シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

 消費税のカラクリ−消費税によりなぜ零細・中小企業主が自殺するのか−

【要約】
・消費税論議は、やるか止めるか、やるならいつ、何%かが議論されています。
・消費税には大きな欠陥があり、消費者が負担すべき消費税を、消費税が取れない価格発言力のない零細業者などに負担させています。
・大手輸出業者は払ってもいない消費税が還付されます。
・ヨーロッパのインボイス方式付加価値税などを参考に、現在の欠陥消費税を正さないと、零細・中小企業主は不当にどんどん淘汰されてしまいます。

今後消費税が10%に上がった時の大手自動車メーカーと、弱い納入業者の会話。

大手自動車メーカー購買担当者[以下大]「消費税、また上がったな。」
弱い納入業者[以下弱] 「そうですねー。」
大「こんどの部品、消費税分はお前んとこで持てよな。」
弱「ええー、そんな無理ですよ。そうでなくともデフレで四苦八苦ですよ。」
大「ならいいよ。あの部品扱ってるの、お前んとこだけじゃないから。」
弱「きっついなー。 今回だけですよ。」

といった会話があって、納入業者は消費税分を値引いて、本体価格で部品を販売したとします。左の図で、緑が本体価格、橙色が消費税部分。 本来は一番上のように本体価格に消費税を加えた価格で顧客は買うべきです。ところが、今のデフレでは最終消費者は一円でも安い製品に強い魅力を感じますから、大手自動車メーカー購買担当者でなくとも、消費税分の値引きを要求してもおかしくありません。 現実には、多少は購買側も負担するということになるかもしれませんが、この例では全額納入業者が負担したとしましょう。
すると、年度末に税務署員に、「この部品はお客さんが消費税分を値引きしろといったので、消費税は取っていません。」などという言い訳が通るワケがない。という以前に、何万点という商品をいちいち消費税をねびいたかどうかなどはチェックすることさえ物理的に不可能で、実際にはまず販売した本体価格を全部足し上げ、ここから仕入費用を引いた額に消費税率を掛けた金額を消費税としてとられます。 でもこの弱い納入業者さん、納入先の大手自動車メーカーからも本来消費税を払うべき消費者からも消費税はもらっていません。 結局この業者が自腹を切ることになります。
 一方、この大手自動車メーカーが海外向製品を扱っている場合、弱い納入業者に値引きはさせますが、税務署では仕入れ価格に消費税率を掛けた金額は、海外向け業者は払わなくても良い消費税の払い過ぎと認識して、払ってもいない消費税が還付されます。

 こうした中小零細業者の存続にもかかわるおかしな税制は、田中康夫議員や一部の共産党系議員などを除き国会でも論議しませんし、答弁に立つ官僚は、「税金を取らない業者が悪い。」で答弁終わり、です。
 本来は欧州インボイス方式など、中間業者が不利益を被ったり、輸出業者が不当な益税を得たりしない税制に改革したのちに消費税論議はあるべきです。 ’97年に消費税が5%に上がり、翌年から自殺が急増しましたが、自殺者を職業別にみると、自営業者が増加率では最多でした。*1
 現在の状況がつづけば、国内の価格弱者は消費税によりすべて淘汰され、国内大企業か中国などの企業に置き換わらざるを得ないのではないでしょうか。

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