シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

死ぬ必要がない病気(3) アルツハイマー病

タイトルがちょっとちがうのですが、広い意味で「アタマが」死ぬ必要がない病気、ということでご容赦を。

これまでもアルツハイマー病の薬というのはいくつかありました。たとえばエーザイが開発したアリセプト
その他にも、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンなど。ただこれらの抗アルツハイマー薬は、アルツハイマー病の進行を抑制するとされていて、真の意味での治療薬ではなかったのです。
ところが。

イーライリリーで臨床最終段階にある「ソラネズマブ」というちょっと変わった名前の抗アルツハイマー薬は、アルツハイマー病の根治療法になるかもしれない、との期待を浴びています。*1
アルツハイマー病は、世界的な高齢化の進展で患者が急増しており、また治療は長期に亘り、かつこの新薬は相当に高価になると予想されているため、「国家予算が破綻する」という懸念を表明する人さえでているそうです。*2
ただ、この新薬はまだ市販はされていませんから、既にアルツハイマー病になっている家族をお持ちの方は、既に市販されている治療薬で病状の進展を遅らせ、こうした根治療法薬の登場を待つことになりますね。

医薬品メーカーは、大変利益率が高いことで知られていますが、実は販管費の中の研究開発費の比率が高いことでも有名で、研究開発費対売上高比率が20%にも及ぶ会社もあり、医薬品は化学薬品というよりも実は「知識」の塊と見るほうが適切なくらいです。 薬には、化学合成の知識の他に、薬理学、生理学、毒性学、代謝といった生物系の知識、更には物性、臨床治験に関する知識も必要ですし、莫大な開発費を効率的に使うためには意思決定論も極めておくべきです。*3よく人道的見地から後進国では特許とは関係なく抗エイズ薬などを配布すべき、といった声もありますが、研究開発費が再投資されなければ、画期的新薬が世に出にくくなることも事実です。
人道的見地と製薬企業のSustainabilityとのバランスを取るのもなかなか難しいものです。

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このブログも余りにもマクロ経済の、しかもデフレ経済に焦点が定まり過ぎていましたので、今日は全く違う話題を掘り下げてみました。
【関連記事】死ぬ必要がない病気(1)
      死ぬ必要がない病気(2)

*1:solanezumab(ソラネズマブ, LY2062430; 抗βアミロイド抗体)

*2:週間エコノミスト'12.1.24号

*3:不確実性があるなかでの現在価値の大小を検討し、どのルートから薬の開発を攻めるのかを判断するなど、高度な知識がないと、開発成功率が減少するようです。