シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

消費税増税を主導したのは誰が何のためだったか

今朝の日経新聞は小さな記事で財務省勝栄二郎次官の退任を伝えています。*1

財務省勝栄二郎次官(62、写真)が月内にも退任する見通しとなった。10日の消費増税法の成立を受け安住淳財務相が近く交代を認める方向だ。… 勝氏は退任の意向を財務相らに伝えたもよう。… 勝氏は1975年(昭和50年)に旧大蔵省(現財務省)に入省。主計局長などを歴任し、09年の政権交代に伴う予算編成手法の組み替えなどを支えた。10年7月に次官に就任。8月で就任3年目に入っていた。

 この勝栄二郎氏が今後の日本経済を大きく毀損するであろう消費税増税の司令塔であったことはよく知られています。*2
 ただ、私を含め、人は物事をすぐに忘れてしまうもの。
この消費税増税問題を陰でリードしてきた勝栄二郎氏退任というタイミングで、デフレ下の増税に苦しむ数年後に向けての備忘録として誰たちがどんな背景で勝栄二郎氏の意を受けて消費税増税を牽引していったかを記しておきたいと思います。

1.政治家
(1)民主党
野田佳彦:ご存知の通り、首相として、民主党マニフェストになかった消費税増税に「政治生命をかけた」政治家です。
藤井裕久:年金制度改革という建前と消費税増税という本音とを切り離し、増税三党合意に道を開くと同時に、日本の政党政治を根幹からおかしくしました。*3
菅直人:2010年1月に突如消費税論議を始めるとし、その後野田佳彦財務大臣に据えるなど民主党増税与党に転換させました。また2010年1月から2月のの菅財務大臣増税転換を境に、マスコミも堰を切ったように、増税擁護論をぶち上げ始め、世論誘導を始めました。*4
与謝野馨仙谷由人前原誠司安住淳:与謝野氏は民主党議員でスタートしたわけではないですが、死肉にたかるハイエナのように、増税の悪臭に引き寄せられるように政権に近づくという不思議な人です。 仙谷・前原・安住の三氏も消費税増税に前のめりですが、確信犯的というより経済の常識がない政治家という方が近いのかも知れません。
衆議院増税に賛成票を投じた議員一覧
次の選挙では、次のリンク先のサイトを是非活用しましょう。
選挙で使える。消費税賛成議員リスト。主に民主党。(随時更新中) Cswiki

(2)野党
谷垣禎一自民党総裁。 民主党野田佳彦氏と共に、財務省のポチとして増税に大きく寄与しました。
 特筆すべきは、最大野党として内閣不信任案を提出して野田内閣を打倒するか、増税内閣を信任するかの分かれ道にあたり、「近い将来解散」を「近いうちに解散」という文言をのんだふりをして、自民党内身内さえ騙し、来秋まで民主党が政権を手放さないことを承知の上で、政権をとることよりも増税を優先したことです。*5

この調子で書いていたらキリがありませんので、以下氏名・組織名を中心に、特記事項だけ記載します。

2.マスコミ
戦時中の大政翼賛会よろしく、世論を増税止むなしに引っ張ろうとしました。特に目立ったのは
読売新聞:前財務省事務次官丹呉泰健氏を本社監査役に迎え、増税に積極的な論陣を張っています。また読売新聞の世論調査ではなぜかいつも他社よりも増税賛成者比率が高いという特徴もあります。
・日経、朝日新聞NHK毎日新聞など: 日経新聞は、経済界の意見をリードするべき立場であるのに、一貫して財務省発信情報、御用学者情報の伝達に努めました。
 マスコミの消費税増税問題に対する態度を逆にいえば、新聞界では産経新聞の田村秀男論説委員赤旗位が消費税問題をデータ立脚で正しく伝えようとしている位です。*6

3.学界、経済評論家など
伊藤元重、伊藤輶敏、清家篤、池尾和人、田中直毅、小黒一正、池田信夫村尾信尚(財務省出身で、現在日本テレビ系列「NEWS ZERO」のメインキャスター)、といった書ききれないほど多数の面々。

4.財界など
・日経連、経済同友会:これらの経済団体は、「消費税増税と引き換えに法人税減税を」と主張しますが、彼らの中核企業は海外売上高比率が高い企業でもあり、消費税率が高くなれば輸出戻し税の益税で、トヨタのように1円の消費税も払わないどころか益税が増える立場だったりします。つまり消費税増税で儲かり、法人税減税でも儲かるということですので、ある意味主張に理解できる部分があります*7 *8
日本商工会議所: 不可解なのは傘下に中小企業が多い日本商工会議所です。 どう考えても中小企業にとっては消費税増税問題は死活問題であるにもかかわらず、日本商工会議所は現在の会頭になった時から消費税に寛容な立場に変容し、これが消費税増税に弾みがついたとされています。*9
・連合:民主党に多数いる中間派(旧民社・社民系など)は、消費税増税に慎重な議員が少なからずいました。ところが、日本労働組合総連合会(連合)が消費税増税に賛成するよう求めた結果、雪崩をうったように賛成に回ったとされています。*10

 こうして見てきますと、国民の方を向いて消費税増税を唱える者は皆無といっても過言ではなく、今回の消費税増税賛成者は財務省を頂点とし、私利私欲・ポジショントークにより増税に与した者たちばかりであったと結論できるでしょう。