シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

民主党議員の消費税への態度の変遷

改めて言うまでもないことですが、消費税が増税されれば景気には大きな影響を与えます。その影響の出方は経済モデルを使ってシミュレーションすることが可能です。 宍戸俊太郎・筑波大学名誉教授のマクロモデルDEMIOS、日経NEED、電力経済研究所の各モデルでは、消費税を10%に上げると、GDPは4から6%毀損するという予測が出ています。(図1 )*1
図の中で唯一内閣府のモデルでは消費税増税の悪影響が徐々に消失するという、説明のつきにくい結果になっていますが、それはさておき、これらのマクロモデルの結果はデフレの現在、消費税を上げる愚を如実に示しています。

図表1 消費税増税が日本経済に与える影響の予測

 こうした情報は国会内でも度々取り上げられていて、消費税が上がれば景気が落ち込むということを知らない国会議員はまずいないと考えて良いのでないでしょうか。

そこで改めて民主党衆議院議員)で昨年の代表選立候補者とリフレ政策支持者について消費税増税に対する意見をまとめてみました。(図表2)

民主党著名議員の消費税増税への賛否

野田首相が選挙前にはシロアリ退治が済むまでは消費税増税はあり得ないと街頭で大声を張り上げていたのは有名です。
中間派の鹿野氏の腰の座らなさは呆れるほどです。
ただ、野田・鹿野・前原・海江田といった面々は経済関係に造詣が深いといった印象はないですから、これらの議員が増税に傾いてもある意味では致し方ないとも言えましょう。

気になるのはやはりリフレ派を名乗る議員の態度です。
リフレ派議員は消費税がどれだけ日本経済に悪影響があるかは十分認識してる筈です。
リフレ派議員は消費税増税採決の前後、このようなコメントを出しています。(順不同)

馬淵澄夫議員】
(消費税増税法案に賛成したことに)
 「悩み抜いた。まず、有権者付託を受けた立場として、棄権はありえない。私は、いまの経済状況で消費税を上げるべきではないという立場だ。しかし、組織で決まったことには従わないといけない。それ以上に与党議員として、2年後の増税の前に『名目3%、実質2%の成長』という景気条項を満たすため、必ず経済を上向かせるという重い約束を背負ったと思っている(2012.07)

小沢鋭仁議員】
消費税法案の採決、棄権しました。政策的にはぎりぎり容認できると思いましたが、前回の選挙ではやらないと言ったわけで、政治的責任論から賛成まではできませんでした。棄権は中途半端と言われるかもしれませんが、考えぬいてこれしかないと判断しました。(2012.06)

宮崎岳志議員】
私たち消費税法案の採決で反対・棄権した一期生議員13人は6日、政局や権力闘争とは一線を画して、政策本位で消費税法案の修正などを目指す「真の一体改革を実現する一期生の会」(真実の会)を結成しました。(2012.07)

網屋信介議員】
経済成長、ムダの削減(予算の組換え)、消費税アップも同時並行で行っていかなければならない(2011.08)
私は、民主党執行部に対し、造反議員に対する厳重な処分を求めます。(2012.07)

松原仁議員】
 この年末もずいぶんと紛糾した消費税論議についてですが、私は副大臣になる前は党の税調において、徹底的して、デフレ下における増税に反対、また名目の経済成長が明快にならない状態における増税に反対を主張してきました。(2012.01)
今回の法案を官僚作文の典型という人もいますが、一般の人の目線で『経済状況を好転させることを条件』という表現を読めば、“景気の好転なくして増税なし”としか解釈できません。だから、私は署名しました。もし、消費税引き上げのタイミングで景気が好転していなければ、自信を持って増税に反対しますよ(2012.04)

棄権された議員のコメントからは苦悩の姿が浮かんできます。
それに対し、馬淵議員と松原議員のコメントからはやはり政権に取り込まれたという印象が拭えません。
そして最も奇妙に思えるのが網屋議員。 リフレ派ということなのに、増税積極派。そして、造反議員に厳重処分を求める、ですか。 デフレ派議員の間違いでは?

今日の報道では8月解散の可能性も報じられています。 
近い将来の日本経済の浮沈は、これらの議員の見識(と打算?)に委ねられるのでしょうか。

*1:出典:平成24年3月22日参院予算委公聴会での藤井聡氏提出資料