シェイブテイル日記2

シェイブテイル日記をこちらに引っ越しました。

デフレ

かなり株高円安となる理由(2)

(前回エントリーかなり株高円安となる理由(1)からつづく)前回エントリーの続きです。 なぜ2009年の菅直人副首相(当時)によるデフレ宣言、そして日銀による臨時政策決定会合での金融緩和よりも、今回は更に株高円安が強まる可能性があると考えられるのか…

かなり株高円安となる理由(1)

2月にはいって、日記の更新が滞ってしまいました。 実は最近、投資環境が大幅に変化したと感じてそちらの分析をいろいろしておりました。 周知のように、今年1月25日にFRBは長期インフレ目標値を公表する方針を示しました。これに刺激されたのか、我が日銀も…

そこまで言って委員会 増税止むなし派はなんと主張したか(2)

辛坊治郎 「(リフレ政策を聞いて)んー、ではそれだけで日本の経済が強くなるかといえば…」宮崎・勝谷同時に「いやそれはまた別の問題!」辛坊 「じゃぁ、全て日銀に押し付けて、政治家はやることはないのか、と」 「(日銀法改正問題について)現在では中央銀…

そこまで言って委員会 増税止むなし派はなんと主張したか

昨日のそこまで言って委員会で、リフレ派の上念司氏が増税不可避派の辛坊氏を論破した、というエントリーを書いたところ、増税不可避派の意見も公平に書いて欲しい、というコメントを複数いただきましたので、今日は増税不可避派の三宅久之氏と辛坊治郎氏の…

そこまで言って委員会で上念司氏が増税推進・日本破綻不可避論者の辛坊氏を論破

今日の「そこまで言って委員会」はリフレ派の論客、上念司氏がゲスト出演し、大変面白い議論を展開してくれました。 司会者としては著しく偏った増税推進・日本破綻不可避論者の辛坊氏とのやり取りも大変見ものでした。(ナレーション) リフレ派、高橋洋一…

死ぬ必要がない病気(1)

今回は経済とは全く関係がないお話です。 最近、筆者の知り合いの親戚が、喘息で亡くなったそうです。 まだ若い方だったので、亡くなった方の家族は悲痛だったということでした。古い話になりますが、テレサ・テンという歌手がいてかなりの人気でしたが、あ…

日銀の政策がデフレターゲティング政策であることの証明データ

【要約】 日本の物価を消費者物価指数(CPI)で測定し、精密にCPI=0%を維持している日銀。 しかしそのCPIは本当に正しい指標なのでしょうか。昨年末発表された政府経済見通しでは、消費者物価指数(CPI)の僅かな上昇を見込むとの報道がなされています。 1…

シェイブテイル版お金の本質−日本はなぜデフレなのか−

お金とは何でしょうか。 かならずしも金(gold)に裏付けられたものでないことははっきりしています。 人によっては土地が裏付けという主張(ハイパーインフレ期の後のドイツ「レンテンマルク(Rentenmark) 」など)*1、国債本位という主張*2などもあります。 …

 IMF World Economic Outlook Database の使い方

【おまけネタ】 昨日のエントリーでは、IMF World Economic Outlook Database (2011APL版)を活用して、日銀のデフレ政策について書きました。 今日はおまけネタとして、IMF World Economic Outlook Databaseの使い方をご紹介しましょう。まず http://www.i…

減価する地域通貨に関する参考文献

先日書いた減価する地域通貨についてのエントリーに対し、減価する通貨に関する情報が欲しいとのお話がありましたので、参考文献を記します。 減価通貨について論じた書籍は少ないですが、有名なところでは「エンデの遺言」NHK出版 (2000)・ 「エンデの警告…

日本国債は危ないか、日本国債を危うくするものは誰か(3)

【要約】 近い将来日本国債を自国民だけで買い支えることは不可能となるでしょう。 その時日本国債を安定的に買い支えられる主体は日銀だけとなります。 ただもし、日銀が必要十分な国債を買い入れたとしたら、その時こそ日本の経済危機は去ることになるでし…

連鎖方式での消費者物価指数算出の意義は意外に大きい

【要約】 ・エネルギーや米以外の穀物価格高騰は日本ではデフレ要因となる。 ・日銀はこれまでの固定基準方式CPIに加え、連鎖方式CPIを扱うことになったが、その意義は意外に大きい。去る5日の日経朝刊では、消費者物価指数の二極化傾向を伝えています…

デフレによる政策制約とみんなの党の成長戦略

欧州危機が進行する中、米国はバブル崩壊の後始末に苦しみ、そして日本では’97年以降、デフレが進行中です。 図1は日本のGDPデフレータ推移と政府の財政・金融政策の関係を示したものです。 図1日本のGDPデフレータ推移と政府の財政・金融政策 量的緩和(2001…

デフレ日本でOccupy Wall Street国際呼応デモが盛り上がらなかったのはなぜか

少し前の話になりますが、今年10月25日に、全米に拡大する抗議行動「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」に呼応したデモが世界中で催されました。*1 言うまでもなく、Occupy Wall Street運動とは、1%の最富裕層に富が集中し、格差が拡大し失業率も高…

野田内閣消費増税と白川日銀CPI0%政策のポリシーミックス効果予測

【要約】 ・デフレ日本で消費税増税がなぜ問題なのでしょう。 ・そしてTPP参加はなぜ問題なのでしょう。 ・こうした問題に対し、与党民主党の方針に内部から強く反対する議員はいないのでしょうか。 言うまでもなく税金とは納税者から政府への所得移転です。…

三題噺 欧州危機・アメリカ合衆国独立・日本のデフレ

【要約】 ・現在までに欧州危機により、株式市場だけでも800兆円弱の損失が発生しています。 ・欧州金融危機は、230年前のアメリカ合衆国に学ぶべきことがあるようです。 ・日本のデフレについても関連づけて考察してみました。13日の日経新聞夕刊にユーロ圏…

デフレ不況脱却策−マネタリストとケインジアンのどちらが正しい?

