シェイブテイル日記2

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安倍首相、そこまで言って委員会で本音を語る

今日の読売テレビそこまで言って委員会では「安倍晋三内閣誕生スペシャル」と題し、安倍晋三首相本人が登場し、持論を展開しました。*1

辛坊治郎 第96代内閣総理大臣安倍晋三さん登場です。
安倍首相 どうも。こんにちは。
辛坊治郎 安倍さん、今日はこの番組に出ていただくためにわざわざ東京からお越しいただいたんでしょうか。
安倍首相 そうですね。これが主な理由ですね。 
金美齢  橋下さんとの会談はついでですか?
安倍首相 それもまた重要な理由です(笑)。辛坊さんが(野党時代の安倍氏に)「総理大臣になっても出ていただけるんですか」って聞いてくれましたね。で、あの時はまだそういう状況ではなかったんですが、「番組に出ますよ」とこう言ったんです(笑)。私たちはできないことは言わないということですから(大笑)、それで実現させていただきました。

辛坊治郎 では、皆さん、安倍晋三首相に聞きたいことは何ですか?
勝谷誠彦 今度、エネルギー政策を大きな柱にされるということで、オーランチオキトリウムなど新エネルギーについてはどのようにお考えでしょう。
安倍首相 新しい富を創出していく、というのが安倍政権の主要な政策の一つであると。しかも資源は大切ですので、様々な可能性は求めて行きたいと思います。 原発の再稼働は、原子力規制委員会が今世界でももっとも厳しいルールを作っていまして、この3月までにはルールができ、7月までにはパブリックコメントを受けて、それ以降にこのもっとも厳しい基準に則って原子力規制委員会の方でいろんな意見を聞かせていただいて、最後には政府が判断することになります。
辛坊治郎 そういう意味では(判断が難しい)環境原子力防災担当に石原伸晃氏を据えたのは石原潰しではないかと。
安倍首相 私はそんなに性格が悪くはないですから(笑)。

桂ざこば 大阪では維新・橋下氏と会談されたようですがどういった内容でお話を。
安倍首相 ま、全部についてお話はできませんが(笑)、大阪には日本の成長のエンジンになってもらわないといけない訳で、そういった意味で大阪からの要望などを伺って、やはり地方自治体と国が協力していくことが重要ですから、いかにして大阪を発展させていくか、何が必要かということをお話し合いさせていただきました。*2
辛坊治郎 さっき、津川雅彦さんが「憲法改正のためには、(憲法改正に消極的な)公明党とは一刻も早く別れて維新と組んだほうがいいんじゃないか」と言ってました。
安倍首相 あの、(笑いながら)これははっきり言っておかなくてはいけないんですが、自民党公明党は連立の柱、なんですね。これは先の選挙の前もそう申し上げてきましたし、参議院選挙でも、その後でもそうなんですが、憲法を変えるためにはまず96条の修正条項を衆参両方で2/3以上で可決する必要がありこれを見据えて我々も考えて行かなければ、と。

山口もえ 当分は安全運転、ですか?
安倍首相 よくそれは聞かれるんですが、私は暴走運転はしないんです(笑)。

宮崎哲弥   安全運転と言われるが、金融政策については極めて大胆な政策を打ち出されていますよね。去る11日の日経新聞一面に、日銀の目標理念として、雇用の最大化も入れるべきだとの報道がありました。金融政策が実体経済に働きかけるような運営を望まれるとされていました。 現在の日本の失業率は4・数%。低いように思われますが、これは雇用調整助成金によるもので、隠れ失業者を創り出しているため実際の失業率は8%台に高止まりしているのではないか、というような報道もあり実は非常に高い水準なんですね。 失業率を適切な水準、日本ではずっと2,3%だったわけですからそういった失業率を目標とすることが望ましいと思うのですが。
安倍首相 日銀は、今までは物価の安定だけ、だったんですが、今後は物価の安定目標(宮崎「インフレ目標ですね」)を2%として明文化し、それがうまく行かなければ責任をとってもらう。そしてもう一点は、実体経済にも責任を持ってもらう、ということで、雇用の最大化にもちゃんと責任をもって貰いたいと思います。そのためには日銀法を改正するかどうかはともかく、自民党の中では変えていこうとしています、ただそれを視野にはいれていますが、金融政策決定会合がありますから、そこで彼らが何をするのかしっかりと示して貰いたいと思っています。

