シェイブテイル日記2

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大地震から身を守るためのメモ

【要約】
・大震災の際に身を守るために重要と思われることをまとめてみました。

 
12月23日の日本テレビで、東日本大震災の総集編を放送していました*1。なかなか秀逸な編集で、初めて見る映像も多数ありました。 そこで地震リスクに曝されている私達日本人として、地震リスクをできるだけ小さくするために何をするべきかを改めて考えてみました。

1.倒壊リスクは意外に小くなった 
1995年の阪神大震災では一般住宅・集合住宅を問わず倒壊家屋が多数見られました。 特に1981年6月の新耐震基準以前に作られた建物は多くが倒壊したようで、この時以降国民に耐震建築への関心が高まったため、今年3月の東日本大震災では阪神大震災以上の揺れに見舞われた地域でも倒壊家屋は大変少なかったようです。
2.火災リスクは?
  消防庁によると、東日本大震災で発生した火災は344件(3月16日まで)で、阪神・淡路大震災の293件を上回りました。地震の揺れが原因で起きた住宅や化学コンビナートなどの火災は少なくとも160件あり、津波に伴って起きた火災も150件を超えたとされます。*2
 震災での避難ルート確保にあたっては化学コンビナートなど大規模火災の潜在施設が近くにないかどうかは確認すべき点のひとつでしょう。
3.津波リスク
 東日本大震災では倒壊リスクに比べ津波リスクが大きい点で、私達一般には認識不足があったと思われます。
特に首都圏・大阪・中京地区など日本の経済活動の中心地域は全て低地であり、東日本大震災級の津波が襲ってきた場合、特に海抜10メートル以下の地域は津波リスクが大きいことが分かりました。
そこで次に考えるべきことは、そうした低地帯にいた場合、どこにどうやって逃げるかを事前にはっきりと認識することだと思われます。 下の図は東京・大阪で海抜10メートル以下の地域を強調表示した地図です。*3

海抜10メートル以下を青で強調表示した地図(1枚目:東京、2枚目:大阪)
 普段よく訪れる低地から逃げられる距離に高台があるのか、なければ近隣に登れる堅牢な建物はどこにあるかを探しておき、どこから入るのかなどを具体的に確認しておく必要があります。
4.心理リスク
東日本大震災で、釜石市の小学生は殆ど死者が出ず、「釜石の奇跡」と呼ばれています。 「想定に囚われるな」「最善を尽くせ」「率先し避難せよ」を普段から徹底して教育していた成果ということです。実際、地震後に津波が来た時、避難所に指定されていた場所も危険と判断すると、更に高台を目指して子供たちが自主避難をして助かった事例もあったようです。 一方、東日本大震災の記録動画を見ると、「津波を見物していて別方向からの津波に襲われた」「こどもや老人、近所の人の様子を見に行って戻って来なかった」といった事例があったようです。 これらから伺えることは、誰にでも「自分だけは死なないのではないか」という心理的バイアスが危険な私たちには本来あって、これによって逆に私たちの身は危険に曝されることになる、ということです。 家族内でも、それぞれの個人が自分をどう守るかを考え、安全なところで落ち着いたら、携帯の「災害伝言板」などで安否確認するなどの段取りを伝えておき、敢えて危険地帯に留まることがないよう相互に確認しておくことも大事でしょう。

注意:筆者は地震での安全性の専門家ではありませんので、記載内容がベストである保障はありません。 
  あくまでも参考としていただければと思います。

*1:スーパープライム「1000年後に残す報道映像 2011

*2:東日本大震災 火災関連調査ブログ

*3:石川初氏のブログ記事より引用させていただきました。確認はしていませんがカシミール3Dという地図ソフトを利用すれば、東京・大阪以外の地域でも低地強調表示をすることが可能なようです。