信用創造(貨幣創造)には3種ある
最近、ツイッターランドでは、日本の政界に財政出動を唱える政治家を出していこうという薔薇マーク運動が注目されてきています。
私も薔薇マーク運動には注目しているのですが、その運動の中核的存在になりうる民主党の金子洋一前参議院から次のようなツイートがありました。
金融緩和をしないで財政出動をしたのでは景気拡大の効果は限られてしまいます。金融緩和を唱えない反緊縮運動は、まわりまわって国内の誰かに増税することになり、限られた予算の奪い合いになります。財務省の財政緊縮論の手のひらから出ることができないのです。これではデフレ脱却はできません。
— 金子洋一・前参議院議員(神奈川県選出) (@Y_Kaneko) March 6, 2019
金融緩和なしで財政出動すると最終的には増税を財源とせざるを得なくなる、というご意見のようですね。この因果関係についてツイッターランドでも憶測されていましたが、シェイブテイルはもしかすると信用創造(貨幣創造)に3種あることをご理解頂いていないのではないかと思いました。
結論から言いますと、信用創造(貨幣創造)には市中銀行が主体となるおなじみの信用創造と、日銀が主体となって日銀当座預金つまり銀行が日銀に預けている預金の創造と、もうひとつ、政府が自ら政府債務を負うことで市中銀行に信用創造してもらう財政出動の3種類があるのです。(図1)
信用創造に3種類あることは、英語版Wikipediaのmoney creationの項目には記載されています。
薔薇マーク運動関係者によく理解されるべきなのは政府による財政出動には日銀は(受動的、間接的にしか)関与していないということです。
日銀マネーが財政出動の原資になっているというような理解をもし金子洋一前議員がされているようであれば、いくつかの論拠を中村てつじ元議員が良いまとめを作成されているのでここに引用しておきます。