シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

ネバダ・レポートで国民を脅かした五十嵐氏の最後

2002年、国会で有名となった報告書があります。ネバダ・レポート
これによれば日本がIMF管理下に入れば、公務員とその給与・年金大幅カット、退職金ゼロ、国債利払い停止、消費税大幅アップなどが強いられるといった極めてショッキングな内容でした。

2002年の国会では、民主党五十嵐文彦氏がこのネバダ・レポートをもとに小泉内閣閣僚の財政再建姿勢を追求しました。

○五十嵐委員  私のところに一つレポートがございます。ネバダ・レポートというものです。これは、アメリカのIMFに近い筋の専門家がまとめているものなんですけれども、この中にどういうことが書いてあるか。
 ネバダ・レポートの中でも、昨年の九月七日に配信されたものなんですけれども、IMF審査の受け入れの前に、小泉総理の、日本の税収は五十兆円ほどしかない、今の八十五兆円を超える予算は異常なんですという発言があります。これを大変重視して、当然だと言っているんです。
 同時に、九月上旬、ワシントンで、私、柳澤大臣と行き会いましたけれども、そのときに、柳澤大臣が記者会見をワシントンでされていまして、IMFプログラムを受け入れるという発言をされていますね。これは御確認をさせていただきたいんですが、そのとおりですか。

○柳澤国務大臣 IMFのFSAP(筆者注:IMFによる金融セクターの安定性評価プログラムFinacial Sector Assessment Program)これは受け入れます。これはもともとがG7の国で発案をしたものでして、それをいつやるかということを我々も考えておりましたが、我々の方はペイオフという大事業があるので、生まれたばかりの役所でマンパワーがとかく不足であるというようなこともありまして、少しそのタイミングを見計らったということが背景で、今回、そういうことを正式に表明したということでございます。

○五十嵐委員 極めて狭い意味、いわゆる金融のIMFによる検査という意味で柳澤大臣は使われているんですが、IMFの方では、金融面のプログラム、それは検査だけではないと思いますが、いわゆるIMFのプログラムの中には、金融面とそうでない部分があるんですね。主に我々も金融面をとらえているし、その検査も含めて、柳澤大臣も金融面のことを頭に置かれているというふうに思うんですが、このネバダ・レポートの中ではこの二つの発言を評価しておりまして、これが当たり前なんだということを言っております。つまり、バランスバジェット、収支均衡というのが極めてIMFでは重視されるんだということを言っておりまして、もしIMF管理下に日本が入ったとすれば、八項目のプログラムが実行されるだろうということを述べているのであります。手元にありますが、その八項目というのは大変ショッキングであります。


1.公務員の総数、給料は三〇%以上カット、及びボーナスは例外なくすべてカット。
2.公務員の退職金は一切認めない、一〇〇%カット。
3.年金は一律三〇%カット。
4.国債の利払いは五年から十年間停止。
5.消費税を二〇%に引き上げる。
6.課税最低限を引き下げ、年収百万円以上から徴税を行う。
7.資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の五%を課税。債券、社債については五から一五%の課税。
8.預金については一律ペイオフを実施し、第二段階として、預金を三〇%から四〇%カットする。

大変厳しい見方がなされている。
これはどういうことか。そのぐらい収支均衡というのは大事なんだ、経済を立て直すためには極めて大事なんだということを、世界の常識となっているということを示しているわけであります。
こういう認識をお持ちになっているかどうか、財務大臣竹中大臣、伺いたいと思います。

塩川国務大臣 数字の面でいろいろ議論ございますけれども、私は、今おっしゃったような厳しい認識は持っております。
○竹中国務大臣 短期的に常に均衡させることが重要かどうかということについては、当然のことながら議論が御承知のとおりありますけれども、長期的にやはり持続可能であるためには、それはまさにプライマリーバランスを均衡させなければいけないと強く思っております。

    衆議院予算委員会  2002年2月14日(木曜日)

ネバダ・レポートで書かれたように、日本がIMF管理下に入らざるを得ず、公務員とその給与・年金大幅カット、退職金ゼロ、国債利払い停止、消費税大幅アップ、課税年収限度引き下げ、資産課税、となれば大変です。

 実際、1997年にウォン暴落に見舞われた韓国はIMF管理下に置かれ、「財政再建」・「金融機関のリストラと構造改革」・「通商障壁の自由化」・「外国資本投資の自由化」・「企業ガバナンスの透明化」・「労働市場改革」を求められ、政権交代財閥解体などを経て2001年に195億ドルをIMFに返済しました。

 ただ、ちょっと変ですよね。

日本ではIMFから別にドルを借りる必要もないし、日本は出資比率世界第二位でIMFに出資している立場です。ドル不足に陥った1997年の韓国とは全く逆の立場です。

またもし、IMFが日本政府に日本円を貸そうにもその日本円は日本から借りるか、貰うか、IMFが日本国内で自分で稼ぐしかなく、日本に貸そうにも貸せません。1000兆円政府に借金があるとはいっても、その債権者は日本国民です。

IMFが日本国民を回ってその金融資産1500兆円の大半を借り、政府はそれを又借りして、国民に1000兆円を返済するのなら、マネーはグルっと回っただけで元通りです。(国民が政府に貸すかIMFに貸すかは違いますが)

五十嵐氏も年をIMFに近い専門家から受け取ったとは言うもののIMF、とは言っていません(現在、IMFのウェブサイトを検索しても、また英語でIMF "nevada report"でググってもオリジナル文書については何も出て来ません。)

IMFの業務は次の通りです。*1

加盟国の経常収支が著しく悪化した場合などに融資などを実施することで、国際貿易の促進、加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大、為替の安定、などに寄与する事を目的としている。 また、為替相場の安定のために、経常収支が悪化した国への融資や、為替相場と各国の為替政策の監視などを行っている。各国の中央銀行の取りまとめ役のような役割を負う。

世界一の経常黒字国・日本に日本円を貸すことは、明らかにIMFの業務から外れています。
要するに、ネバダ・レポートとは出所不明の怪文書というやつで、誰が何の目的で作ったものかわかりません。

ただ、こうした怪文書を議員に渡してでも、財政再建への賛意など何らかの効果を期待する勢力がいることは間違いないのでしょう。 これは現在の日本で、税収が減る恐れが高い消費税を強く推進するマスコミの姿勢につながるものを感じます。

 今日の報道によれば、ネバダ・レポートで世間を騒がせた五十嵐文彦氏(衆議院落選、参議院落選)は、公職選挙法違反で書類送検されたと報じられています。

 7月の参院選比例代表で落選した民主党五十嵐文彦衆院議員(64)が公示前に投票を呼び掛ける文書を配ったとして、滋賀県警は13日、公職選挙法違反(事前運動、法定外文書頒布)容疑で書類送検した。
    公職選挙法違反:五十嵐前衆院議員、容疑で書類送検 
     毎日新聞 2013年08月14日 東京夕刊


    元財務副大臣五十嵐文彦
    怪しい文書を配るのが好きな人?