シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

空恐ろしいほど愚劣な日本の政治

今月に入り、ブログの更新を少々中断しています。 その理由は消費税問題を巡る日本の政治家のあまりの愚劣さについていけなかったからです。 日経新聞の関連記事タイトル・リード文から消費税問題に対する民主・自民両党の動きを追ってみましょう。 

5月29日  自民党は29日午前の社会保障関係合同会議で、社会保障と税の一体改革関連法案の対案となる「社会保障制度改革基本法案」の骨子を了承した。

先月末のこの頃までは消費税増税という方向性が間違ってはいるものの、議論をしてよりよい選択をしようという気持ちがまだ民主・自民両党の有力者の発言から感じられてはいました。

雲行きがおかしくなったのは、6月1日頃からです。

5月30日 一体改革法案の対案、自民が骨子了承 国民会議設置を
6月1日 民主党藤井裕久税制調査会長は1日のTBS番組の収録で「新年金制度はまだ(法案が)出ていない。そういうものは国会の場でなくて議論していい」 自民党が提案した「社会保障制度改革国民会議」で議論することを容認したものだ。*1

また藤井さん、やってくれました。 
増税さえ合意できれば、年金制度はいつか誰かが考えてくれればそれでいい、という「すごいアイディア」に辿り着いたようです。
すると。

6月4日 野田佳彦首相は3日、消費増税関連法案の成立に向けて自民党との連携に政権の命運をかける姿勢を鮮明にした。懸案だった参院で問責決議を受けた2閣僚の交代にも応じるが、21日の今国会の会期末までに協力を取り付けるメドは立っていない。法案の修正や採決の時期、衆院解散・総選挙などを巡る綱引きがさらに激しくなる見通しだ。

早速野田さん、このアイディアに飛びついています。
日経の記者さんは、これを書いている時点では税と社会保障の一体改革が、税と社会保障の分離改革に転換したことには、まだ気がついていないようです。
そして。

6月6日  民主、自民両党は6日、消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案の修正協議入りで合意した。
6月7日  自民党石原伸晃幹事長は7日のBS11番組で、社会保障と税の一体改革をめぐる民主党との修正協議に関して「我々は『社会保障制度改革国民会議』で1年間議論しようと提案している。最低保障年金の議論もしていい」と述べた。隔たりのある政策は有識者でつくる国民会議で議論して、結論を先送りする考えだ。

6月10日 民主党前原誠司政調会長は10日のNHK番組で、社会保障と税の一体改革関連法案の自民、公明両党との修正協議を巡り、民主党が掲げる最低保障年金の創設や後期高齢者医療制度の廃止について事実上の棚上げを認める考えを示した。「旗を降ろすつもりはない」としつつ「国民会議でお互いの社会保障の全体像を白地で議論してくことは賛成だ」と述べた。

 増税だけが我々の目的なんだから、社会保障の考え方の違いなんかでウダウダ言っているなんて馬鹿げているよね。」
「そうだよ。 15日までに増税を進めちまえば、後は有識者とか言っている御用学者や、提灯記事書くマスコミに任せておけばいいんだよね〜。」
 
といった会話が民主・自民間で聞こえてきそうな話になって参りました。

今日のNHKの討論会で、こうした流れを見ていた東京新聞長谷川幸洋氏はツイッター上で今日、次のように発言しています。

長谷川幸洋‏@hasegawa24 社会保障改革を先送りするために、自民党は「第三者の有識者」による国民会議をつくって議論を、なんて言ってる。ということは解散・総選挙の要求を降ろしたも同然。解散しろって言ったら、次の政権と政策をどうするか国民の選択次第なのに、それでも国民会議に議論を委ねるのか?

長谷川幸洋‏@hasegawa24 政権が代わったら、前政権と野党が談合してつくった「国民会議」なんて、どこかにすっ飛んじゃう。というか、そもそも正統性がなくなる。談合で選んだ「第三者の有識者」なんて国民の選択の前では、なんの意味もない。政策と政権を選ぶのは国民だから、わけのわからない有識者なんて正統性はない。

長谷川幸洋‏@hasegawa24 つまり自民党国民会議を言い出したっていうのは、解散しなくていいよ、ということ。政権を変えないんだから、談合の有識者会議で議論して決めようというのが本質。

 
 野田さん、谷垣さん、藤井さん、安住さん、それに前原さん。 更にはこれらを操る財務省。 上のツイートの長谷川氏や産経の田村氏ら少数の方々を除くマスコミ。あるいは国民会議とやらに呼ばれれば喜々として加わり、増税の必要性の裏付けを語る御用学者。 
そして、増税しようにもできないデフレ環境を20年近く維持しつづける白川さんら日銀当局。

これらの人々がデフレ下の増税で利益を受けるか、といえばどうでしょう。
 1997年以降の橋本内閣が数年後には国会で不明を詫びたのと同様に、今後日本の凋落を加速された責任を問われるであろう政治家だけでなく、実質主導している財務省や日銀でさえも、とても何らかのメリットを受けるとは思えません。

 こういった人々はひとりひとりは良い人かもしれません。 
ただ、集団として日本を潰しにかかっていることは間違いない。
 
そして、ひとりひとりは、「自分は増税(あるいは通貨の安定)という日本にとって正しいことをやっているひとり」と自分の良心に言い聞かせながら愚劣な政策を推進しているのでしょう。
 そして自分が主導的に日本をつぶしにかかっているという自覚もなければ、最終的に日本に与えるであろうダメージがそれを主導した自分たちに戻ってくるという予感もないのでしょう。

 日本を敗戦に導いた旧日本軍の首脳たちと、現在のデフレ下の増税を主導する人々はどうもイメージがダブります。
では、一体誰が、最も悪いのかと突き詰めていったら、どちらの場合も「空気」としか言えないように思えるところも空恐ろしい限りです。


NHK日曜討論に出演した前原氏ら(6月10日)

*1:さすがに後々残るとまずいとみえてか、この記事は既に削除されているようです。