日銀による株式目標政策の可能性
昨日来Twitterで、リフレ派のMさんと議論をしています。
ちょっとヒートアップする場面もあったのですが、再び冷静な議論が続けれれるのがMさんの立派なところです。
さて、その議論の中で
という部分には合意した上で
- 流動性の罠の中でも期待インフレ率上昇がインフレ率向上につながるのか
という点が論点として浮かび上がりました。
長期国債買い入れはインフレ期待醸成に効果があるのですからそのまま続けるというのを前提に置くとして、他に手はないのでしょうか。
ここで「将来の名目GDP先物市場を創設し、また中央銀行は名目GDPパス(水準目標ですな)にペッグする。この先物市場を使ってマネタリーベースを決定してもらう。あとは中央銀行はゆっくりしていい。the end of macro」、というサムナーの名目GDP目標政策の議論もあるようです。*1
この案と似ていますが、デフレ脱却までの策として、既に市場がある日経平均先物やTOPIX先物市場に日銀が介入し、例えば先進国標準の年率7%以上の成長を目標とするという手段もあるように思うのですがいかがでしょうか。
中銀が先物市場で買いに入れば、無限にマネーを創れる相手ですから、アナウンスしただけで大きく先物市場は値上がりし、裁定機会を通じ、現物も大きく値上がりするでしょう。
株式市場で買いポジションの投資家は言うまでもなく、現物資産を長期保有している主体の資産評価額が向上し、その中には年金資産を運用する年金積立金管理運用法人(GPIF)も含まれるでしょう。*2
この株価引き上げ効果を介すれば、デフレの罠に関わらず、民間にマネーが供給できそうです。
中銀が介入する先物市場自身はゼロサムゲームですが、現物株の方は非ゼロサムゲームであり、株式資産価値が上がれば資産保有者全体、年金資産運用を通じれば、年金財政の好転から国民全体がプラスの影響を受けます。*3
デフレの罠の中で期待インフレ率上昇が実際のインフレ率向上につながるというエビデンスがないのであれば、日銀が株価上昇率を定めた株式目標を掲げて株式先物市場に介入するという手段は検討に値すると思います。