経済学のナゾ
先日、図書館で「図解日本のデフレ早わかり」という本を手に取りました。
著者は早稲田大学教授のT氏という方です。
パラパラと手にとって読むなり、正直、愕然としました。
その本によれば日本が世界で唯一デフレである理由を
1)不況でモノが売れないこと
2)企業間の競争によって生産・流通コストが下がること
3)海外からの安い物品の流入
の3つだとしていました。
著者のT氏はこの3つの理由のうちどれかあるいは全てが日本独自の現象だと思っているのでしょうか?
というか、世界の大半の国々では、1)〜3)は当たり前ではないでしょうか。
不況ならモノは売れないでしょうし、どこの国でも企業は競争しています。そして、多くの国で、より物価水準の低い国からの物品流入はあるでしょう。でも、日本だけが物価(GDPデフレータ)変動はずっとマイナスで、30年前との物価比較では日本の物価上昇率は183カ国中、183番目です。*1
最近は辛坊兄弟を始めとして素人がマクロ経済学について間違った論説を堂々と述べる素人マクロ経済学が花ざかりと岩田規久男先生も指摘していましたが、T氏は経済は素人どころか専門は公共経済学や公共政策学だとか。
もし仮に、物理学を学び、現在大学で物理を教えている先生が、天文学は多少専門から外れているとしても、天動説を唱え始めたとしたら、同僚の教授から一度早めに病院で診てもらうよう勧められるでしょう。
それなのに、経済学ではどれだけ常識はずれを唱えても「経済学説」みたいな扱いになってしまうのはなぜなんでしょうか。
【注意!!】筆者は以下の本を推奨しているわけではありません。 どちらも読んでも時間の無駄です。
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