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日銀はデフレファイターになったのか

昨日、日銀・白川総裁は、日銀が物価マイナス領域、デフレを容認しているという「誤解」を解く会見を行いました。------------------
超低金利継続を強調 日銀総裁 デフレ脱却に重点
2009年12月19日 朝刊

 日銀の白川方明総裁は十八日、金融政策決定会合後に会見し、同会合で物価上昇に関して「ゼロ%以下のマイナス値は許容していない」と表明したことについて「日銀の考え方が一層、浸透することによって金利形成にも相応の影響がある」と述べた。

 デフレ状態から脱却するまで超低金利政策を継続する姿勢を鮮明にすることで、中長期の金利低下を促し、景気を下支えする効果を狙ったものだ。

 日銀は通常、四月に中長期的に望ましい物価上昇率の水準を示してきた。同日の会合では、従前の「0〜2%程度の範囲内」から「2%以下のプラスの領域」に変更した。

 白川総裁は、異例の時期の見直しの理由を「(従来の表現では)日銀はマイナス領域、デフレを容認しているとの声があった。誤解は解いた方がいい」と語り、デフレ脱却を最重要課題とする姿勢を示した。

 物価動向次第では、日銀に追加の金融緩和を求める声も高まる可能性もあるが、白川氏は「足元の物価からストレートに金融政策が決まるものではない」とし、国内外の経済情勢を総合的に見ていく方針を示した。

 金融緩和策として、今月から導入した資金供給手段について「長めの金利が一段と低下している。市場心理も落ち着きを取り戻し、それなりの効果を発揮している」と評価した。

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日銀は今後は、2%以下のプラス領域の物価を目指すんだとか。

では改めて日本の物価水準をグローバルに見てみましょう[1]

このランキングをずーっと下にスクロールしていくと日本があります。
順位は、なんと181カ国中180位!
しかも181位とされているジンバブエはご存知のようにハイパーインフレに見舞われたことで有名な国であり、インフレ率がマイナスに表示されているのは、何度も繰り返されたデノミを考慮していないエラーかと思われます。
ということは。 日本は181カ国中、堂々の最下位、ということです。

このインフレ率は、2000年から08年までの9年間での数字ですから、好ましいインフレ率とされる、2%のインフレ率なら、9年間で118%程度の物価となっているはずです。 実際このランキングには118から120%台のインフレ率の国が多数あります。 

そもそも消費者物価指数はプラス側にバイアスがかかっている、という定説がありますから、物価をバイアスのないGDPデフレーターではなく、消費者物価指数で測るのならば、「物価目標プラス2%」でも低すぎる位なのです。

それにもかかわらず、日銀は今後も年2%以下のインフレ率を目指す、というのですから、日銀は今後もこのインフレ率ランキングの最下位付近からあまり上げる意志はないということなのでしょうか。

昨日の白川総裁の会見後、菅大臣は日銀を「デフレファイター」と持ち上げてみせましたが、本来目指すべき2%前後の
インフレ率ではなく、インフレ率を2%以下に押さえ込む、という白川総裁の政策は[インフレファイター」ぶりを
遺憾なく示したものといえるでしょう。