【要約】 ・デフレ脱却・景気回復には、構造改革派とケインジアン型とマネタリスト型の3種の政策が主張されています。 ・筆者はこれらの政策それぞれ単独ではデフレ脱却は困難と捉えています。デフレを2年以上の物価下落というIMFの定義に従えば、日本では'…

民主党代表選挙−次の首相には誰がふさわしいのか

【要約】 ・ 近く予定される民主党代表選挙の立候補予定者を経済政策の主張でまとめてみました。 ・その主張から、この中には日本の将来を託せる政治家として期待できる方もいるようです。退陣表明をして久しい菅首相も、ようやく今月内退陣を示唆するように…

デフレ日本の労働者が置かれた状況

【要約】 ・OECDデータベースで、労働単価推移を国際比較してみました。 ・それによれば、日本の労働単価は、非正規雇用比率の増大と、正規雇用者との賃金格差放置により、他のOECD諸国とは全く異なった動きを辿っていることが分かります。前回のエントリー…

日本の「物価安定」は先進的、(あるいはせめて普通)なのか

【要約】 ・日本の物価水準は30年前と同じになりました。 ・日本と日本以外の物価安定国の30年間の物価変動を比べてみました。 日本で物価が上がらなくなってもう随分経ちました。 日本の物価指標GDPデフレータがピークだったのは、1994年のことでしたから、…

日銀「国債直接引き受け」と「国債市中消化+買いオペ」は同じか

【要約】 ・日銀「国債直接引き受け」と「国債市中消化+買いオペ」は一見するとよく似た取引です。 ・政府・日銀・市中銀行・その他民間部門と4つに主体を分けた仕訳で、デフレ日本では日銀「国債直接引き受け」がどう優っているかが分かります。昨晩2ch日…

デフレ日本では国債直接引き受けが国債買いオペに優る理由 

【要約】 ・デフレ日本では国債買いオペでベースマネーを増やした場合、国債や海外資産の高騰を招くことが確実なのに、肝心の民間非金融部門へは資金が出て行きません。 ・日銀による国債直接引き受けの場合には財政政策と並行して実施することで、海外資産…

消費税が雇用の非正規化を促進する仕組み

【要約】 ・賃金の下方硬直性という経済学の常識は次第に非常識化しつつあります。 ・その原因の一つは、消費税が会社の付加価値部分にかかる仕組みだからです。 ・特に資本金1000万円未満の法人では設立後2年間は消費税支払いが免除される規定が、人件費デ…

現代日本でなぜ精神疾患が増えているのか

【要約】 ・現代日本ではこれまでの「4大疾病」がん、脳卒中、心臓病、糖尿病に加え、精神疾患が加わり「5大疾病」となった。 ・その精神疾患とは老齢者以外ではうつ病と不安障害のこと。 ・うつ病・不安障害は90年代終盤から急増。 ・これは、’98年からの自…

白川総裁が毎年10兆円以上の国債を直接引き受けていると認めた国会答弁ビデオ

与謝野は、日銀が毎年10兆円以上の国債直接引き受けを行っていることをまだ知らないようです。 野田も知らなかったが、3月25日の財政金融委員会で知ることとなりました。 白川は、当然ながら最初から知っていました。 そして行き着くところ、日銀は直接引き…

毎年11兆円の国債が日銀に直接引き受けされていることを財務大臣は知らなかった

先日の財務金融委員会で、自民党・山本幸三議員が野田財務大臣や白川日銀総裁に、日銀は既に、毎年10兆円を超える国債を政府から直接引き受けているという事実を知っているか質しました。今の時点ではビデオは見られますが、国会の議事録は公式には見られな…

世界一優秀な中央銀行はどこか

昨日のエントリーで、世界の国々の中での日本のデフレを考えてみました。 人によってはデフレは世界中の国々が経験すること、ともとれる論調の記事を書く方もいますが、まずその継続年数が普通ではないことは確かです。 さて次に、世界的にもある程度は存在…

世界の国々の物価水準

日本が現在デフレであることに異論がある方はいないでしょう。 ただ、そのデフレの程度、継続期間、世界に同様なデフレ状況にある国々がどれだけあるかについてはあまり情報が多くありません。 その中で、週刊エコノミスト(10.09.28)に掲載された「世界33…

CPIとGDPデフレータの違い

以前から気になっていたことがあります。 物価を示す指標にはいくつかありますが、「消費者物価指数(CPI)には上方バイアスがあり、GDPデフレータには下方バイアスがある。」といった説明を見聞きするのですが、その説明がちょっとアヤシイのでは?、という…

世界中がデフレ?

先日、週刊エコノミストをパラパラ見ていましたら(2010年9月28日 p36)、内閣府のある人が「個人的見解」と断って、「デフレになっているのは日本だけではない。」という論旨のことを書いていました。 私も前に書きましたが、デフレを「2年以上続く物価下落…