シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

減価する地域通貨に関するななみのゆう氏とのディベート

デフレ脱却に関心が強いななみのゆう氏と筆者シェイブテイルです。
ななみのゆう氏は「お金を配れば日本復活」の著者です。
ただ、脱却手段としてななみのゆう氏は国債大量発行が有力と考え、シェイブテイルは減価マネーが有力選択肢という違いがあります。
ななみのゆう氏はマネーサプライ上昇を通じ、またシェイブテイルは貨幣流通速度上昇を介して名目GDPを上昇させようとする立場ですね。
そのななみのゆう氏が、デフレ日本で減価する地域通貨を適用することの疑問点を挙げてくださっていました。
地文が筆者の回答です。 さてどちらが正しいのでしょう?

ななみのゆう氏
チロル地方の例と違い、次の点で現代日本では減価マネーでのデフレ脱却は困難と考えます。
1)現代の決済は、税金支払いを含めてほとんど全てが銀行を介した決済であること

・技術的な問題ですね。 確かに普通には今の金融決済システムには乗りませんね。 
・私は次のように思います。 まず税務その他の問題が解決可能かどうか、どのような制度設計とすることが「貨幣信用」を保ちやすいかなどを検証する社会実験1フェーズが必要でしょう。 どこか、人口1万から10万人程度の街を特区化します。 その段階ではまさに規模もやり方もヴェルグルそっくりでOKと思います。 『労働証明紙幣』みたいな名前でもいいでしょう。これに、1ヶ月に一度地方政府発行低額印紙を額面の1%分貼って通用させます。 これならヴェルグル方式で構わないでしょう。
・この社会実験1でうまく制度設計できるようなら、社会実験2として、広域地域(想定人口100万〜500万)で減価する電子マネーを発行します。 減価するのは「ポイント」で、所有者のID毎にポイント口座を管理する会社を作り、社会実験1同様に月利マイナス1%でプラスチックマネー内で減価させます。 一般社会で通用させるときには基本的には減価マネーポイントとしての売買とします。 すると、地方税などはこのポイントで直接支払われるでしょう。 地方税を現金払いしたくない人、多少信用が少なくても、働きたい人などには受け入れられるでしょう。 スーパーなどでも一定割合なら使用可、という店舗も出てきて利便性がアップするでしょう。 転出者や県外支払いなど一定条件を満たす場合、地方政府が円払い戻しに応じます。 その時のポイント数からみて、大幅に減価した日本円と交換可能にします。 うまく言えませんが、「社会実験2プラスチックマネー」内では1%減価、通常売買はポイントで行う。 
これは一種の売上債権ですから、まあ手形で支払ってもらったようなものですね。 手形、じゃなくて減価マネーを別の人に手渡せば、この売上債権が別のものに姿を買えたことになります。
どうしても必要で、同プラスチックマネーを日本円に両替する際には1ポイント=0.5円で交換のイメージでしょうか。

2)当時の公共事業に支払う代金はおそらくほとんどが人件費に違いないという点
・お答えの一部が上記「社会実験2プラスチックマネー」です。
・代金支払いは労働証明紙幣でもプラスチックマネーでもいいのではないでしょうか。 勿論全額ではキツいかもしれませんが、現金と手形を併せて使う、あるいは現金を選択する場合には支払い条件が悪く(80万円)、減価マネーで良い人や企業には良い条件(100万ポイント)支払うなどでOKでしょう。 すると、減価マネーは金券ショップで時価で取引されます。 現金なら80万円に必ず代えてもらえるなら、減価マネー100万ポイントの支払いで構わない人々は必ずいます。人件費、支払い条件が減価マネーで良い人々の間で流通させれば十分です。 

3)現代では公共事業をするためには人件費への支払いより原材料を他県から購入しなくてはならずその原資まで減価する貨幣で行うことは出来ないという点
・このお答えの一部が上記2)と
・ある程度広域で実施するようになれば、原材料が減価マネー通用地域だけで大半を賄えるようになるのでは、と思います。
・ガソリンスタンドなどは、原価の多くが原油で、国内特定地域でしか通用しない減価マネーでは受け取りできないでしょうが、地域内ガソリンスタンドの人件費分は減価マネー受け取り可能でしょう。 つまり、企業によって、自社が受け取り可能な減価マネー比率あるいは、現金払い割引率を提示すればいいのではないでしょうか。

ななみのゆう氏のご指摘点は、マクロ経済とミクロ経済の連続性についての疑問と思います。
大変興味深く私も興味がありまた重要な視点だと思います。
次のご意見ご質問をお待ちしています。
またデフレ脱却に関心をお持ちのどなたでも、このディベートへの参加を歓迎いたします。


シェイブテイルから
ななみのゆうさまへ

いろいろと貴重なご意見ありがとうございました。
デフレ脱却に向けて減価マネーを考える際の参考にします。
ただ、こうした新しい金融システムを考える際、似たものから出発する方が簡単です。
例えば日本でもよく実施された地域マネーがあります。 あれはなぜ通用したのか、またなぜデフレ日本の救世主になっていないのか。ここから考えるのが楽なのでは?
 ななみのゆうさまは全く異なる系である「管理通貨制度」の「日銀券」制度・「金融決済制度」との「繋がり」から出発して考えてらっしゃるようですが、日銀券自身の誕生がたかだか130年前の1885年の大黒壹圓です。 それ以前に日本に経済がなかったわけでもなければ、日本以外の現代世界で日本円が国内同様に通用しているわけでもありません。あくまで日本国が強制通用力を担保しているに過ぎない紙切れ(あるいは電子情報)です。 
オッカムの剃刀と言う言葉があります。
まず先に本質を考えそのあとで枝葉末節を考える順番でないと、力学に「神」の存在が必要だったりします。

ななみのゆう氏の著書

お金を配れば日本復活 政府借金は雪だるまにならない (Parade books)

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