シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

シェイブテイル版お金の本質−日本はなぜデフレなのか−

お金とは何でしょうか。
かならずしも金(gold)に裏付けられたものでないことははっきりしています。
人によっては土地が裏付けという主張(ハイパーインフレ期の後のドイツ「レンテンマルク(Rentenmark) 」など)*1国債本位という主張*2などもあります。
では、お金が生まれた時から今日まで連綿と繋がる「お金の本質」とは何でしょうか。
それは、物々交換も、金本位制も管理通貨制度も包括したものであるはずです。

シェイブテイルは、次のような寓話を考えました。一応寓話といいますが、生物学的に弱いホモサピエンスがネアンデルタール人などの強力な競合者に優った原因はこの寓話に近い「分け与え」の発明が起こったのだ、という学説があります。*3

【分け与えと価値の保存の発明】
5万年前のある秋、東アジア草原地帯。一人のホモサピエンス、ヒトAが狩りをしています。今日は運が良いようで、鹿3頭を獲ました。 夕方ヒトBに出会います。
彼は運が悪かったようで、今日は何の獲物も獲られず、空腹を抱えているようです。 ヒトAは考えます。 「ヒトBは悪い奴じゃない。 この鹿を分けてやれば飢えをしのげるだろう。」 ヒトAはBに、「今日は沢山とれたから、1頭お前にやるよ。」 Bは大変喜び、ふたりは分かれました。
 次の冬のある日、今度はヒトBにうさぎ2匹の獲物が獲れました。 大した量の獲物ではありませんが、ヒトBは秘密のうさぎの巣を知っており、また獲る自信もあります。BはAの穴居を訪ね、「前の秋はありがとう。あれで助かったよ。こんどは俺が助ける番だよ。」といってうさぎ1匹をAに分け与えました。秋の鹿2頭はとっくに食べてしまっていた空腹のAが今度は喜ぶ番でした。

【この話で、ヒトA、Bが現代人の場合】、最初鹿1頭を貰ったヒトBは「鹿1頭貰いました券」を発行しようとしましたが、鹿以外の食べ物も欲しいヒトAはヒトBに代わりに「1日労働券」を発行してもらいました。   冬、自分の穴居をうさぎ1匹を携え訪れたヒトBに対し、ヒトAは「1日労働券」を返しました。食べ物の少ない冬場には食料は貴重であり、ヒトAはうさぎ1匹で満足したのでした。
【貨幣の市場経済化】 
この話を聞いた人々はそれは便利!と狂喜します。 海のヒトCはとれたハマグリをヒトAの「1日労働券」と交換してもらいましたから、ハマグリが腐って交換できなくなる心配はなくなりました。 ヒトCが沢山の「1日労働券」を持つようになると、ハマグリではなく、「1日労働券」を得るため多くの人が財をもってヒトCのところに行くようになり、知恵者のヒトCは、海辺に「市場」を開き、「1日労働券」での売買が活発となりました。
【贋金の登場】
ところがしばらくすると市場に異変が起こります。 市場に出ている財より沢山の「1日労働券」が現れるようになりました。 労働力1,000に対し、1,200労働券が出回り、これまでうさぎ1匹=1労働券だったのが、うさぎ1匹=1.2労働券になり、人々の暮らしを圧迫します。世界初のインフレの発生でした。
【シーラカワの登場】
 そこへ現れたのが手先が器用なシーラカワ。 彼は1日労働券の中に混じる偽物も微妙な違いがわかりました。 そして従来券より遥かに精巧な「日銀券」を作り、1,000労働券=1,000日銀券で交換してあげました。残った200労働券は贋金として市場では使えなくなりました。 市場は落ち着きを取り戻し、インフレは沈静化し、市場は活性化しました。
【シーラカワのクセ】
 しかしこれでシーラカワは満足できませんでした。 なんだか日銀券の量が少し多いような気がしたのです(本当は彼は数の数え方のクセで、財の数を間違って少なくかぞえただけだったんですが=上方バイアスの発生)。 そこでシーラカワは市場から日銀券を目立たぬように回収しては夜中に少しづつ燃やしてしまいました。 結局 市場には1000人の労働力があるのに、日銀券は800枚しかなくなってしまいました。すると、市場では200人が職を失いました。 人々は本来1労働券に相当していた秋鹿1頭や冬うさぎ1匹などでしたが、日銀券に変わってからは秋鹿1頭では1日銀券に不足し、鹿1頭=0.8日銀券にしか当たらず、「デフレ」と呼ばれるようになりました。  しかしシラカーワだけは別です。 自分が精巧に作った日銀券で、秋鹿が1.25頭と交換できることに満足して、自分の精巧な技術に対する市場の信頼が増しているものと確信しました。
ところがある日、失業していたある男が、ひとりよがりシーラカワの頭に大岩を落とし潰してしまいました。
 そして通貨を2割5分(1÷0.8=1.25)増やして、1頭の秋鹿の対価が元の1労働力券に戻ると、失業者は嘘のように消えて市場には平和が訪れたということです。
 めでたし、めでたし。

この寓話でお伝えしたように、私・シェイブテイルはお金の本質とは「労働力本位制」より正確には「生産力本位制」という考え方をしており、生産力に対し通貨量が下回ると、GDPギャップ(デフレギャップ)が生じ、デフレが発生し失業と不況がやってくるという考え方をしています。*4

【他の本位制との位置づけ、マクロ経済的現象の理解】
金本位制とは紙幣は一種の借用証であり、一定量の金と兌換できることを保障しています。 

金貨の場合、当初は金そのものの価値で通用していました。

金そのものの価値とは要するに金を得るための労働力の大きさをさします。

その後市場規模が大きくなると金の量に対し市場経済が大きくなりすぎ、過去に採掘した金に対応する労働力よりも現在市場に出回る労働力が大きくなり、「金不足」が生じ、デフレとなります。

逆に「金を薄める」行為はマネーを産み、活況を産みますが、対応する生産力がないことがはっきりすると、こんどは金の信用が下がり、インフレとなります。

土地は当然ながら、その土地から生産される製品・サービスにより価値がリンクしています。 これら製品・サービスの価値は、その製品・サービスを生むためのノウハウを含めた「生産力」によります。

国債の価値は、その国が徴税とシニョリッジにより生む中央銀行券で担保されていることになっていますが、日銀はそのバランスシートに着目し、日銀券の価値は国債により担保されていて、国債の価値を毀損する行為は日銀券と日本経済の価値を毀損するという堂々巡り理論を堂々と「世界一優れた金融理論」として恩師の浜田宏一氏にまで説教する始末です。 白川氏の日銀券・国債至上主義で、多数の死者も出ていますが、本人は「週末には家族と一緒に近くのレストランでランチセットを食べていますがコレだけ内容が豊富で充実した食事をこの値段で食べられる事に驚いています」と日銀券の価値が高いことに満足しきりです。

*1:地代徴収権売買を基礎とした通貨

*2:明示的ではないが、日銀の主張

*3:この学説は、NHKスペシャル でもとりあげられていました。

*4:「本位」とは、紙幣を引換券と見た時に交換が保証されているもののこと、金本位、土地本位、労働力本位…、管理通貨制度って一体?