シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

日銀

世界一優秀な中央銀行はどこか

昨日のエントリーで、世界の国々の中での日本のデフレを考えてみました。 人によってはデフレは世界中の国々が経験すること、ともとれる論調の記事を書く方もいますが、まずその継続年数が普通ではないことは確かです。 さて次に、世界的にもある程度は存在…

日銀は空気で動く

2000年の速水総裁時代の日銀が、政府の反対を押し切ってゼロ金利政策を解除したころの日銀議事録が公開されました。(以下引用)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ★禍根残したゼロ金利解除、緊迫の駆け引き明らかに 日銀議事録 日経QUICKニュース 日銀は27…

世界一中央銀行の能力が高い国はどこか?

皆さんよくご存知のように、日本がデフレであるのに対し、世界には、物価安定の為にインフレ率の目標を明示する、いわゆるインフレ目標政策を掲げた国々があります。 このインフレ目標政策については、日本国内ではつぎのような様々な批判があるようです。■…

いまでも0%狙ってますか

日銀でも金融緩和に否定的な、いわゆるタカ派で知られる須田美矢子審議委員が昨日都内で講演を行ったそうです。 (以下引用)−−−−−−−−−−−−−−−−− デフレ解消に構造問題への切り込み必要=須田日銀審議委員 2010年 12月 1日 21:40 JST [東京 1日 ロイター] 日…

日米の量的緩和策の比較

先週末、FRBから量的緩和(追加)策が発表されました。 10月に日銀から発表された金融緩和策と比較し、今後の先行きを考えてみたいと思います。 下の表が両国の量的緩和策の比較です。 ○金融緩和規模:FRBが0.9兆ドル(対GDP比6%)に対し、日銀は5兆円…

経済学者とはどのような人々か

今日のエントリーの内容は、私個人の、狭い経験と知識から見たお話であることをお断りしておきます。一般的に、「経済学者」といえばどのような人が思い浮かぶでしょうか? まず想像されるのは、しっかりした考えに基づき、日本の経済全体を憂え、経済界の人…

日銀の政策決定の本質

ここ数日、私は日銀を内外から見た数冊の本を読んでいました。それらの中でも特に印象が強かったのは、かつて日銀の審議委員を務めた中原伸之氏の「日銀は誰のものか」でした。 中原伸之氏は57年に東大経済学部を卒業、59年にハーバード大学大学院修士を経て…

日銀の包括緩和の理由、分かる人はもう分かってます

日銀は先程政策決定会合を開き、包括的緩和政策の具体策を提示しました。 それによれば、 ● 買入れ資産ごとの買入限度額 長期国債、国庫短期証券:3.5兆円(うち、長期国債1.5兆円程度) CP等・社債等:それぞれ0.5兆円程度 指数連動型上場投資信…

経済的には日本は誰に支配されているのか

10月26日に財務金融委員会が開催され、自民党の山本幸三議員と白川日銀総裁・野田財務大臣間での為替レートに対するやりとりがありました。 (その動画はこちら)その内容は一番下に記載しますが、これを眺めていると、童話の「裸の王様」を思い出しますね…

日銀の包括的金融緩和政策の真の目的は?

日銀により10月5日に「包括的な金融緩和政策」の実施について発表されました。 今日はこの内容を精査してみたいと思います。 この記事の一番下に全文を引用しましたので、適宜参照ください。(1)金利誘導目標の変更 これは、これまでの金利誘導目標0.1%…

デフレ脱却議連による「日銀法改正」について

デフレ脱却議連、金子洋一氏のブログによれば、デフレ脱却議連ではつぎのような法改正を目指しているそうです。(以下引用)−−−−−−−−−−−−−−デフレ脱却議連による「日銀法改正」について平成22年10月15日 民主党デフレ脱却議連 われわれ民主党デフレ脱却議連…

円高はどこまでいくのか

円高が続いています。 昨日、一昨日と、瞬間的には80円台後半をつけ、これまでの史上最高値(1995年4月19日の79円75銭)が視野に入ってきました。今後どこまで円高が進行するのか気になるところです。 それとも政府日銀の市場介入でこのへんで円安に反転する…

みんなの党の日銀法改正案は期待できない?

7月の参議院選では、みんなの党が議席を伸ばしました。 そのみんなの党が国会に提出する予定の日銀法改正案が欠陥法案だという話があるようです。日銀法改正案の骨子 http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_823391 経済政策の目標に係る協定の締結 (1)…

円高の理由とデフレの理由

(できれば、先にこちらから読んでもらえればここで私が書きたいことが伝わりやすいかと思います)最近の円高に対し、財務省・日銀が円売りドル買い介入に動いたことは記憶に新しいところです。 ところが直近のシドニー市場では81円台前半という介入前の水…

包括的金融緩和の何がどう意味があるか

(実質金利上昇の意味するところ からのつづき)さて、ようやく今回の日銀の打ち出した包括的金融緩和策の意義についてお話できるところまできました。 今回の包括的金融緩和策ではREITやETFなどの実物資産の購入を意図した基金を創設することが謳われていま…

