シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

福島原発事故は人災なのか(2)--ディベートの題材として--

shavetail1_FAN さんという方からコメントをいただきました。 

今回の震災での『想定外』は全く通じません。過去の歴史においてマグニチュード9.0以上の地震が過去になかったか?10メートルクラスの津波が無かったか?と考えると明らかです。
世界ではM9.0以上の地震も過去にありますし、津波に関しても20メートルとも30メートルとも言われる災害がこの日本で起きたという歴史があるようです。また、大津波警報でも10メートル以上の設定があることからもこの原発事故は人災であることが断定できます。
 (以上引用)

 これは正直なところ、すぐどちらかに結論がつくという話題ではなさそうです。
 そこで議論を深めるため、ディベート形式で考えてみます。shavetail1_FANさんのお考えを「人災派」と呼ばせていただきます。 私の方は「天災派」。勿論私も人災だろう、と思っている部分はありますが、あくまでディベートとして天災派としての考えを書きたいと思います。
 さて、ご指摘の点ですが、まず、「最大とは何をもって最大か。」という点があります。 先の大震災より大きな地震としてはチリ地震M9.5(1960) が知られていますね。今回の震災の6倍ほどでしょうか。
ところが、時々地球には小惑星などが降り注いでいます。例えばユカタン半島に落ち、恐竜絶滅を招いた小惑星ではM11、実に今回の地震の1000倍のエネルギーです。ではこれが最大か、といえば、おそらくグレートインパクトと呼ばれる、火星ほどの星が地球に衝突しその衝撃で一旦地球は粉砕され、月が誕生したものが最大でしょう。 また小惑星の衝突などは稀というほど稀ではなく、その証拠に月は小惑星衝突で穴だらけです。 となると、過去にあったか、という基準では地球が壊れるほどのインパクトもあった、といえます。要は可能性(possibility)の問題ではなく、蓋然性(probability)の問題です。ここは費用対効果で対策案が決まっていくのではないかと思います。
 次に津波の高さは、リアス式陸前高田市辺りでは20mであったとしても、福島第一原発の場所では10m程度と、地形の影響を大きく受けます。震源地に最も近かった原発女川原子力発電所では意外に被害が小さかったですね。 あれはリアス式海岸の中にある女川では10mの津波は想定内であり、山が迫っていることもあり標高15mの現地に建てたのではないでしょうか。 一方平坦な海岸線の福島第一ではリアス式のように津波がせり上がる現象がないため、5m以上の津波などは想定外の上、地形が平板なため、海水を取り入れる必要がある軽水炉の制約(海から離れられない)と過去の現地での津波の記録から標高5mの現地を建設地に選ばざるを得なかったのではないかと。 このあたりはディベートとして、調べずに書いていますので、間違いがあれば是非指摘していただければありがたいところです。
関連記事:福島原発事故は人災か
福島原発事故は人災か(3)
これより下に家を建てるな