シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

「国民1人当たり830万円詐欺」には気をつけよう

報道によれば、財務省から6月末時点での「国の借金」について昨日新たな発表があったようです。

 財務省は10日、国債と借入金などの残高を合計した「国の借金」が6月末時点で1053兆4676億円になったと発表した。

 3月末時点から4兆1015億円の増加で、不足する税収分を賄う国債の発行額が増えた。7月1日時点の人口推計(1億2699万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約830万円になる。

国の借金1053兆円=1人当たり830万円―6月末 
     時事通信 8月10日(水)17時58分配信


ほぼ同様の報道は同日、日経新聞朝日新聞産経新聞からも報じられています。

改めていうまでもないことですが、日本の国自身は対外資産が340兆円と世界一であることはこれらの報道機関自身が報じていますので、「国の借金」1053兆円という報道は誤りであり、正しくは「政府の家計などに対する負債が1053兆円」であり、報道とは逆に「国民1人当たり830万円の借金を政府が抱えている」という表現が正しいことになりますね。

その根本的間違いを一旦おくとしても、政府の債務1053兆円を「国民1人当たり830万円」と報じられていることを世界的企業トヨタに置き換えてみましょう。

直近の決算では、トヨタ自動車は売上28兆円、従業員35万人で、有利子負債よりも利益剰余金・現金同等物・株主資本を合わせた金額が多い、実質無借金経営をしています。

ただ、負債はないわけではなく、ないどころか、負債総額は29兆円もあります。
ということは、実質無借金の優良企業トヨタ自動車でも、従業員1人当たりにすれば85百万円もの借金を抱えていることになります。

もしある日、トヨタ自動車の社長が従業員に「あなた達従業員は現在85百万円もの借金を抱えているので、将来の従業員にツケを残さないために、給料から8%、2年後からは10%を天引きして借金を返済します。」と発表したら、従業員は全員、社長が気が触れたと思うことでしょう。

財務省時事通信日経新聞朝日新聞産経新聞など報道各社は、これと同様に、世界一おカネを海外に貸している無借金経営の日本について、気が触れたとしか思えない内容の報道を毎度毎度繰り返し、消費税増税が必要と唱えています。

本当にこれらの人々が気が触れていて日本は破綻寸前と信じているのならお気の毒なことで、としかいいようがないのですが、気が触れて財政破綻を信じている人たちが、ちゃっかり3年連続の公務員人件費増額を決めたり、消費増税時には新聞への軽減税率を求めたりもしないと思うんですが。

皆さんも、横行する国民1人当たり830万円詐欺には騙されないよう、十分気をつけましょう。