフレが続いています。 その上日本では非正規雇用比率が次第に高まっていて(下図)、しかも日本はOECD諸国中、フルタイム労働者の労働単価とパートタイム労働者の労働単価の比が最大となっています。(更にその下の図) 日本の…

デフレ日本の労働者が置かれた状況

【要約】 ・OECDデータベースで、労働単価推移を国際比較してみました。 ・それによれば、日本の労働単価は、非正規雇用比率の増大と、正規雇用者との賃金格差放置により、他のOECD諸国とは全く異なった動きを辿っていることが分かります。前回のエントリー…

日本の物価は安定しているのかそれとも世界最低か

【要約】 ・日本の物価を消費者物価指数でみると、97年以降0%で大変安定しています。 ・しかしこの年以降、日本の経済は下げ足を早めました。 ・日本の物価変動率は世界最低で中期的にマイナスですが、他の全ての国は中期的に物価上昇率はプラスです。 ・日…

日本の「物価安定」は先進的、(あるいはせめて普通)なのか

【要約】 ・日本の物価水準は30年前と同じになりました。 ・日本と日本以外の物価安定国の30年間の物価変動を比べてみました。 日本で物価が上がらなくなってもう随分経ちました。 日本の物価指標GDPデフレータがピークだったのは、1994年のことでしたから、…

日銀「国債直接引き受け」と「国債市中消化+買いオペ」は同じか

【要約】 ・日銀「国債直接引き受け」と「国債市中消化+買いオペ」は一見するとよく似た取引です。 ・政府・日銀・市中銀行・その他民間部門と4つに主体を分けた仕訳で、デフレ日本では日銀「国債直接引き受け」がどう優っているかが分かります。昨晩2ch日…

株価暴落のメカニズム

株価暴落。 いやな響きですね。 最近では3月の東日本大震災とその後の福島第一発電所事故の後、株価は歴史的な暴落をしました。 これ以前でも2008年9月のリーマン・ショック、1987年のブラックマンデーなどなど、大小様々な株価暴落を私たちは経験しています…

高橋是清自身が語った高橋財政

【要約】 昭和十年七月二十七日(土曜日)の東京朝日新聞に掲載された高橋是清蔵相による高橋財政の自己評価記事を書き写してみました。*1 デフレ脱却、国債低金利で好景気に浮かれることなく、低インフレから高インフレへの行き過ぎにも十分警戒していた様…

ドル円60円時代: アメリカデフォルトリスクと日本のデフレ

【要約】 ・ソロス・チャートから見ると、アメリカの偶発的デフォルトを引き金に、1ドル60円台が有りうるかもしれません。 ・日本の量的緩和が円高やデフレに効果が薄かったのは、量的緩和というものが、市中銀行の当座預金を積み上げるだけで、民間の資金に…

デフレ日本では国債直接引き受けが国債買いオペに優る理由 

【要約】 ・デフレ日本では国債買いオペでベースマネーを増やした場合、国債や海外資産の高騰を招くことが確実なのに、肝心の民間非金融部門へは資金が出て行きません。 ・日銀による国債直接引き受けの場合には財政政策と並行して実施することで、海外資産…

モノの値段の本質とお金の本質

【要約】 ・モノの値段とは究極には「海外人件費+国内人件費」です。 ・お金の価値の裏付けは今も昔も「生産力」です。今日は筆者が考えるモノの値段とお金の本質について書いてみたいと思います。 ご批判があればコメントよろしくお願いします。【1】モノ…

消費税が雇用の非正規化を促進する仕組み

【要約】 ・賃金の下方硬直性という経済学の常識は次第に非常識化しつつあります。 ・その原因の一つは、消費税が会社の付加価値部分にかかる仕組みだからです。 ・特に資本金1000万円未満の法人では設立後2年間は消費税支払いが免除される規定が、人件費デ…

アメリカ版政府貨幣構想が検討される?

【要約】 ・アメリカで政府債務の財源として超高額プラチナコインを発行する構想が出ています。 ・アメリカではこの構想に対し懐疑的な声も少なくないようです。 ・アメリカと異なりデフレの続く日本にあっては、超高額政府貨幣構想は十分検討に値すると考え…

日銀国債引き受けの有効性を日銀金融研究所はよく知っている

【要約】 ・日銀金融研究所の歴史研究課長が高橋財政についてコメントしています。それによれば、 1)高橋財政期の5年は高インフレとはならなかった 2)国債日銀直接引き受け自体には問題はなく、物価も安定し、拡張的マクロ経済政策のもと、昭和恐慌から…