シェイブテイル日記2

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安倍晋三氏、そこまで言って委員会で持論を展開

 次の総理となる可能性が少なくない安倍晋三氏の発言は注目されるところです。今日のそこまで言って委員会には、自民党安倍新総裁が登場し、パネリストらの質問に安倍氏本人が答えていました。

Q.いつから総裁選への出馬を考えたか。
A.はっきり決めたのは9月12日。 総裁選で3位の予想があり、派閥の長の町村氏も出るということで、妻以外の家族は出馬に反対していた。 その後尖閣問題で中国でデモが広がった時、自分の主張を国民・海外に向かって発信していこうと考えた。 中国は自国の立場が弱い時には棚上げ論を持ち出し、自国の立場が強くなると、実力で解決しようとする。

Q.消費税増税法案の附則18条に、「経済状況などを総合的に勘案した上で、その施行の停止も含め所要の措置を講ずる。」とあるが、消費税増税を停止することはあり得るか。
A.今のデフレ状況が続くのであれば、附則にそう書かれている以上、施行停止という措置を考えないといけない。 ただ、そのためにこそ我々は政権をとろうとしている。
世界的にみて、金融政策というものが政策の重要な手段となっている。FRBもECBも通貨を刷って経済を支え、自国通貨を安くして、株価にも働きかけをしてる。日本のみがリーマン・ショック後の安値のまま推移している。 日銀と調整をしながら、デフレを脱却するような施策をとって行かなければならない。


Q.石破幹事長をうまく使いこなせるのか。
A.これまで石破幹事長と親しく話したことはほとんどなかった。 しかし、あの人にはチャーミングなところがあり、女性にも意外に、といってはいけないが、人気がある。また演説の説得力は高いし、また防衛政策にも詳しい。 農林政策も経験し、何と言っても今回党員投票で過半数を得た。今後もいろいろと話し合って行こうと思っている。

Q.橋下氏と意見が合うところ、合わないところは?
A.橋下氏はパワーがあり、大阪の行政ではそれなりの実績を作ってきている。今ある壁を突き破る力、情報発信力もあると思う。憲法改正は私のライフワークだが、まずは96条から改正していこうというところは共通している。
一方、維新八策の中には、「これは違うな」と思うところもある。例えば、消費税を地方に渡していくとなれば、その税収は都市部に集中していくことになる。国土を全体として維持していくという意味においては、その政策ではなかなか難しいと思う。


Q.日本維新の会との関係はどうするのか?
A.まず自民党として過半数をとることが先決。

Q.解散の確約がないと、特例公債法案を通さないのか。
A.普通であれば、政権与党は特例公債法案を通さなければ支出がうまく行かなくなるので、いつまでに臨時国会を開こう、そのために党首会談をやろうという話になるのに、現在の民主党の場合、何も言ってこない、という驚くべき状況になっている。特例公債法案を通すというのは政府の責任。現在はかれらがこうしよう、と言ってくるのを待っている状態。

Q.従軍慰安婦問題での河野談話は破棄すべきでは。
A.河野談話閣議決定したものではない。 私が総理だった時に、質問主意書に対して「強制連行を裏付けるものはなかった」ということを閣議決定して答弁書を出している。 これが政府として正式に閣議決定したものだが、これが国内的にも国際社会にも知られていない。

Q.憲法改正問題について。
A.私が憲法を改正しないといけないと思う理由は3つある。 ひとつは今の憲法は当時のGHQ進駐軍の手によって作られたものであること。 第二点はこの憲法ができて60年以上が経過し時代にそぐわないものになってきていること。 三番目に、自分たちの憲法は、自分たちの手で書いていく。それによって真の独立を勝ち取ることができるということ。

戦後の憲法改正回数は、米国6、フランス27、ドイツ58、日本0。
日本だけが憲法改正が行われなかった理由のひとつが憲法第96条で、「衆参両院とも、国会議員の三分の二以上の賛成がないと憲法改正を発議しない」とされている。私は「三分の二」を「二分の一」にしないと、国民が真剣に憲法改正について議論ができないと思う。 現在は議論が不可能な状態と言ってもいいと思う。*1

 パネリストからの答えにくい質問にも丁寧に回答する安倍氏に、金美齢氏は真面目過ぎると評していましたが、5年前の政権を投げ出したころに比べると、安定感が増したように感じられました。
 消費税増税問題にも現段階から景気優先の姿勢を打ち出し、憲法改正問題に対しても、また尖閣問題を初めとする外交問題に関しても、現実を直視した政策を述べておられて、現在の政界では政権を任せられる人物はこの人をおいていないという印象を強く受けました。

*1:今年4月、自民党は第二次憲法改正草案を発表。 第一条改正案では天皇を日本国の元首とし、第九条改正案では集団的自衛権の行使容認を明確化。自衛のための戦力を「国防軍」と明記している。