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勝間和代氏の「まずデフレを止めよ」

11月5日、菅直人国家戦略相がエコノミストから意見を聞くという主旨のマーケットアイミーティングで、勝間和代氏は「まずデフレを止めよ」というプレゼンを行いました。 
 報道によれば、
「具体的にどうすればいいのか」と聞く菅担当相に対して、勝間さんは「通貨発行量をふやすのがいちばん簡単」「要は中央銀行のお金を大量に刷って、それを借金として政府がばらまく」と回答。菅担当相が「簡単に言えば、国債を50兆なり70兆なり出して、日銀に買い取らせるということか」と聞くと、勝間さんは「そういうことです」と答え、「国債の発行が悪いことのように国民は教育されているが、将来への投資と考えるべき」と主張した。
とのことです。

日銀に国債を買い取らせるっていうのは、デフレ退治でまず思いつく案ではありますけれど、2つ大きな問題があると思います。

1.どれだけの国債を日銀に買い取らせれば、期待されるようなマイルドなインフレになるのかわからない。 やってみないと分からないともいえるでしょう。
2.そもそも、独立性の高まった日銀が国債を何十兆円も買い取るなんてことは、バブル崩壊以後の日銀の言動(デフレ指向?デフレ嗜好?)からあり得ない。

インフレターゲティング、日銀の国債買入れ、政府紙幣、など、いくつかデフレへの処方箋はあるかと思いますが、これだけ長くデフレが続いたことが歴史上ない以上、大々的に国を挙げての政策をするよりも、まずは地方自治体が、減価する地域通貨を発行する、といった社会実験を行うのが弊害の懸念も小さく、社会的コンセンサスを得やすく実際的かな、と私は思います。

いずれにしても、現政権は、高速道路無料化や、高校無料化、子供手当のように、ある民間から他の民間への強制的な所得再分配のことを景気対策だと勘違いしている位の経済音痴が揃っていますから、もし、デフレ退治を現政権に政策課題として認識してもらったとすれば、勝間氏のプレゼンは大成功だったと言えるでしょうね。