シェイブテイルのデフレ脱却実践記

シェイブテイル日記ではデフレ経済研究を行ってきました。今後はこれをデフレ脱却実践につなげます。

国債は本当に「右のポケットから左のポケットに金を移すようなもの」か?

亀井金融担当大臣が国債発行について次のように述べたそうです。

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NHKニュース 12月11日 17時18分
亀井郵政改革・金融担当大臣は11日、東京都内で講演し、来年度予算案の編成について、景気を回復させるには95兆円規模が必要だと強調したうえで、財源については、一時的な国債の増発で手当てしても問題ないという考えを示しました。

この中で亀井郵政改革・金融担当大臣は、来年度予算案について、「総額では積み上げると95兆円規模が最低要る。もし、それを下回る予算を組めば麻生政権時代よりももっと経済が悪くなる」と述べ、景気を回復させるには95兆円規模の予算編成が必要だと強調しました。そのうえで亀井大臣は、財源について「日本は世界の中でも珍しい債権国で、債務国ではないから、国債を一時的に増やしても右のポケットから左のポケットに移し替えるようなものだ」と述べ、国債が国内で吸収されているかぎり、一時的に国債を増発しても問題ないという考えを示しました。さらに、亀井大臣は「特別会計から2、30兆円の財源はあっという間に出てくる。政府と政治家がその財源を引っ張り出さなければならない」と述べました。
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金融担当大臣といえば、財務大臣と並んで日本の金融・財政をリードする立場の大臣であることは言うまでもありません。
その重要な立場にいる亀井大臣の、国債発行は右のポケットから左のポケットに金を移すようなもの、という話を検証してみましょう。 
 そのためには、国債を元本部分と金利部分に分けて考えるのが分かりやすいでしょう。

1.元本部分
お金の流れは、
国債の起債
国民の貯金→銀行国債購入→政府の歳入
国債の償還
国民の貯金←銀行に償還←政府の歳出
ということで、単に往って来いという関係になっています。
だから大雑把に国民の金が国民に戻る、と言う図式と見れば亀井大臣の言っていることは正しいと言えるでしょう。

2.金利部分
こちらは片道だけで
国民からの徴税→政府の歳出→銀行に償還(→ごく一部が国民に償還)
ということになります(∵国債金利と貯金の金利には大差)ので、単純に言えば
国民からの徴税で銀行が儲かる
という部分だけが残ることになります。

国債の発行額が小さくかつ低金利状態では、2.の「税から銀行」の部分は
見えにくいわけですが、今の日本のように国債残高が大きくなるともはや2.は
無視できなくなります。
現実に、すでに次のようなニュースが出ています。
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国債利払い費、税収の2割超す 09年度見通し、政策財源に使えず
 2009年度の新規国債発行額が50兆円を超す見通しになるなか、国債の利払い費が膨らむ可能性が強まっている。国の税収に対する利払い費の比率は10年ぶりに20%を超え、政策に使える税収が一段と減る見通しだ。利払い費に償還分も合わせた国債費全体では20兆円を超え、社会保障費の25兆円に迫る。政府は利払い費の増加リスクを抱え、難しい財政運営のかじ取りを迫られる。

 09年度の利払い費は麻生太郎政権が策定した補正予算後の一般会計ベースで9兆5000億円。1日あたり約260億円を利払いに充てている計算だ。政府は補正予算の見直しで約3兆円を削減したが「国民生活に密着したものに振り替える」(藤井裕久財務相)として借金返済に充てない方針を示している。(日経ネット24日 07:00)
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これだけ金利が低いのに、国債利払い費が10兆円近くになっています。 
今後、インフレ政策を採らない限り国債総額は減ることはないでしょう。
今後毎年10兆円ないしそれ以上となる利払い費については、「右のポケットから左のポケットに移す」ように金がどこからか湧いてくることはなく、単に民間部門から金融部門への永続的な所得移転がおこることに、亀井大臣、気がついていますか?