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放射線量と臨床症状(3)ヨウ素131入り水道水のベクレルからシーベルトに変換する

水道水からヨウ素が出たとか。 福島に近い、小さな子どもを持つ親御さんは心配ですね。  ということで、原発から出てくるヨウ素セシウムがどの程度危険かを実感できるエクセル表を作ってみました。関心があるかたは是非同じ表を作ってみてください。

この式の上半分だけ真似てつくっていただければ結構です。
表の左半分はデータ部分。問題となっている、ヨウ素131とセシウム134、セシウム137の、核種・半減期・経口摂取した場合の変換係数・吸入摂取した場合の変換係数です。
で、右半分がこれを利用した計算式部分です。次は変換係数の式が入るところです。紫色のヨウ素の係数は2.2×10^-8ですから、数値を入れるセルを仮に 「F4」セルとすれば、隣の「G4」セルには「=F4*2.2*10^(-8)」という式が入ります。以下同様に「G5」セルには「=F5*1.9*10^(-8)」、「G6」セルには「=F6*1.3*10^(-8)」と入れればほぼ完成です。 至って簡単。 隣の列のμSvの列は左列を100万倍すればOK。
 青いセルに数値を入れます。例えば1000ベクレル/kgのヨウ素131が検出された水を0.1kg飲んだなら100ベクレルですから100と入れる、という具合です。すると、このヨウ素代謝されず、体内に50−70年残った、という想定での蓄積被曝量が2.2μSvといった具合です。 この2.2μSv、相当に小さいです。
そもそも 1Bqは1秒間に1個の原子核が崩壊することを示します。100Bqだと1秒間に100個崩壊するので1Bqに比べ放射能が100倍高いということになりますが、安全かどうかを考える上では非常に小さなオーダです。人の体内にも放射性物質はあり、例えばカリウム40だけでも約4,000Bq(成人男子体重約60kgの場合)存在します。これも相当小さなものです。治療目的にはGBq(=10^9Bq)の量が投与されることがありますから。
なおカリウムがなぜ放射能があるかといえば、カリウムにはカリウム40[カリウムの0.0117%を占める放射性同位体:他はカリウムには39K(93.2581%)と41K(6.7302%)の安定同位体がある]が含まれていて数十億年にわたって放射能を放っているからです。(カリウム40の半減期=12.5億年)

さてそこで、例えば1kgあたり24000ベクレルの野菜を100g食べた場合、    2400ベクレル×0.022=52.8マイクロシーベルト(μSv)  の放射線量を浴びる計算になります。ちなみに最後に書いたHPによるとこの係数は大人は50年、子供は70年の積算値だそうなので、上の野菜を100g食べた後、代謝されないとして50年にわたり人体が浴びる放射線量の合計が52.8μSvとなるようです。この計算が正しいとすると一般の人の許容範囲10mSv(=10000μSv)の放射線量を浴びることになるのは上記の野菜を  100g×10000÷52.8=18.9kg 食べたとき、ということになりますね。毎日100gを189日、半年ほど食べ続けると許容範囲をこえることになりそうです。 これは、ヨウ素131の場合ですが、セシウム137の場合の実効線量係数は1.3×10のマイナス8乗で、セシウム137のベクレル値に、0.000013を掛けるとミリシーベルトに、0.013を掛けるとマイクロシーベルトに換算することができます。当面、ニュースに出てくるのはこの二物質だと思いますが、他の放射性物質についても一番下のホームページの表にある値を使えば換算することができます。
なお以上の話は下記の緊急被ばく医療研修HPを参考にさせていただきました。特に第2章1.と2.は参考になります よ。
私の結論としては、今回のヨウ素の件。仮に福島から野菜が出荷されたとして、それを毎日食べる、というのはそれを作った農家ぐらいではw
どう考えてもマスコミが騒ぎすぎ だと思いますが、皆さんはどう感じられたでしょうか?

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関連HP:緊急被ばく医療研修HP