宮崎哲弥  4月までには次の日銀総裁・副総裁が決まりますが、これはどのような人がふさわしいのでしょう。
安倍首相 10年以上ずーっとデフレが続いてしまっています。 ただこれまでずーっとデフレで、人々の間にはデフレ期待が定着してしまっています。 こびりついたデフレ期待をインフレ期待に転換するというのは簡単なことではないですし、これまでのやり方ではダメだったんですね。 であれば、これまでにない大胆な方法、次元の違う方法でなければダメなんです。それが乱暴だと随分批判もされました。 日銀の独立性を犯しているのではとも言われました。だからこそ、思い切った金融政策を実施できる人でなければいけません。
辛坊治郎 具体的な人選は進んでいますか?
安倍首相 まだ今の段階では具体的な人名まではないですね。15日に金融の専門家の学者さんたちにも意見を伺いながらイメージを作って行きたいなと思っています。
辛坊治郎 経済再生諮問会議に竹中氏が入るなど、オールスターキャストになっていますがあれは基本的には安倍さんが?
安倍首相 基本的には私が決めました。いろんな方々に相談しながらね。
山口もえ 首相になられて、ますます後光が輝いていますよ(笑)。

竹田恒泰 大多数の皇室を愛する国民を代表して、安倍さんが皇室を守っていただきたい、と。もし安倍さんが守っていただけないとなると、もう(皇室の)将来はないんじゃないかと僕は心配しています。今回二回目の首班指名を受けて、宮中に進まれる時、何か心情の変化などはありましたか。
安倍首相 国会で首班に指名されます。 これはまさに民主的な方法で指名を受けるんですね。  で、その後宮中で天皇陛下から親任を受けます。親任式、というんですね。首班指名では民主主義的な手続きを経て国民の代表になったという責任感を持つんですね。 そして宮殿に行って、陛下の前で信認をされることによって、日本の長い長い歴史と伝統の中で、国民のために尽くせと。これで新たな使命を賜ったという気持ちになります。   これが日本なんだろうと思います。

辛坊治郎 二回目という話がありましたが、二回目だからこそ、思うことというのも沢山あるんだと思うんですが。
安倍首相 私の祖父の岸信介ももう一回やったらうまく言っただろうというようなことを言っていました。そこで一回目やった時にうまく行かなかったことはこの5年書き留めてきました。 こういう反省点を活かせるというのは二回目の大きな利点なんだろうなと思います。

津川雅彦 多忙に見えますが、現在体調はいかがですか。
安倍首相 現在体調は絶好調です。 あの病気(潰瘍性大腸炎)難病指定になっていまして、完治はしないのですが、日本でも特効薬が外国に10年遅れて認可されました。 先生にも絶対大丈夫と折り紙をつけて頂きました。 以前はお酒も飲めなかったのですが、今は適量なら飲めるようになりました。

金美齢  前回第一次内閣の時にはマスコミのバッシングが酷かったですね。  前回批判があったお友達内閣というのは極力避けたんですか。   今回の安倍さんの最大の良さはスピード感ですよね。 ただ少し飛ばし過ぎかもしれませんよね。

辛坊治郎 飛ばしすぎと言うよりも、ある意味期待先行という部分がありますよね。円が安くなって、株が高くなって。
安倍首相 ですから、期待に沿って結果を出して行かなければならないな、と。 特に東北の復興については目に見える形にしていくことが大切なんで。

