シェイブテイル日記2

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景気対策(3)

ということで、金融政策につきまして。

日銀は、ゼロ金利の下、金利調節が出来なくなり、2001年3月より量的緩和政策をとりました。 
その後2002年2月から、2008年8月までは「戦後最長」といわれる景気回復局面に入りました。

この(最弱の)景気回復について、日銀は自画自賛されているようですが、金利は下げない(下げられない)、(量的緩和政策でベースマネーは増えたが)マネーサプライは増えない状況で、日銀の政策が果たしてどれだけ2008年までの景気回復に寄与があったのか疑問です。

これに対し、2001年頃を境に労働分配率は一段と低下しており、また非正規雇用者比率は増加の一途を辿り、特に2001年頃から増加が加速していることから、2002年から2008年にかけての景気回復は、家計部門から企業部門への所得移転が起きて達成されたもので、世間的には「実感なき景気回復」であったのは当然です。 家計部門の、特に低所得者層(低所得者層ほど消費性向は高い)の可処分所得を犠牲にしての「景気回復」ですから、戦後最長だが最弱の景気回復だったこともまた当然の帰結でしょう。

日本のインフレ率は1991年以降は2%をキープすることが出来ていません。

それどころか、2009年日本のインフレ率(IMF予想)は-1%以下となっています。

[世] インフレ率(前年比)の推移(日本)

現在の日銀の関心事は「非伝統的な金融政策をいつ止めるか」や「景気刺激策からの出口戦略」(2009年8月20日日銀水野委員講演)のようですが、この酷いデフレを放置しておいて何言ってるんだか、と感じるのは私だけでしょうか。

インフレターゲット政策、あるいは政府紙幣などデフレに効果がありそうな金融政策を日銀はどの程度検討したのでしょうか。