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1930年代における国債の日本銀行引受け(予告)

昨日のドイツ国債は札割れが発生し、ドイツ中央銀行が直接引き受けるとの報道がありました。
ドイツ国債金利も多少騰がったようですが、金利が急騰したわけではないようです。
日銀・白川総裁の持説によれば、ドイツ国債はすぐにでも破綻することになりそうですがw、札割れ後には欧州共同債構想も提案されるなど、今後の欧州危機の展開は大変興味深いところです。*1

さて数日前に論文の存在を知って、興味深く読んでいますのが富田俊基氏の「1930年代における国債の日本銀行引受け」という論文です。

富田俊基氏の論文では、「日本国債のリスクプレミアム」*2を以前取り上げました*3
氏は本業の野村総研の他、旧大蔵省の財政金融研究所特別研究官(非常勤)、経済審議会臨時委員、などなど政府関係の役職・委員を兼務されていますが、氏ほど1930年代の高橋財政期の前後を詳細に分析している人は大変少ないと思います。
高橋財政では、日銀は国債を直接引受けしたことは有名ですが、引き受けた国債の大半はその後市中消化されたことなども背景情報とともに詳しく述べられています。
時間が出来れば、近いうちに「1930年代における国債日本銀行引受け」もこのブログで取り上げたいと思います。

*1:欧州では1993年に発効した「マーストリヒト条約」およびこれに基づく「欧州中央銀行法」により、当該国が中央銀行による対政府与信を禁止する規定を置くことが、単一通貨制度と欧州中央銀行への加盟条件の一つとなっているといいます。つまり、ドイツやフランスなどユーロ加盟国もマーストリヒト条約により、中央銀行による国債の直接引受を行うことは禁止されているそうですが、今後の続報が待たれます。

*2:知的生産創造 2002年12月号pp44

*3:日銀による国債直接引受でなにが起きるか-高橋財政期の分析-