シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

選挙否定の国際公約

最近のマスコミによれば、財政再建・消費税増税国際公約だとか。
以前はそれほど国際公約国際公約言っていなかったように思います。

図1はグーグル検索による年別の”国際公約”ヒット数です。

国際公約”が急増し出したのはここ3年

図1 グーグル検索”国際公約”ヒット数推移
民主党政権以前には国際公約が話題にのぼることは限定的だった。

2005年以前の国際公約といえば、日本はプルトニウムを持たないという話くらいでした。
2007年に第一次安倍内閣で、インド洋での給油活動が国際公約だ、という話も出てきます。
2009年に鳩山首相(当時)が、国連で温暖化ガスの25%削減を国際公約として表明しました。
この件は東日本大震災後の原発停止で、その後は沙汰止みとなっています。

さて問題はその後です。
2009年の衆議院選挙中、鳩山代表は、消費税を4年間上げることはない、といって選挙を戦いました。
ところが2011年、民主党から財政再建・消費税増税について国際公約として唐突に出てきます。 

与謝野氏は「財政健全化目標は半ば国際公約。(増税時期の)2015年度と、(税率)5%アップという数字は堅持すべきだ」と強調した。野田佳彦財務相も同日の会見で「具体的な時期や率を明示するのが筋だ」と同調する考えを示した。

与謝野氏「増税時期と税率、堅持を」野田氏も同調   朝日新聞2011年6月28日

安住淳財務相は20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議で、消費税率を5%引き上げるための関連法案を来年の通常国会に提出すると説明し、日本の財政健全化の取り組みに理解を求めた。
 消費税の増税をめぐっては、景気への悪影響などを理由に与党の民主党内にも反対論がなお残る。今回、安住財務相が期限を示して消費税の増税国際公約したことで、今後の国内の議論に影響を与えそうだ。
安住財務相、消費税5%上げを国際公約 G20会議  日経新聞2011年10月15日

 11月3、4日にフランスのカンヌで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で、野田首相が各国首脳に対し、2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げる方針を表明することが27日、分かった。会合で採択する文書にも明記、事実上の国際公約とする。
野田首相、消費税10%を国際公約へ G20首脳会合で表明 共同ニュース2011年10月27日

この流れを受け、Twitterでは。

国際公約で国民の信を得ていない立法をはかることは国民主権を干犯することになりません?
中川秀直事務所 ‏@nakagawajimusho   2011年11月3日

野田首相が「目玉」としていた「消費税増税国際公約」も海外メディアでは扱われず、日本国内だけで空騒ぎをしています。「消費税増税」は、国際会議の場で取り上げるべき「国際貢献」ではなく、「財務省貢献」でしかありません。
守山真@経済をつぶやきたい ‏@econody  2011年11月6日

こうした批判を浴びて、野田首相(当時)は帰国後こう弁明しています。

 野田佳彦首相は7日の衆院本会議で、フランス・カンヌでの20カ国・地域(G20)首脳会議で消費税率の10%への引き上げを表明したことについて、「国内で方針として示したことを国際社会で説明し、アクションプラン(カンヌ行動計画)に入れた。できなかったら責任を取るという話はしていない」と述べ、「国際公約」ではないと強調した。野党が求める消費増税関連法案の提出前の衆院解散・総選挙に応じない考えも重ねて表明した。

 首相は来年3月までに関連法案を提出する方針だが、衆院解散の時期に関し「法案提出後は成立に全力を尽くし、(増税)実施前に総選挙で民意を問うのが筋だ」と指摘した。
消費増税国際公約ではなく「説明」 野田首相  産経ニュース2011.11.7 21:49

消費増税国際公約して帰国後はその火消しに追われた野田首相でしたが、結局社会保障制度とは切り離した消費増税3党合意を主導します。

 民主、自民、公明3党は15日夜、社会保障と税の一体改革関連法案をめぐる修正で合意した。自公両党は同法案に賛成する方向で、現行5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる法案は成立に向けて大きく前進する。野田佳彦首相は20日にも自公両党との党首会談を検討。今国会の会期末の21日までに衆院で採決したい考え。
一体改革、3党合意 消費税率上げへ前進  日経新聞2012年6月15日

さらに、自民党に政権が移った後でも。

麻生太郎財務相は19日夕(日本時間20日早朝)、米ワシントン市内での講演で、
今年半ばに「中期財政計画をまとめる」と国際公約した。2014年4月の消費税増税についても「予定通り引き上げる決意だ」と明言した。
麻生氏は、講演直前に閉幕した主要20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議の共同声明で、「日本は信頼に足る中期的な財政計画を策定すべきだ」と名指しの批判を受けた。このため、麻生氏は従来以上に踏み込んだ。
財政再建へ工程表づくり 麻生財務相国際公約 朝日新聞デジタル 2013年4月21日

さて、突然ですがここで問題です。2011年以降の「消費増税国際公約」に登場した、与謝野氏、安住氏、野田氏、麻生氏に共通することは何でしょう。
答えは言うまでもないですが、全員財務省ポチたち関係者ということですね。

最近のシリア情勢悪化といったリスクオフの流れでは、円貨はドルよりも買われる安全資産です。 また日本国債は歴史的な低金利にあり、現実の日本では財政危機のきの字も見当たりません。 その日本国債は日本国内で9割以上を保有されています。

債権者でもない国際社会に向けて国内選挙では言わなかった国際公約をしたから、国民はそれに従え、というのであれば、もはや選挙などは不要でしょう。
そうは思いませんか、財務省さん。