シェイブテイル日記2

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マスコミさん、なんで今日は円が買われているの?


今日はギリシャ危機に加え、中国株の大幅下落、こちらはほぼバブル崩壊といって良いような外部環境から円が主要通貨全てに対して買われています。
多くのマスコミは、こうしたリスクオフ局面での円買いについて単に「比較的安全といわれる通貨円が買われています。」と説明します。

ただ、よく考えてみると、この説明は不十分としか思えないものです。

日銀券は主に政府が発行する日本国債を裏付けとして発行されています。
昔の兌換券は政府保有の金を裏付けに発行されていて、請求があればいつでも金に換えることができました。

現代の不換紙幣、日銀券は日本国債には兌換こそされませんが(もちろん日銀に兌換を請求せずに市場でなら買えます)、裏付けの位置が金から国債を主体とする日銀資産に移ってることは確かです。

その日本国債については、マスコミからは「近い将来、家計資産では賄えなくなる」「緊縮して減らすべき」などなど、緊縮財政に肯定的な意見が聞かれます。

それならなぜ、日本国債などを裏付けとする現在の日本円は主要通貨全てに対して買われるのでしょうか?
それは市場参加者が現在の、財政健全性指標が200%を超えた日本の通貨が、実は世界一安全と評価している証ではないでしょうか。

財政健全性指標は政府債務残高÷名目GDPです。 

実は日本の場合、主要先進国平均よりも政府債務残高の伸び率は小さいのです。
欧米主要国でも、過去30年ほどでは年間8-10%ほど政府債務残高は伸びています。 これに対し、日本は同じ期間で年率6%ほど。 2000年以降に限れば、わずかに4%足らずです。

要するに政府支出をずっと抑制する結果、政府債務残高の伸びも低いが、それ以上に諸外国より名目GDPが伸びない状態が、日本の財政健全性指標200%に表現されているだけなんですね。

現在の日本はギリシャの対極で、黒田日銀による量的質的緩和も、ベースマネーを2倍超にする超緩和状態でも、物価・景気への効果は限定的で、更なる金融緩和が必要かと市場では言われ始めています。
今こそ存分に政府支出を拡大し、名目GDPを伸ばすと同時に、財政健全性指標も改善すべき時なのです。

もしそうは思わないという(特にマスコミ)の方がいらっしゃるなら、反論を期待したいところです。