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生命-進化の十大発明

【要約】
夏休みに生命の進化について本を読みました。 以下は10の驚くべき生命の発明について。
 

現在、前から気になっていた本「生命の跳躍-進化の十大発明」を読んでいます。
生命がこの地球に誕生して以来、生物界を一変させた進化をそれぞれ詳しく紹介してくれています。
内容は、大学で生物学をある程度学んでいないとちゃんと理解することは困難な部分も多く、以下はこれを読んでいただいている方への解説というより、自分への読書メモとなっています(スミマセン)。

1.生命の誕生
 科学雑誌などにこれまでよく紹介されている「ユーリー=ミラーの実験」のようには生命は誕生しなかった。
 海底のプレート境界にある、アルカリ熱水孔に特異的な「鉱物の細胞」とでも呼ぶべき場所で生命は誕生したと思われる。

2.DNA
 遺伝情報を記録するDNAはいきなり誕生したとは考えにくい。 「鉱物の細胞」で、単体RNAがまず自然に生成した後、更に重合し、自分自身の変化を触媒するRNAワールドがまず誕生し、ごく短時間のうちに「シュピーゲルマンのモンスター」と呼ばれるような効率的な触媒(リボザイム)へと進化する。このRNAワールドがDNAワールドに変化する過程はまだ十分理解されていないが、現在のレトロウイルスが持つ逆転写酵素様のリボザイムが生じたものと思われる。この頃の「生命」とは、今のウイルスのようなものだったかもしれない。
DNAがタンパク質をコードする仕組み(コドン)は1文字目がアミノ酸の原料、2文字目が疎水性を示し、三文字目は相当に自由度が高いが、2文字のジヌクレオチドだけでもアミノ酸と親和性を持っているらしい。

3.光合成
 光合成がなければ、地球には遊離酸素がないため、地球は紫外線によって荒れた大地でしかなかった。酸素があることで、のちに発生する動物は多量のエネルギーを得ることもでき、コラーゲンを作って大型化することも可能となった。
光合成を行う葉緑体はかつては自由生活を行うシアノバクテリアだった。この細菌が別の細菌に飲み込まれて共生するようになって葉緑体が誕生した。

4.複雑な細胞
 今から40億年前から10億年前の間は「細菌の時代」だった。6億年ほど前に、この地球でただ一度の「運命の出会い」があり、極めて稀なことにある細菌に、ミトコンドリアとなる細菌が取り込まれることにより真核生物と呼ばれる、動物や植物の共通の祖先がその時ただ一度だけ誕生した。つまり、地球上の全ての動植物はただ一つの祖先から枝分かれして今に至っている。

5.有性生殖
生物は不要な遺伝子を捨て、有用な遺伝子を速く固定する有性生殖は急速に生物界に広まった。

6.運動
2億5000万年前、ペルム紀の終わりに全生物種の95%が消滅した地球史上最大の大量絶滅の後、生物界は複雑さを増し、活動的な生物が支配する世界へと変貌した。
アクチン・ミオシンなどの「モータータンパク質」群により、生物細胞は運動力を持ち、生存競争に有利な位置に立てるようになった。

7.視覚
動物界は38門からなるが、眼を持つ門は6つしかない。それにもかかわらず、動物種の95%に眼があるように、視覚を持つ動物は生存に大変有利。
視覚を持つ動物は、唐突に、5億4000万年前ころ(カンブリア爆発のころ)に出現した。 立体視ができる捕食者の出現により、被食者も鎧をまとうなどの進化が起きた。

8.温血性
高い体温を維持できれば、酵素の活性は飛躍的に高まり、大きなエネルギーを生み、体型も大型化できる。また変温動物が活動できない夜間や冬でも活動し、テリトリーを拡大することができた。

9.意識
意識は一体どの種まで幅広く存在しているのか。 原初の情動−渇き、飢え、痛み、性欲、窒息の恐怖などはミツバチなどの無脊椎動物も含め脳を持つ動物に幅広く存在しているようにみえる。 ミツバチのニューロンの数は100万に満たないが、真の意識があるかどうかは分からないものの、意識らしいものは既に持っている。

10.死
ミトコンドリアからフリーラジカルが漏出すると、老化が加速する。 カロリー摂取を制限すると、ミトコンドリア膜は強化され、生命の時計は若い頃へリセットされる。
ヒトのニューロンは取り替えの効かない1万ものシナプスが配線されており、ニューロンが死んでも不死を獲得したとしても人間性は喪失している。

生命の跳躍――進化の10大発明

生命の跳躍――進化の10大発明