シェイブテイル日記2

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景気対策(2)

さて、改めて景気対策の手段を列挙しますと

・公共事業などの古典的な財政出動
・金融政策
・その他(少子高齢化、雇用セイフティネット、規制緩和、など)

となります。
これらのうち、景気対策といえば日本で普通に思い浮かべる公共事業などの財政出動は、米国では過去50年に亘り実行されていないとか。
日本では労働人口の1割が建設業関連だったこともあり、盛んに公共事業などに政府が支出をした結果、政府債務は1990年の対GDP比60%台から2007年には同170%へと膨れ上がってしまいました。
デフレ状態で古典的な財政出動をしても景気回復はしないということを、日本は500兆円以上をかけた壮大な実験で確かめた形になってしまいました。

これに対して
少子高齢化対策、雇用のセイフティネット拡充
規制緩和による新産業創出、税制誘導による環境などの技術開発
などは是非必要な景気対策だと思います。
自民党はこれらの景気対策にはそれほど熱心ではありませんでしたから、民主党政権では是非力を入れて欲しいものですね。
しかし、これらのいわばワイズ・スペンディング型の景気対策だけで、ここまで悪化した日本の景気が一挙に解決するものでしょうか。

消去法的に考えても金融政策での景気対策は考慮の余地があると思います。
しかし自民党政府や現日銀幹部らは「ゼロ金利下の日本ではもはや金融政策からの景気対策はあり得ない。」といい続けています。

それどころか、現状の量的緩和などの「非伝統的金融政策」は「潜在的な副作用を考えると余り長期間続けるべきではない」と公言されているようです。

伝統的な財政出動が無効なことは500兆円もかけた大胆な実験で確かめておきながら、金融政策は潜在的副作用を考えただけで止めるという小心さ。

矛盾してませんかね。