シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

インフレ目標政策の有効性

【要約】
・現在世界で44カ国でインフレ目標政策が実施され、そのうち先進国ではCPIで2%ないし3%の目標が採用されています。
リーマン・ショック後の2009年、これらの国々でも一時デフレ傾向が高まりました。
ポルトガル・タイではCPIが0%を下回りましたが、翌年には目標ゾーンに回帰しました。
・日本と同様の外部環境にある韓国ではインフレ目標を掲げてデフレにも陥らず経済は好調を持続し、隣国の日本では物価目標を明確に定めずにCPI0%内外のデフレゾーンで経済は低迷しています。
・日銀の取るべき政策について、過去の経緯や類似国での実績とも比較して再度厳しく見直されることが必要です。


今日はインフレ目標政策を実施しているとされる44カ国中、先進国を中心とする国々での政策の有効性をみてみたいと思います。 下に示した中で日本だけは勿論インフレ目標政策を採っていません。
ここで示した日本以外の国々では明確な物価目標が設定されています。 それぞれの中心値は韓国が概ね3%他の国々は概ね2%です。この目標とするゾーンは色つきでしめしました。これらの国々もいずれもリーマンショックを経験し、2009年頃には経済活動が停滞し物価はデフレ気味となりました。 特にポルトガルやタイではCPIが0%を下回りましたが、翌年には目標ゾーン内に復帰しています(グラフ部分)。つまり、日本でもポルトガルやタイ同様、物価水準が0%以下に落ち込んだ翌年には元の狙う水準に戻すことは日銀のやる気さえあれば可能だということです。
同じ東アジアにある韓国は、物価目標を3%±1%に置き、ほぼ達成しています。 同じ少子高齢化で中国が隣国にあっても中央銀行が狙えば物価はマイルドインフレを維持し、経済が好調を持続できることを韓国は示しています。




さて最後が日本。
日銀は2000年10月には目指す物価を、「物価の安定」についての考え方として”インフレでもデフレでもない状態”としました。*1
数値は示されていませんが、CPIで±0%が意識されていたのかもしれません。2006年3月には日銀は「物価安定」についての考え方として、「物価の安定」とは、概念的には、計測誤差(バイアス)のない物価指数でみて変化率がゼロ%の状態としています。*2
その後2009年には「中長期的な物価安定の理解」の明確化として、消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心と考えているとしました。*3
目立つのは他のインフレ目標を掲げる諸国と比べ、狙う物価水準が低いこと、マイナス物価は許容しない、と中央銀行が謳っているのに、CPIのマイナス停滞が常態化している点が他国と異なっています。

日本、韓国。他のはこのエントリーで紹介したインフレ目標政策実施諸国
前のエントリーで示したように、CPIは、デフレ下では拡大する物価の代替バイアスを全く感知しない指標です。
この指標で0%状態は明らかにデフレ状態で、これさえも達成できない中央銀行、というより達成しようとしない中央銀行は存在意義も疑わしいと言わざるを得ません。