辛坊治郎 為替でいえば、安倍さんが首相になったことが大きかったとは思いますが、為替のトレンドが5年以上続いたことはなかったので、何らかのきっかけで反転する時期でもあったのかもしれませんが。
安倍首相  財務省が日銀と一緒に為替介入をしていますが、これは余りうまくいかないんですよ。為替では何兆円かの損失を被っています。ですから、中央銀行が本格的に金融政策を変えた、ということでなければ、世界の投資家もポジションを変えませんよね。
宮崎哲弥 本当はそういったことは日銀総裁がやらなければならない。でも日本の場合日銀総裁は余り信認がないから、安倍さんがそうおっしゃると皆がそう動いていく。
加藤清隆 今の日銀総裁がひどすぎるんですよ。 あんな無能な者をいつまでもやらせておいてはダメなんです。日銀総裁を切るだけでもっと円安になりますよ。
安倍首相 (微笑)

加藤清隆 対中牽制策について。その最大のキーポイントはロシアだと思うんです。遠交近攻理論から言っても、プーチン大統領と早く会談をやって、できることなら北方領土にケリをつける、三島なら三島で私は構わないと思っているんです。早く日露平和条約を結んで、対中国の牽制策を日露で考える、こういうことも可能だと思うんです。
安倍首相 日本の今世紀の最大の外交課題は、対中関係をどうするかということです。 その時に日中間だけを見ていく、以前は二国間関係だけを考えていたんですが、これは間違っています。周囲全体を見ながら俯瞰していくことが大事です。日米関係を修復していく。 またアジアの国々との関係を強化していく。経済だけでなく安全保障・エネルギー政策でも関係強化をしていく。 日ロ関係というのはまだ平和条約が締結されていませんから、経済関係でも人の交流でも低調なんですね。しかしポテンシャルは非常に高い二国間関係ですから、安倍政権のうちに、目に見える形で改善したいと思っています。

辛坊治郎 森喜朗氏が早速ロシアを訪問して北方領土の交渉をするんではないか、という話がありますが。
安倍首相 森元総理が直接交渉することはありませんが、私の特使としてロシアを訪問して欲しいと思っています。その中で私のロシアに対する思いを伝えてほしいと思います。
辛坊治郎 政権を担当していらっしゃる時に北方領土返還となれば本当に大きな成果だと思います。
安倍首相 プーチン大統領は強い権力を掌握していますから、そういう人物でなければ、北方領土返還といった思い切ったことはできないと思います。 

加藤清隆 安倍総理拉致問題について、自分の代で決着をつけるとかつて言っておられたと思いますが。
安倍首相 私も責任を痛感しています。   金正日から金正恩に代替わりしてある意味チャンスかもしれません。 ただ我々が焦っていると思われたら相手の思うつぼなんですね。 その中で私は結果を出して行きたいと思います。

辛坊治郎 安倍さんは保守系とみなされていて、今日の論客もみな保守系ですから余り批判しないんですが、例えば竹島の日を設けて、靖国に参拝するといったある種公約に近い話がありましたが。
安倍首相 前政権での反省点としてはいきなり100点を目指そうとしても出せないんですよね。却って重心が高くなって転んでしまうんです。戦後体制からの脱却という点では変わっていませんが、そのためにも腰をじっくり据えて、成果を出し、国民の皆様の信頼を勝ち得ていく中でやるべきことはやって行きたいと思っています。 また外交でも中国に対してどのような対応をしていくというのが最大のテーマですから様々な戦略を進めて行きたいと思っています。    

安倍首相 スケジュールの関係で退場。 

安倍首相、前回の第一次安倍内閣に比べ、安定感が増していますね。 経済政策のみならず、外交政策なども無理はせず、横綱相撲で相手を圧倒する感じです。
第二次安倍内閣には大いに期待できそうです。これなら平成の暗い世相も吹き飛びそうですよ。

*1:首都圏では本音でしゃべると検閲が入るとかで、この番組は非首都圏で放映されています。

*2:シェイブテイル‏注:国会同意人事に3分の2の規定は適用されません。参院でも過半数を得る必要があります。 1/11の日経新聞記事によれば、自公は参院で102議席で、現状の過半数には16足りません。11のみんなの党、2の新党改革の協力を得たとしても、なお及びません。参院で3つの議席を持つ維新の動向は、決定的に重要となります。従って、維新の会に出向いた理由は、デフレ脱却に積極的な日銀総裁の同意人事で維新の賛同を取り付け、参議院でも過半数を確保するためだった可能性があります。