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「サルでも分かる化」して複雑な問題を解く方法

ここ何回か、「サルでも分かる…」と題したエントリーを続ています。
サルでもわかる、と題してはいますが、元の問題はいずれも相当な難題で、真の意味ではサルでも分かるところまで持っていくのは困難です。 ただ、相当な難題をまあまあの課題にまでする手段はあるもので、筆者はサルでも分かる化するために

というふたつの方法を組み合わせて使っています。

1.マインドマップでの見える化
問題を容易化するために、見える化は大変有効です。 頭の中で考えていると、モヤモヤしたりぐるぐる回ったりする思考が、見える化により固定され、何が問題のポイントなのかが見えてきます。

マインドマップというのは、私たちの頭の中で起こっていることを見えるようにした思考ツールの一種です。*1 このマインドマップは、手書きでもいいのですが、見た目を良くし、入れ替えの手間を省き、あとで再利用するといったことを考えれば、マインドマップ作成のフリーソフトFreeMindなど*2を入手して描くと良いです。FreeMindのダウンロードはたとえばFreemind使おう会のサイトからも無料でできます。

2.MECEでの思考整理
例えば、前回のエントリー用に作成した、国債の積み上がりという不安について考えるためのマインドマップをみてみましょう。
 このマインドマップを描く際には、MECEという考え方を使っています。
 MECEとは、まだ適切な日本語訳はないですが、コンサルティング会社などではよく用いられる、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉です。 要するにMECEとは、「重複なく・漏れなく」ということになります。

 日本の財政を国債中心に整理しなおし、MECEとなるように並べ替えると例えば右のようになります。
きちんと言えば、右の図では日本の財政を収入、支出、バランスシートと3回も繰り返して表現していますので、この図は厳密にはMECEではありませんが、分かりやすいように、MECEの考え方に基づいて描いた財政の収入、支出、及びバランスシートに関するマインドマップ3枚を連結して描いた、とお考えください。

この図を作る上で目標としたのは、「国債(積み上がりの)不安を除くこと」を図示することです。*3 「2.新規国債発行」額は(意図的に増やすのでなければ)自動的に決まってきますので、国債の積み上がり方は国債返済額である国債費(と金利動向)で決まるという仮説がたちます。 そこでどのような方法で国債費増額が可能かをMECEで順番に検討していったのが、昨日のエントリー「サルでもわかる日本国債の不安を除く方法」です。

 収入のある項目を増やすか、支出のある項目を減らすかにより国債費の増額が可能となります。
 言い方を変えれば、何らかの費目から国債費に向けての「所得移転」のようなことが起きないことにはプライマリーバランスには大きく影響しない、ということです。 例えば仮に「成長産業への補助金を投入し、国債を減らす」といった政策があった場合、直接的には「1.税収」のなかでの家計(労働者)から企業への所得移転であり、間接的にしか「4.国債費」増額にはつながらず、効果は(あったとしても)タイムラグを置いてしか観察されないことが想像できます。*4

 こうして順番に国の財政を構成する費目を国債費財源として考えていった結果、通貨発行(増額)以外にデフレ日本で有効な新規国債費財源はない、というのが、昨日のエントリー「サルでもわかる日本国債の不安を除く方法」の結論でした。

あなたも、身近な問題から大きな問題まで、マインドマップでの見える化MECEで、これまで解けなかった問題を解いてみませんか?

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次の記事も、マインドマップを使って書きました。
サルでもわかる水と金の価値の違い

*1:マインドマップはトニー・ブザン(Tony Buzan)が提唱した思考・発想法の一つであり、「マインドマップ」という呼称は、日本国内においては一般社団法人ブザン教育協会によって商標登録されている。

*2:ほかにもiMindMapなどがある

*3:国債が発散するかどうかについては、プライマリーバランスの他に国債金利と名目GDP成長率も関係しますが、このエントリーでは主題を外れますので金利の問題は割愛します。

*4:こうして考えてくると、大半の政治家の関心事の多くが、「1.税収」内の所得移転に集中しているようにも思われます。国政にあずかる政治家には、もっと大きなフレーム(考え方の枠組み)で国の財政を考えて欲しいところです。