包括的金融緩和政策の注目点

3日前になりますが、日銀は包括的金融緩和政策を打ち出しました。−−−−−−−−−−−−−− 日本銀行は5日、政策委員会・金融政策決定会合において、「金融緩和を一段と強力に推進するため」とし、3つの措置からなる包括的な金融緩和政策を実施すると発表した。このう…

デフレターゲティング政策

最近時々インフレターゲティング政策というのが話題にでます。 日銀の現在の政策は白川総裁に言わせれば、「インフレターゲティングより先進的」なんだそうです。 では、そのインフレターゲティングより進んだという、日銀の政策の成果を検証しましょう。私…

日銀・デフレ書庫: 目次

さて、このブログも、書き始めて1年を超えてきました。 政策全般をいろいろ書くつもりが、デフレ脱却がメインテーマみたいになってしまっています。 そこで、過去の記事を整理して、ここまでの日銀、デフレ関連記事書庫の目次を作ってみました。 このページ…

貨幣を増やすと何が起きるかの実例

このブログでは、結果として日銀批判をすることが多いのですが、その日銀のお膝元、日銀金融研究所のHPに興味深い記事が載っていました。 ちょっと長いですが全文引用します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−貨幣の散歩道 第27話 米将軍吉宗と元文の改鋳 テレビ…

50円札と日銀法改正

皆さんはこのお札、知っていますか?これは昭和26年に発行された50円札です。 描かれている人物は高橋是清。 蔵相・日銀総裁を務めた人物です。 歴代日銀総裁中、紙幣の肖像に描かれている人は高橋是清以外にはいません。 高橋是清の業績については前回「昭…

昭和恐慌のデフレをどうやって脱出したか

9月9日、日銀・白川総裁は、日銀の国債引き受けについて、次のように答弁したそうです。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−日銀による国債の直接引き受け禁止は「人類の英知」−。普段は硬い国会答弁の多い白川方明日銀総裁だが、9日の参院財政金融委員会では、…

日銀による世界史上最長のデフレ

現代日本がデフレ、しかも長期のデフレであることは間違いありません。 IMFにならい、「物価の2年連続での下落」をデフレの定義とすれば、デフレの指標であるGDPデフレータでは、日本は'98年を起点に過去12年間のデフレです。その前年の消費税2%アップがな…

インフレ率と自殺者数

ユーチューブで、高橋洋一氏、宮崎哲弥氏、水道橋博士の鼎談がありました。要旨は、金融政策により、国民一人当たり20万円配ったとしたら、デフレギャップの大きさ(40兆円以上)から見て不必要なインフレを引き起こすことなく、国民の自殺を最低3000人は減…

デフレ脱却議連

3月30日に、民主党内でデフレ脱却議連が結成されました。 報道によればすでに2回の会合が開催され、次のような議論がなされているとか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2010年04月07日デフレ脱却議連第二回会合! デフレ脱却議連(「デフレから脱却し景気回復…

予算委員会での白川総裁と山本幸三議員の遣り取り

2月16日の予算委員会で、自民党の山本幸三議員が日銀・白川総裁に、デフレ対策など金融政策について質問しました。山本幸三議員は、 ・マッカラムルールから見て、10%以上、あるいは30%程度マネタリーベースを増やさない限り、デフレ脱却はできない ・日銀…

世界の中の日本のデフレと自殺

日本がデフレになりはじめてから、もう随分経ちますが、世界の他の国々の状況も見てみたいと思います。 今回も、IMF World Economic Outlook Database(Oct. 2009)を使って分析してみました。分析対象は、G20の国々、期間は1995年以降2009年までの…

日本のデフレ:確かに魔法の杖はないが(3)

日本のデフレ:確かに魔法の杖はないが(1) 日本のデフレ:確かに魔法の杖はないが(2)(続き)さて、2006年時点では、日銀では消費者物価指数(CPI)で0%の物価変動を目指していました。 しかしさすがにCPI0%ではデフレ真っ只中、という意見がでたの…

日本のデフレ:確かに魔法の杖はないが(2)

さて、日本のデフレ:確かに魔法の杖はないが(1)で、2008年段階では日本は世界的に見ても特異的にデフレになっていることが分かりました。では次に同じ情報源、IMF World Economic Outlook Database(Oct. 2009)で、日本の物価変動(消費者物価指数;C…

日本のデフレ:確かに魔法の杖はないが(1)

1月29日、日銀・白川総裁は次のような講演を行いました。−−−(引用開始)−−−−−−−−− 日銀総裁:デフレは流動性だけで解決せず−魔法の杖はない 1月29日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は29日午後、都内で講演し、デフレの根本原因は需要不足であ…

日銀のデフレ対応は素振りだけ?

昨日、日銀は展望レポートの中間評価を発表しました。 以下はその要旨です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [日銀展望レポート中間評価] GDP見通し中央値は10年度+1.3%、11年度+2.1% CPI見通し中央値は10年度-0.5%、11年度は-0.2% 物価は見通しに比べ…