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日銀のデフレ対応は素振りだけ?

昨日、日銀は展望レポートの中間評価を発表しました。
以下はその要旨です。
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[日銀展望レポート中間評価] GDP見通し中央値は10年度+1.3%、11年度+2.1% CPI見通し中央値は10年度-0.5%、11年度は-0.2% 物価は見通しに比べてやや上振れ
2010年1月26日 13:00

GDP見通し中央値
10年度+1.3%、10月時点は+1.2%
11年度+2.1%、10月時点は+2.1%

CPI見通し中央値

10年度-0.5%、10月時点は-0.8%
11年度は-0.2%、10月時点は-0.4%

成長率はおおむね展望レポート見通しにそって推移すると予想、物価は見通しに比べてやや上振れて推移すると予想。
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昨年12月18日、 日銀の白川方明総裁は、金融政策決定会合後に会見し、同会合で物価上昇に関して「ゼロ%以下のマイナス値は許容していない」と表明したことについて「日銀の考え方が一層、浸透することによって金利形成にも相応の影響がある」と述べた、と報道されています。[1」

不思議ですね。

日銀はデフレと戦う姿勢をわざわざ記者会見で明確にしたはずなのに、2011年の物価(CPI)予測は今から既にマイナスです。日銀には物価を動かす力がない、とでも言いたげな数字ですね。
日銀は物価を下げたくないんだが、勝手に下がるからどうしようもない、と。

しかし、先にこのブログでも述べたように[2]、中央銀行は、自国の物価水準を望んだ水準にできます。
それなのに、日本の場合物価は、15年間、ほとんど変動ていません。
他の諸外国は、狙った通り、年間2-3%のマイルドインフレを達成しているのに。
その結果、日本だけが、世界で唯一今世紀物価が下がった国になっている。

日銀が物価を上げたければ、国債の直接引き受けなど、いろいろと手段はあるのに、それを行使せず、物価変動をエネルギー価格変動など、外部要因に任せている。 
これでは日本はデフレからの脱却などできないでしょう。
やはり日銀はどれほどデフレが続こうが、デフレと戦う素振りだけで、内心はインフレを避けることだけを考えているのでしょうか。